- Amazon.co.jp ・本 (567ページ)
- / ISBN・EAN: 9784760139743
感想・レビュー・書評
-
占星術の系譜について,世界史の流れに乗って解説した入門書。教科書レベルの世界史は全体知識とするが,占星術については初学者でも読み進めるには問題ないと思う。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
石器時代から現代に至るまで、占星術と社会との関わりを描いたもの。
個人的には、この本を読むまで錬金術やオカルティズム、占星術は世間から閉ざされているものというイメージが強かった。
しかしそうではなく、相互に影響を与え合いながら、それぞれに発展してきたということに気付かされた。
さて、現代における占星術は、近代世界の一つの側面、近代の人びとと先史時代の先祖とを結びつけている信念と実践の一つの複合体だという。すなわち宇宙的な感覚、より大きなものと繋がりたい、世界に魔法を取り戻したいという感覚だ。
科学やテクノロジーとは乖離して見えるが、人の心はそういったものを求めていることがわかる。
イエスの誕生の際にはよく見えた空の星が、現代では公害や夜も消えることのない照明によってかえって見えなくなり、パソコンの中の占星術ソフトやスマートフォンの占いアプリに頼るようになってしまった。
遥か太古の世界から消えること無く続く「聖なる天蓋」に感謝を寄せつつ、
占星学万年初学者の私は、占星学や天文学という枠組みにとらわれず、素直な心で空を見上げることが必要なのかもしれない。
「屍者の帝国」を読み終えた直後だったせいか、「ヘルメス主義」の、死と復活、言葉についての考察は興味深かった。