- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784759813241
作品紹介・あらすじ
地球は誕生以来、様々な環境変動を経験してきた。温暖化と寒冷化を繰り返しながら、地球全体が氷に覆われ、超大規模な火山活動が生じ、小惑星の衝突などが生じたと考えられている。地球環境の本質は「変動」であるといえそうだ。しかし一方で、地球には生命があふれ、温暖湿潤な環境を長期的に保てるほど「安定」でもある。激甚な環境変動を繰り返しながらも生命を育むほど安定な地球の環境。温暖化による気候変動が懸念される現代、46億年の地球史からなにを学べるだろうか。
感想・レビュー・書評
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本書は、地球46億年の気候変動を大気の変動を中心に描き出す。過去の大気を調べることは、一部の例外(南極の氷の奥底に眠る大気など)を除き、不可能である。そのため、間接的に推測することしか出来ない。当然、確定的事実は限られている。このような背景があるため、本書では「・・・仮説」というようなパターンが頻発し、実に分かりづらい。 この本から分かることは、地球物理は、掘り尽くすにはまだまだ時間がかかり、また原理的は不可能であること。したがって、これから科学者を目指す諸君には、ぜひ地球物理学者を視野に入れてほしい。
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地球環境を形作る複雑なメカニズムが、46億年の歴史を振り返りながらまとめてある。
地球上に海がある(平均気温が液体の水が存在できる範囲に収まっている)ことの理由は太陽からの距離だけで語られることが多いが、本書を読むと、地球がこれまでの歴史の中で水が全く存在しない高温の時期や全球凍結の時期などを経ていたことがわかる。そもそも、初期の地球には大気もほとんど存在していなかった可能性があるということは、非常に驚きであった。
そのような状態の地球に大気が生まれ、水が液体として存在するようになったプロセスを見ると、地球の環境は大気の組成(温室効果ガスの濃度)だけでなく、火山活動、地殻変動、生物の活動(光合成)、風化作用による二酸化酸素の固定など様々なフィードバックシステムの連関の中で現在の状況にたどり着いたのだということが分かった。
過去の気候変動のメカニズムを学ぶことは、現在起きている気候変動の要因を検証することに役立つとともに、気候変動がもたらす結果を考えるきっかけにもなる。筆者も本書の末尾で述べているが、そのような形で一歩引いた地点から地球の状態を俯瞰してみることで、地球の将来を考えることが非常に大切であると感じた。 -
このジャンルの本は初めてでしたが、(見た目専門書的ですが)問題なく読めました。これを踏み台に他の本に進んでいけそうです。
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図書館本。
よみやすい。 -
[ 内容 ]
地球は誕生以来、様々な環境変動を経験してきた。
温暖化と寒冷化を繰り返しながら、地球全体が氷に覆われ、超大規模な火山活動が生じ、小惑星の衝突などが生じたと考えられている。
地球環境の本質は「変動」であるといえそうだ。
しかし一方で、地球には生命があふれ、温暖湿潤な環境を長期的に保てるほど「安定」でもある。
激甚な環境変動を繰り返しながらも生命を育むほど安定な地球の環境。
温暖化による気候変動が懸念される現代、46億年の地球史からなにを学べるだろうか。
[ 目次 ]
第1章 生命の存在する惑星
第2章 大気と海洋の起源
第3章 地球環境の安定化の要因はなにか
第4章 生命の誕生と酸素の増加
第5章 気候の劇的変動史
第6章 スノーボールアース・イベント
第7章 恐竜絶滅を引き起こした小惑星衝突
第8章 そして現在の地球環境へ
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[ 参考となる書評 ] -
地球を相対化することによって普段私たちが当然だと思っている地球環境がいかに特別なものであるかがよくわかる。
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地球史を俯瞰的に,網羅的に解説している.初学者にも分かりやすい.
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久しぶりに読んだ地球科学系の本。
田近先生の話は、やっぱり面白い。
地球科学はこういうデッカイ話がいい。