ぼくたちが見た世界―自閉症者によって綴られた物語

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制作 : Kamran Nazeer  神崎 朗子 
  • 柏書房 (2011年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760140398

ぼくたちが見た世界―自閉症者によって綴られた物語の感想・レビュー・書評

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  • 自閉症である著者が、通っていた自閉症クラスの級友や先生達を大人になってから訪ねたことを元に書いたもの。
    家族や他の人達との繋がりが不可欠で、けれどそれが非常に難しい、自閉症。
    人によって濃淡もまるで違う。
    自閉症でない人達から、笑い者にされたり、自尊心のために利用されたり。
    胸の痛む話も多かったが、文章がウエットになり過ぎることはなく(それももしかしたら感情ではなく論理で書く自閉症の特性も関係しているのかも知れないが、でも単純に著者本人の上手さも大きな理由だろう)、こちらも落ち着いて読み進められる。
    自閉症を持つ人との関わりの中で、他の人とは違う、特別な対応も必要にはなる。
    しかしそれは対応が特別なだけで、その人の全てが特殊で自閉症でない人とまるで違うわけではない、「人が生きている」ということには何も変わりはない。
    当然なのに、何てあっさり忘れてしまえるんだろう。
    自閉症に限らず、だけど。
    読んで良かった。

  • 『自閉症だから並はずれた力を持ち、人には無関心。もしくは自閉症の人はだましやすいとかばかだと、自閉症の子供には進歩する見込みは全くないという考えがある』がそうではない。
    筆者を含めて、みんな必死で様々な事を取得したり、試みて、生きている。
    驚くような能力さえも、努力がないわけでないのだ。

    この生活に困難な事を克服して、才能を発揮していくことって、自閉症でも、そうでない人でも、まったく違いはないんじゃないかと思う。
    人と違うこと、自分が苦手なこと。それを理由に逃げずに、前に進んで行くことは誰でも当てはまるし、大事なこと。

    自分が普通とか思っちゃってる人。自分がまっとうな人間とか思ってる人。読んでみて。
    恥ずかしいよ。

  • ニューヨークの自閉症児の学校に通っていた著者が、かつてのクラスメイトたちを訪問し、それぞれのその後をレポートする。男女4人と、その学校の先生2人。コンピューターのエンジニア・政治家などの演説の下書きをするスピーチライター・自転車のメッセンジャーとなった旧友たち。そして、うつ病になり、自殺してしまった女の子の両親。
    社会に適応できるように自分の障害をどう克服していったか、著者・カムラン自身の体験も交え、自閉症と言う病気の特殊性とそれに対する社会の偏見を、静かに語ります。

     自閉症の本人たちも様々な苦労をして大人になっていっているわけだけれど、周りにいる家族たちの努力もまた大変なものであると想像できる。そして、カムラン達が通った学校の先生たちも素晴らしい人たちだった。

     軽々しく書けない何かを感じた。

  • 美しい小説を読んだような読後感。自閉症児クラスで学んだ旧友を訪ねた旅の記録であり、自閉症へのステレオタイプな見方をくつがえすために書かれた本だけれど、ていねいな観察にもとづいた人物描写としっかりした構成で、とにかく読んでいて楽しい(苦いエピソードもたくさんあるけれど)。旧友を訪ねる旅の記録として、個人的に米原万里『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』、菅野ぱんだ『1/41』と並ぶ、心に残り続ける本になりそう。

  • 読みにくかった。なかなか進まなかった。
    著者の表現によるものなのか、訳者の表現によるものなのかわからないけど。
    ただ、ニキリンコさんが訳したらどうなるのか読んでみたいとは思った。

    エピローグはよかった。共感した。
    自閉症の箱舟。すてきな夢だと思った。

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ぼくたちが見た世界―自閉症者によって綴られた物語の作品紹介

ニューヨークの自閉症児クラスで学んだ主人公、カムラン。級友のアンドレ、ランダル、クレイグ、エリザベス…そして恩師レベッカ。カムランは彼らを再訪する旅に出る。仲間たちのその後の人生と、彼らが見た世界を描き出すために。自らの人生に向き合うために。「自閉症」のイメージをくつがえす、感動のノンフィクション。

ぼくたちが見た世界―自閉症者によって綴られた物語はこんな本です

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