ナチス・ドイツの有機農業 新装版: 「自然との共生」が生んだ「民族の絶滅」

著者 :
  • 柏書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760141524

作品紹介・あらすじ

"人間中心主義"から"生物圏平等主義"への転換を目指した生命共産国家は、なぜホロコーストに行き着いたのか?ナチス農本主義とシュタイナー農法の生命観を、日本を含む同時代史のなかで捉えなおし、真のエコロジーとは何かを探る。

感想・レビュー・書評

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  • ルドルフ・シュタイナーに端を発する有機農業が強制収容所の菜園で展開されていたのはおぞましい冗談のようだが、プリモ・レーヴィなんかを読むとさもありなんと思う。
    偏見だが有機農業やエコロジーには宗教的なうさん臭さを感じてしまう。植民地から徹底的に搾取するという欲望にストレートな分、資本主義的なプランテーション方式の方がわかりやすい。

    最後、日本の当時の農法との比較が少し書いてあったが、満州で大豆を大量にとれるようになり、化学肥料(窒素肥料)の利用が軌道に乗ったんじゃなかったっけ。有機農業ってどう考えられてたのかな。

  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1000961106

  • ☆ディープ・エコロジーとナチスとの親和性

  • 【請求記号】6100:1213

  • 2014年5月に実施した学生選書企画で学生の皆さんによって選ばれ購入した本です。
    通常の配架場所: 開架図書(3階)
    請求記号: 611.1//F56

    【選書理由・おすすめコメント】
    この時代のドイツの化学工業はおそらく世界一だと思っているので、それに反するようなタイトルが気になりました。
    (薬科学科2年)

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著者プロフィール

1976年生まれ。京都大学人文科学研究所准教授。専門は農業史、食の思想史。2006年、『ナチス・ドイツの有機農業』(柏書房)で日本ドイツ学会奨励賞、2013年、『ナチスのキッチン』(水声社/決定版:共和国)で河合隼雄学芸賞、2019年、日本学術振興会賞、『給食の歴史』(岩波新書)で辻静雄食文化賞、『分解の哲学』(青土社)でサントリー学芸賞を受賞。著書に、『カブラの冬』(人文書院)、『稲の大東亜共栄圏』(吉川弘文館)、『食べること考えること』(共和国)、『トラクターの世界史』(中公新書)、『食べるとはどういうことか』(農山漁村文化協会)、『縁食論』(ミシマ社)、『農の原理の史的研究』(創元社)、『歴史の屑拾い』(講談社)ほか。共著に『農学と戦争』、『言葉をもみほぐす』(共に岩波書店)、『中学生から知りたいウクライナのこと』(ミシマ社)などがある。

「2022年 『植物考』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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