- Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
- / ISBN・EAN: 9784760121465
作品紹介・あらすじ
活字はなぜこれほどに人の心をとらえるのか。活字書体を二百数十頁にのぼる垂涎の図版で遊覧。
感想・レビュー・書評
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活字印刷史研究に燦然とその名が輝くお三方のお話。
フォントサンプルが非常に数多く載せられ、解説も詳細。
日頃は聞くこともないだろうお話が、どれも面白くて面白くて。
「活字中毒」なら本好き・読書家のイメージだが「真性」が付くことで俄然ディープになる。
彼らは活字書体そのものを収集・研究する「絶対文字感」の持ち主。
新聞の切れ端から朝・毎・読を見分けるくらいは朝飯前なんである。
第一章 日本語組版の歴史
第二章 古書温故知新
第三章 タイプフェイスとデジタル・フォント
第四章 明朝体の歴史とデザインを考える
第五章 神字と新字
第六章 千字文逍遙
第七章 印刷史研究と往復運動
国会図書館で明治期からの小学校の教科書を追いかけてみた話がある。
すると、世代ごとに仮名がどんどん変化していたらしい。
筆で文字を書いていた頃の書体は非常に高レヴェルだ。
版下(木版・印判などを彫るための下書き)を書家が書き、それを元に彫り師が彫った時代の仮名の美しさは、私の眼でもわかる。
こういうことを言うと反論する人もいるだろうが、昔のひとは偉かった。
明朝体だって、かつては手書きだったという。思いっきり字が上手かった。
今やフォントくらいなら誰でも作れる時代。
POP文字も身近にあふれるが、まず基本書体があり、その後にそういうモノが出来るということに思い至らない。(ああ、これは耳が痛い。。)
明治2年に入ってきたという明朝体だけでも実に多種多様だ。
中国からという先入観があったが、なんとヨーロッパで作られた書体。
アジアでの宣教師の活動に伝道用小冊子を刊行した。
その際に色々な言語の活字が作られ、そのうちのひとつが明朝体活字だった。
彫り師は一日3文字から5文字彫る。大変な作業だ。
6千文字彫るのに大体2年間くらいはかかったろうと言う。
日本はそれを少しずつ手直ししては130年かけて使用している。
毎日目にする活字は、あまり革新的であってほしくないものね。
幕末から明治にかけての書籍や新聞の書体、教科書や辞書まで驚くほどの図版が盛り込まれ、組版の歴史まで系統だてて教えてくれる。
習字の手本として千数百年にわたって用いられてきた「千字文」が掲載された六章は圧巻。
明治の半ばまでは知識教養の基礎として公教育の場でも用いられていたという。
重複のない一千文字の詩文を、一文字ずつ検討していく。
大変な労作だが、たぶんこの一冊でもごく一部なのだろう。
なんとか理想の書体をつくりあげようとする方々には感謝しかない。
その方たちの絶え間ない努力で、不自由なく文字が読めるのだから。
図版が大きいため各章の終わりにまとめて載せてある。
何度もページをめくっては確認という作業の繰り返しだった。
しかし、そう急いで読む本ではないのだから、きっとこれでいいのだ。 -
「活字中毒」とは『小説が好きな人』という風に最近はとらえられますが、これは活字自体が大好きな人々。
皆さんがなにげなく見ている活字にまつわるドラマはすごいです。
印刷に携わる人には眺めているだけでもたまらん本です。 -
忙しいときには疲れたと不満をもらし、予定がないときには暇だというんだから、人間はあまりにも身勝手だ。
さー、広がる世界へ……。
さー、広がる世界へ……。
人様のプライバシーに、色々踏み込むのは嫌なんですが…何だか 気になって仕方ない。
この本の登録の後、全然、...
人様のプライバシーに、色々踏み込むのは嫌なんですが…何だか 気になって仕方ない。
この本の登録の後、全然、本の更新がなくて、いつも、本棚の新しい本の世界の紹介を楽しみにしているのですが、お体大丈夫ですか?nejidonさんのことを言えた状況でない私でも、本棚便りがないのは寂しいです。
色々、忙しいnejidonさんだから、他の用事が大変なだけであればいいのですが…。
また、具合の良い時に、素晴らしいレビューと本の紹介、お待ちしてます。体調崩されておられるなら、どうか、ご無理なさらないように
…ごめんなさい。この場を借りてコメントさせて頂きました。m(_ _)m
さみしいです…。
ブクログに、こられなくなってから、nejidonさんの存在感の大きさを、あらためて感じています。ne...
さみしいです…。
ブクログに、こられなくなってから、nejidonさんの存在感の大きさを、あらためて感じています。nejidonさんのレビューが読みたいよう (T_T)
りまの