死のドレスを花婿に

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制作 : 吉田恒雄 
  • 柏書房 (2009年7月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760135868

死のドレスを花婿にの感想・レビュー・書評

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  • この着想、このテンポ!
    今話題の「その女アレックス」の作者の一作目。
    なるほど~才能あります☆

    ソフィー・デュゲは20代後半、裕福な家庭のベビーシッターをして働いていました。
    ベビーシッターをしているのが不思議なくらいの知的な美女なのですが、毎日でも何時でも担当できるため、重宝されていました。
    ところが、事件が起き、ソフィーは失踪‥?

    ソフィー自身、じつは記憶に問題があり、思わぬ間違いを起こしやすく、自分が何をしたか確信を持てない状態だった。
    それでも、必死の逃亡を続けるソフィ。
    それには長い背景の物語が‥

    もとは会社でも信頼される社員で、夫ヴァンサンと裕福な家庭を築いていた幸福な妻だったソフィ。
    母が病死、夫が思わぬ事故にあった頃から、何かがおかしくなり始めていました。
    ミスが増えたので手帖にすべてを記録しようとすると、その手帖をなくす。覚えのない万引きで捕まる。予約を間違え、その記憶もない‥次々に連鎖するかのような不運は、次第に雪崩のようにヒロインを襲います。
    記憶障がい? 人格障がい? 多重人格? 狂気に陥ったのか‥?
    思わず、引き込まれます。

    スリルはノンストップ!
    ヒロインがちょっと酷い目に遭い過ぎなのですが、肉体的にではありません。
    第2章からは、別な人物の視点からの展開。
    病んだ人物だけど、妙にさくさくと手際がよかったりして。
    さらに、その人物にもわからない出来事が‥
    新たな身元を作ろうと、ソフィが選択したのは?

    これほどの危機と不運のただなかでの、諦めない戦いぶり! そして、ささやかな救い、それは‥
    ネタばれになるので、これ以上書けませんが~
    面白かったです☆
    怖いのが大丈夫な人でないと読めないかもだけど‥
    ミステリ読みとしては収穫なので、★4.6かな。

  • 大臣夫妻の6歳になる息子のベビーシッターをしている Sophie は、20代後半になって、どうしてこんな仕事をしているのかと、大臣夫人が訝しげに思うほど、美しくて、慎ましやかで、気のきく女性だった。 しかし、 Sophie は、自分で知らないうちに、不可解な行動をしてしまう、という奇妙な症状に悩んでいた。 「私は、気が狂っているの?」と、過去の忌まわしい記憶に悩まされながらも、静かな毎日を送っていた Sophie だが、ある朝、又、自分の正気を疑いたくなる出来事が起こり、彼女は、平静を失い、全てを捨てて、逃避行へ出る・・・

    「サスペンス物は、食傷気味」 と公言してはばからない私が、一気に読み尽くしてしまった、久々に巡り合った読み応えバッチリのスリラー。

    人間の心の奥に潜む異常性と邪悪さを、作品の全面に押し出した、悪意と狂気が織り成す、なかなか凝った構成になっている作品です。

    ストーリーと構成の妙を十分に楽しめる読み物なのですが、どうして楽しめたのかを書いてしまうと、読む時の楽しみが損なわれてしまうのは、良質なサスペンスの性。   ネタ割れレビューが嫌いな私には、騙されたと思って、最後まで読んでみて下さい、としか、言えないのが、とても辛い所です。

    緊張感溢れ、かつ、なめらかな読み心地の文章、『異常』な作中人物の心理に、読者をすうっと感情導入させてしてしまう、手際の良さなどと並べ、人間の心の底に潜む悪性が、前面に押し出されているのにも関わらず、読後感がそれ程悪くないのも、本書の評価したいポイントです。

    このレビューは以前ブログにアップした「Robe de marié」(http://bibliophilie.blog3.fc2.com/blog-entry-994.html)のものです。邦訳は未読。

  • 帯宣伝通り確かに「その女アレックス」の衝撃の原点だった。
    読了した人とアツク語り合いたい。

  • 『その女アレックス』が良かったので、本作を手に取った。これも良かった。章毎にがらっと物語の印象が変わるというのは『その女アレックス』と同じ。ジェフリー・ディーヴァーが好きな人なら、この作家も好きになると思う。

  • 眠りとともにやってくるのは悪夢と死者。
    ほんの1年前まで有能なキャリアウーマンだったソフィーは全てを失い、逃亡の身となった。

    『その女アレックス』もそうだったけど、この作家はひっくり返してひっくり返してぐしゃぐしゃに混ぜたおすのがお得意なのね。
    都合よすぎる気もしなくはないけど、流れに飲み込まれたら面白い。
    しかしロマンスみたいなタイトルは何とかならなかったのかなー。

  • Twitterで最近よく目にする『その女アレックス』を図書館にリクエストして待っている間、同じ著者の作品を読んでみようと思った。どんなタイプのサスペンスを書く作家なのか知っておきたかったので。

    「ソフィー」「フランツ」「フランツとソフィー」「ソフィーとフランツ」の章で構成されているこの作品の章分けは、そのまま起承転結に当てはまる。

    起に当たる「ソフィー」は、状況的に主人公ソフィーが明らかに殺人犯のようでありながら不自然な点が多く、また彼女自身が記憶喪失に似た精神状態なので、主人公もストーリーの方向性も謎だらけのまま進行する。正直、ここまではそれほどのめり込む面白さを感じてなかった。
    承の「フランツ」になると、今までソフィー視点だったのが一転。まったく別の人間フランツの視点からなる日記形式で話が進む。ただしフランツの視点の先にいるのは常にソフィー。だんだん面白くなり始める。
    転では章題どおり、フランツとソフィーという2人の人生が交わることになるが、もちろんラブコメではなくサスペンスなのでそれ相応の展開を見せ始める(笑) すでに目が離せない。幕引きが気になる。
    結で作品タイトルと章題の意味が判明。転の時点で2人の結末はおおよそ見当がつくが、あとは幕の引き方をどうするのか。そしてこの幕引きに胸がすく思いになるのか、胸にもやもやが残るのか、それとも両方かは他の人の感想を聞きたいところ。
    私は両方でした。

  • 2章からがめちゃめちゃ怖い。その女アレックスより私は好きです。

  • 第一章怖かった。そして視点が変わる第二章は更に怖かった。でもどういう結末を迎えるのか気になって最後まで読めた。読んでよかった。がんばって最後まで読みましょう。

  • 狂気についての執拗な描写に参ってしまった。
    読んでいるだけでこちらがおかしくなりそう。
    ラストはアレックスよりずっと救いがあるものの、今作主人公ソフィーの人生だってどうしようもなく壊れたままで終わる。
    ソフィーが並外れた強さを持っていたからこそのラストで、今後どのようにソフィーが人生を取り戻していくのか、凡人である私には想像がつかないので辛いラストであることには変わりない。
    救いとは何なのかを考えさせられる作品を書く作者だと思う。
    ソフィーのお父さんが一服の清涼剤。
    ファザコンにはちょっと堪らないです。

  • 第1部ではソフィーの混沌とした精神世界がもたらす害悪が巻き散らかされるが、第2部は一転して執拗な粘着質の悪意が読み手を翻弄します。
    この作者の作品は4作目ですが、毎回趣向の異なる構成に、ひたすら感心するばかり。
    ただ、突っ込みを入れさせてもらうなら、鍵の入ったハンドバッグを盗まれた時点で、合鍵を作られたかもしれないと考えそうなものでしょう。理不尽な現象が続くのなら、部屋に監視カメラのひとつくらい仕掛けようよ。
    まあそれはともかく、上質なミステリーを堪能できました。

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死のドレスを花婿にの作品紹介

悪夢に苦しめられるのが怖いから、眠らない。何でも忘れてしまうから、行動を逐一メモにとる。それでも眠ってしまうと、死者たちが訪れる。ソフィーの人生は、死と血、涙ばかりだ。でも、ほんの一年前まで、彼女は有能なキャリアウーマンだった。破滅への道は、ちょっとしたことから始った。そしていつしか、ソフィーのまわりに死体が転がりはじめたのだった。でも彼女には、天性の知能と強い生命力が備わっていたのだ。ある偽装によって自ら道を切り開いていくや、ついには、自分を取り巻く恐るべき真実に突き当たっていくのであった…歪んだ行為への、正しい対応が生むカタルシス、ヒッチコックも驚くであろう斬新な四部構成で読む、脅威のサイコサスペンス。

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