わたしの明日が変わる!アドラーの知恵

著者 :
  • 海竜社
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本棚登録 : 29
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759314076

作品紹介・あらすじ

過去と他人は変えることができないけど、未来と自分は変えられる。今すぐ生かせる実践の心理学。

感想・レビュー・書評

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  • アドラーの主張を忠実に伝えようとしている箇所はとても読みやすく、納得感があるのだが
    著者独自の主張が入ってくるところは根拠に乏しく、主観的で、「なぜアドラー心理学についての本でこんな話をするのか?」と疑問に思うくらいに見当違いであると感じた。
    特に子育てのところでは「メールでは真のコミュニケーションはとれない」「ゲームは受け身の遊びしかできず創造性が育まれない」などと主張するが、今時SNSで通じたのがきっかけでの交友関係・婚姻関係などいくらでもあるし、仮に子供らがSNSやLINEで連絡し合っていたとしても、学校に行けば対面でのコミュニケーションを取るのだから、問題ないだろうと思ってしまう。
    「ゲームが受け身の遊びしかない」というのも、著者はMinecraftすら知らないのだろうか。もう発売から10年経ち、未だ多くの人々の創造的な遊びの土壌となっているのだが。
    端的にいうと著者は「情報が古い」のである。話の節々に「昔はよかった、今はダメだ」の懐古主義も見受けられる。

    そもそも、著者は「スマホやゲームに囲まれて育った子供たちが将来ニートや引きこもりになるのは自明」というような主張にすら至っているようだが、これこそまさにフロイト的な、原因や結果にフォーカスする考え方ではないか?
    「スマホやゲームが原因で、ニートや引きこもりになる」と論じているのだから。
    アドラー的に考えるのであれば、「スマホやゲームが当たり前の日常となった現代において、いかにして子供たちを育ててく・導いていくか」を論ずるべきであったと私は思う。加えて言えば、このテーマだと子育てに限られてしまうので、「現状を受け入れ、その上でいかにして目的に向かっていくか」という論じ方をしてほしい。

    蛇足になるが、「子供の頃、吃音の先生をからかったり笑ったりしていた。その先生は結局吃音は治らなかった」などと臆面も無く書いたり、「子供が転んだとき『だから気をつけなさいと言ったでしょ。まったくグズなんだから』と叱りつける母親でも愛情の深さでは他の母親と変わりはない」「部下が失敗したとき『ダメだなお前は』と怒鳴りつける上司であっても部下を思う気持ちは一緒」などと明らかに攻撃的な例をほかの温厚な対応と「それでも気持ちは同じ」と括ってしまうあたりに、人間性の拙さを感じ、この人は尊敬できないなと思わされた。

  • 共同感覚がもっとも大きな特徴と価値観

    結果でなくプロセスをほめる:喜び、やる気
    結果がなくても

    劣等感がないのもありえない
    劣等感をきちんと意識して、これを乗り越えようと意識が向かえば全く問題ない
    優秀な人間ほど劣等感をもつもの
    人間のエネルギーは不完全さに対して完全を求めるときに発揮される

    一番の勇気づけは喜びを共有すること
    人間をかえるのは頭でなく行動だ
    こういうのをやってみる(考えてみるのでなく)のはどうでしょうというのがアドラー

    劣等感を取り除くために例外の発見は有効

    自己は他者との関わりにおいてのみ認識できる存在
    過去というのは今の自分が作り上げたものであり、過去といっても唯一無二の事実はない
    自分がどう思われているかでなく、自分が他人をどう思っているかがスタート

    落ち込んだら
    原因を思い出す、次回はどうするかと考えるのが本来の反省であり、落ち込みからの何よりの脱出法にもなる

    不安の正体を具体化する、対処できると思えば未来への信頼がうまれて不安へる

    悩みの目的:選択したくないからだったり
    カウンセラーの役割は自分をごまかしていることに気づかせ、相手の悩みのもとを明らかにしてあげること

    あなたはえらいとかでなく(評価している、上から目線である。)相手に共感、私は嬉しいとアイメッセージで伝えるべき
    アイメッセージなら何を言っても構わない
    アイメッセージであれば受け入れてくれる
    YouMessage:心にもないことと見透かされる

  • 理屈より行動。
    過去より現在。
    評価より共感。
    この言葉にまず目を奪われた。

    1.結果よりプロセスを大事にすると結果もよくなる。
    劣等感を成長のためのプラス材料にする。
    うまくいかなくてもプロセスを認める。
    人と比べずに、その人の成長を喜ぶ。

    2.失敗を足し算で捉えると、成功の近道になる。
    劣等感をきちんと意識して、乗り越えようと意識を向ければ問題ない。
    なかなか克服できない劣等感を一旦自分の中に受け入れて、その上で、その劣等感に縛られない。という生き方もある。
    一緒に喜ぶことと、ほめることは別。一番の勇気づけは共に喜ぶこと。
    成功談より、失敗談に励まされる。
    自己肯定感を高め、レジリエンスを育む。

    3.ダメな自分にもダメでない例外が必ずある。
    劣等性を認識した上で、けしてそれはマイナス点ではないということも認識する。
    リフレームというものの見方を変える技法がある。言葉のリフレームだけでなく、行動を促すリフレームが大切。
    行動が感情を作り出す。
    行動を決断することに意味がある。
    人格否定を行動否定に切り替える。
    ものの見方を変えるリフレームから、どう考えるか。そしてどうするか。と行動に移すこと。そして、その行動の中で、今まで自分はこうだ。と決めつけていた中の例外を探す。それが、自分を変える大きなきっかけになる。

    4.自分だけの幸せでは、自分も幸せになれない。
    愛だけではなく、それを伝える技術が必要。
    人と人とは助け合わなければ生きていけない存在という事実は理屈抜きで大切なこと。共同体感覚は他人と共に生きてる。他者がいてこそ自分がある。という感覚。

    5.いじめっ子が辛いのは、いじめより無関心。
    教育とは与えるものではなく、引き出すもの。
    子どもには困った体験をあえてさせる。
    子どもと話すのは、片手間も後でもダメ。

    6.逃げるのではなく、場を外すのが解決への第一歩。
    落ち込んだら、次はどうするかを考える。
    不満の理由を具体的に考える。

    7.変わらない他人も過去も、自分が変われば変わる。
    会話によってお互いの違いを埋める。
    あなたは。という言い方は断定のコミュニケーションなのでしてはならないとアドラーは言っている。逆は私は。という言い方をする。これがアイ(I)メッセージ。
    お願いね。の、ね。は命令・強制の言葉になり得る。気をつけて使う。
    楽しい思い出を話すことで今が変わる。

    アドラーは実践の心理学であると再認識した。その通り、日常で活かしていく。yes and butではなく、yes and doでそうだ、やってみよう。と行動することで人生において建設的な結果を得る。

  • アドラーの知恵 星一郎 海竜社

    この本の要は
あなたも私も皆んなが幸福であるために
人とあるいは社会とどう付き合っていけば良いかを指南
その答えは以下の3つである

    理屈より行動
    過去より現在
    評価より共感
    も一つ
    過去の分析より今も解決法

    実に端的で分かりやすい
    具体的な例題を通して
全体を視野に入れた実践的生き方を示してくれる

    子育てビジネス地域社会
一人として自律を目指し
家族隣人大自然と以下に愉しんで集い
満たされた人生を積み重ねていく為の
    現実的方法を目からウロコで気付けるだろう

    素晴らしい本である
    特に90ページの人格否定を行動否定に訂正することで
    差別が解消されるなど
    正に腑に落ちる意識の変革である
    子育てにも愛だけでなく行動する技術が必要だという
    対立する競争原理は過去の根ざすが
    共生する切磋琢磨は現在を舞台にするということなのだ
    アドラーはこれを共同体感覚という

    アドラーの造語は沢山有るけれどイマイチ分かりにくい
それは多分母国語のドイツ語でなく
英語で説明する為に作り出されたからだろう
    例えば

  • アドラーの本でも著者によって少々言っている印象が変わりますね。

    それでもアドラー心理学はわかりやすくまた共感出来る内容が多いので参考になります。

  • 子育てのアドバイザーが「アドラー」と言っており、よく知りたいと思い手に取る。納得でき、学べる事が多く、私にも適した考えだと思う。本としても読みやすく、初めてのアドラーに触れる本としても良書。

    オーストリアのアルフレッド・アドラーの教え。

    【学び】
    劣等感の克服
    うまくいかなくてもプロセスを認める
    誉めるのではなく、一緒に喜ぶ
    レジリエンス:逆境力

    「こう考えたらどうかな?」ではなく、「こう言う事をやってみたらどうかな?」
    具体的な行動を取り上げて肯定することが大事

    「どうして?」とか「なぜ?」では無く、「どんなとき?」「どこが?」「どんなところが?」と具体的な質問をする。

    不満の理由を具体的に考える。
    意地悪されたと言ったときは、どうして?ではなく、どんな意地悪をされだの?それはやだね、その次はどうしたらいいかな?

    アイメッセージを伝える
    ×あなたは努力が足りない
    ○私はあなたの努力が足りないと思う

  • アドラー心理学そのものよりも、それを踏まえた生き方の知恵。
    目的へのプロセスを重視する。失敗を足し算にする。行動を優先する。決めつけずに、例外を考える。相手に関心を持ち、きちんと向き合う。怒りを感じたら、その場を離れる。共感をIメッセージで伝える。
    いじめ、コミュニケーションなど、現代の課題についての評論としても参考になった。
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著者プロフィール

心理セラピスト。1941年、東京生まれ。東京学芸大学卒。都立梅ヶ丘病院精神科心理主任技術員、都立中部精神保健福祉センターなどを経て、子育てボランティア団体「わいわいギルド」代表ほか、IP心理教育研究所所長を務める。元日本アドラー心理学会評議員。アルフレッド・アドラーが提唱した「アドラー心理学」を取り入れた子育て論や子どもへの対処法には定評がある。

「2019年 『アドラー心理学で子どもの「がまんできる心」を引きだす本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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