時の止まった赤ん坊

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著者 : 曽野綾子
  • 海竜社 (2014年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (764ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759313659

時の止まった赤ん坊の感想・レビュー・書評

  • 黒木亮氏レコメンド作品

  • 700ページを越える分厚い本。日本での生活に慣れきってしまっている私。このような厳しい環境下に飛び込む勇気は全然ない。たぶん耐えられず、すぐ逃げ出しちゃう。

    本当に必要な物は神様が与えて下さる・・・神頼みは自分の利益であってはならない・・・神を信じきって、すべてを神にお任せすることができれば、もっとシンプルに生きることができるんだろうなぁ。

    日本が途上国に行っている無償援助の問題についても考えさせられた。技術や装置を気前よく援助しても使い方やメンテ方法を教え、故障を直す技術者の養成までしないと宝の持ち腐れ。「人間ただでもらったものは大してありがたいと思わんもんでしょう(P707)」・・・ホント、そのとおりかも。

  • マダガスカルの産院では、十分な設備、資材が無いために、日本では助かるはずの赤ん坊が死んでいく。
    日本から来た助産師は、必死で赤ん坊を助けようとするが、「マダガスカルの女性は、生涯に20回以上も妊娠し、10人以上の子どもを産むことも普通。それらの子どもを全部助けていたら、人間が増えすぎる。助けることが必ずしも善ではない」と言われる。

    マダガスカル人も、子どもを授かったのは神の意思として喜ぶが、普通に産めない(帝王切開や早産など)場合は、お金が必要な措置よりも赤ん坊が死ぬことを望む。
    お金がかかってしまうと、他の家族が飢えてしまうから。

    一方、日本では出産時の事故や生まれつきの障害で、一生寝たきり、意思疎通もできない子ども(時の止まった赤ん坊)が生かされる。
    多額の費用を消費しながら。


    登場人物が修道女中心なので、「神の意志はどこにあるのか」という議論が続きますが、何が善で何が悪なのか、日本的な価値観だけでは全く判断できないのだなと思いました。

  • 1984年に出版された本。
    その当時すでに、いい人の話しかしない、と日本人を評しているのが面白い。今はますます感動的な話ばかりが増えているから。自分の中の悪を認めないから幼児的で薄っぺらいという文中の言葉に同感だが30年前にも既にそうだったなら、あんまり心配いらないのかも。

    マダガスカルという日本とは全く異なる世界で、助産師として働く修道女の話。「あそこへ行けば、あの夢のような生き方がある、と思えることが必要なんですよ」という小木曽の言葉は宗教的な響きがある。
    最近の断捨離ブームみたいな、物から自由になることへの憧れもかきたてられる。

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時の止まった赤ん坊の作品紹介

アフリカ・マダガスカル島の産院で使命感を持って働く日本人のシスター。貧困、飢餓、慢性的な物不足、人間の狡さ、卑怯さの中で、限りない愛、偉大さを垣間見せる世界!

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