- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784759310894
作品紹介・あらすじ
研修医が見た驚きの医療現場とは!?生と死の現場で起きたドラマの数々を瑞々しい感性で描く、女性研修医の奮闘成長記。
感想・レビュー・書評
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研修医ブログ、コラムみたいなもの。
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研修医が研修でいったい何をやっているかがよくわかる本。研修医の新鮮な視点で医療の問題点をあぶり出している。医療業界の関係者は一読すべし。
<blockquote>訴訟になった時のことを考えて、自分の身を守るための「念のため」にしておく検査もじつはものすごく多いのです。</blockquote>医療費高騰の原因の一つだ。訴えすぎもよくないのだろう。訴えずとも医療ミスかどうか確認できる第三者機関のようなものが必要だろう。
<blockquote>ガンで亡くなるのをはじめ、抗ガン剤の副作用で亡くなる患者さんも少なくありません。</blockquote>抗ガン剤は本当に必要な治療なのだろうか?体を温める治療法のほうが、クオリティオブライフを考える良いのでは、と改めて考えさせられる。
[private]<blockquote>肛門から大腸内視鏡を入れて、自分重い腸を縫い合わせた部分に水をかけて、水が漏れないかどうかを確認する必要があったので、重いテレビ付き内視鏡を毎回、手術室に運ぶ必要がありました。</blockquote>内視鏡の使い方にこんなものがあるなんて驚き。軽量の内視鏡のニーズは、こんなとこにもあるのだなと感じた。
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<blockquote>東洋医学は、体を巡っている「気・血・水」の流れが滞ると症状が出たり、病気になるという考え方なので、治療法はその「気・血・水」の流れを元に戻す方法です。そして、それを手助けするのが漢方薬なのです。</blockquote>東洋医学は奥が深い。西洋医学と東洋医学は補い合う立場にあると思うのに、どうして現代の医学は西洋医学に傾きすぎているのだろう? -
石原新菜さん、石原結實さんの娘さんです。「研修医ニーナの731日」、2009.9発行。著者が2年間の研修医生活で体験した医療現場のリポートです。研修医も大変ですが、大学院生はもっと苛酷、概して、お医者さん、外から思うほど楽ではないようです。大学院生、女性で七連直、ストレスでセックス依存症になる人もいるそうです。また毎年90人前後の医師が自殺してるとか。医師は書類業務がとても多いそうです。アメリカなどでは医療秘書が担当するそうです。また、看護師の世界は、自衛官、警察官同様縦社会だそうです。参考になりました。
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外側から見てるだけでは
わからないことがたくさん。
むしろ、何もわからない。
本当は思ってるよりずっと
深くて重い事実がある。 -
三葛館医学 490.4||IS
著者の二年間の研修医生活を書いたエッセイ。
大学病院の「研修プログラム」や医療現場の実情など、とても興味深い内容です。
和医大OPAC →http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=57184 -
◇医師もひとりの人間なんだ。
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タイトルから分かるように、研修医の日記です。
新臨床研修医制度が導入されてからの研修医の生活を追ったもので、すでに私の時代とは違います。
私の時代は、大学卒業したら、これがしたい、という希望の科を決めて、その医局(大学)に入り、主に大学の付属病院で その科で二年間研修医として修練しました。
今の制度は、大学卒業したら自分で決めた病院に行って、研修医となり、内科・外科・救急・産婦人科・小児科・地域医療といった決められた科を決められた分だけローテーションして2年間を過ごし、その後で自分の所属する科を選びます。
要するに自分の希望しない科も回らないといけないし、なんでもできる医者を作るのが目標ですが、回るのはだいたい3ヶ月~半年程度で、責任のある仕事は任せられないのが現状です。
意外と彼女・彼らたちがどういう風に感じているのか、なかなか入ってこないので、そういう意味ではとっても新鮮に読みました。
プラス自分の研修医時代を思い返しながら・・・・
この著者のいいところは、とってもこの制度がよかった、という締めくくりになっていること。
実はわたしの周囲からは、いつもこんな制度全然いいことないです。という意見しかなくて。みんながみんな、そういうわけではないのかなーという気にさせてくれて。
でも、彼女、研修医になる前は、内科医になるつもりだったのが、
研修医終わった時には気持ちが変化して、東洋医学への道に行っている。
これがこの制度のもたらした結果なのかなーと、一臨床医からは本当に寂しいですね。
私たちの時代は、学生のときに自分の進む科を決めないといけなくて、みんなすっごく悩むんです。
働き出してから、思ってたイメージと違う!なんて ほんとよくあること。
こんなに体力的に厳しいなんて!というギャップは ほんとよくあったのです。
でも、キツイこと以上にやりがいのある仕事だったり、そのうち面白くなってきたりして、みんな頑張ってやっていくものだったりするんだけど、
一度研修医として現場を見てしまうと、この科はこんなにキツイんだー・・・って表面だけみて、みんな選ばなくなっちゃう。
キツクてもこの科で患者さんを治してあげたい!と思うのって難しいんです。
・・・医者も人間だから、ね。
でもねでもね、絶対に2年間ではなにもわからないと思うんです。
一人の患者さんと向き合って向き合って、
最期まで逃げずに向き合って得られるものってあるんです。
研修医の2年間ってすっごくキツイけど、若いし頑張れる時期だし、吸収すること沢山あるし、なんで医者になったのか、ていう初心を忘れないでいてほしい。
もし、学生がこの本を読んだのなら、この本の全てが現場の全てではないということを付け加えたいです。
彼女の経験した研修医の生活であって、考えややり方は現場によって異なります。
彼女は大学院に行くのも考えを変えるわけだけど、
大学院のことについても、ちょっと違うかなーと私は感じました。
医学博士というものに対する考え方は本当に人それぞれだったりするので、どれが正しいわけではないんです。
結果彼女が西洋医学の限界を知ったという感じだったのが、私は本当に寂しい気がしました。
でもね、彼女も結婚したり妊娠したり、色々女性が働く職場としても問題がある医療の現場で考えることも多かったんだと思うんです。
いいところは変えずに残して、
変えていかないといけないところは変えていく。
難しいけど、そうしないと、医師はどんどん現場から離れていってしまう。気がしてならないんです。
結構ね、あるんです。
入院が必要だけど、当院では手におえないくらい厳しい状況なので、ほかの病院探しましょう、
で、探し始めても みんな、うちも医師がいなくて無理なんですーってどこも断られてしまうケースが。
たらいまわし って嫌な言葉だけど、まだまだ改善策がたってないのが現状。
考えさせられます。