日本の歴史を解く9つの鍵 古代~幕末編

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  • 海竜社 (2009年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759310986

日本の歴史を解く9つの鍵 古代~幕末編の感想・レビュー・書評

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  • 「代表的日本人」にみる壮絶な生き方《赤松正雄の読書録ブログ》                           
     東日本大震災以後、改めて日本人論が関心を集めているように思われる。昨今の政治、経済の体たらくを反映し、否定的に語られるのが特徴だ。だからというわけではないが、内村鑑三の『代表的日本人』を改めて読んだ。

     この本で取り上げられているのは、西郷隆盛と日蓮大聖人ら五人。西郷についてかねて私は、謀反人としての最後に引っ掛かりを感じてきた。維新革命がその理想に反したために西郷が起こした反乱。一方で、維新に果たした役割が高く評価されながら、他方では真っ向から、その成果に反抗する。その辺りに、西郷の人気があるのだろうか。内村は、「西郷の生涯のこの時期を歴史が解明できるのは、まだ百年先のこと」で、「西郷の国家に対する貢献について、歴史が正しい評価を下すまでに、まだ至っていません」と述べている。出版された明治28年から既に百年余りが経ったが、依然として解明されたとは言い難い。

     内村は、最も偉大な人物として「太閤と西郷」とをあげる。二人とも「大陸方面に野望を持ち、世界を活動の舞台」とみていた。戦後民主主義にどっぷりと浸かった教育を受けた身からすると、異論があろう。西郷には「純粋の意志力との関係が深く、道徳的な偉大さがある」と。いささか褒めすぎではないかと思っていたら、もっと上をいく書物に出くわした。岡崎久彦、渡部昇一、石平『日本の歴史を解く9つの鍵』だ。このなかで岡崎は「西郷がわかれば日本がわかる」といい、渡部は「本当の近代を築いていくためにはどうしても西郷さんがいなければならない」という。多くの弟子後輩たちと生死を共にした壮絶な生き方、死に方に感銘を受ける人々は多いのだが、この2冊を読んでも今一歩私には不可解さがつきまとうのは何故だろうか。

     日蓮大聖人について、解説では、資料として、おおむね小川泰堂の『日蓮大士真実伝』、幸田露伴の『日蓮上人』を参考にしたとされているが、物足りなさは禁じえない。実は、若き日に「大白蓮華」の連載で読んだ湊邦三の『小説日蓮大聖人』(全22巻)を今少しずつ読み直しているだけに、一層その思いは強い。

     内村には、みずから日本における「キリスト教の日蓮たらんとの志が窺われる」。そのあたりの心意気は壮とするものの、巻末の「闘争好きを除いた日蓮、これが私どもの理想とする宗教者であります」との記述には首をかしげる。「闘争好き」との規定の仕方に「法華経の智慧」を知らぬがゆえの限界を感じざるを得ない。

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