- Amazon.co.jp ・本 (167ページ)
- / ISBN・EAN: 9784759811858
感想・レビュー・書評
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この地球で生きていくために。遺伝子組換え、ゲノム育種、直面する食料・環境問題に植物科学者たちが挑む。(出版社HPより)
◆◇工学分館の所蔵はこちら→
https://opac.library.tohoku.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=TT21682937詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者の著書をいくつか読んだが,非常に信頼おけるので,これも読んでみた。植物生理学の研究者たちにインタビュー。文章はインタビュー形式ではなく,著者が手を加えてわかりやすくまとめてる。
11/22のNスペ「アレルギーを治せ!」を見たのだが,偶然にもこの本にそれ関係のネタがあった。アレルギーの減感作療法につながる「スギ花粉症緩和米」の話。遺伝子組換技術によって日々食べながらアレルギーを緩和する米ができる可能性があるらしい。僕も花粉症なので大歓迎!
植物の遺伝子研究におけるモデル生物としてシロイヌナズナを確立した岡田清孝氏を取り上げた第一章も面白い。大腸菌やショウジョウバエ,マウスなど,世代交代が早くて,実験室で育てやすく,遺伝子操作も容易な生物が早くからモデル生物として確立していたが,植物では遅れていたという。
遺伝子組換というと,嫌悪感から反対する人が多いが,それは誤解に基づくことも多い。日本でも遺伝子組換生物からの食品は広く流通しているし,安全性は厳しく管理されている。そもそも農業だって自然を人工的に利用し変化させてきた。冷静にリスクを勘案して選択していくのが有意義だろう。