昭和「娯楽の殿堂」の時代

著者 :
  • 柏書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760145799

作品紹介・あらすじ

都市にはなぜ娯楽があるのか?巨大温泉、大劇場、噴水キャバレー、ボウリング場、総合レジャービル。街もビルも今までにないものをゼロからつくってしまう。人々はものすごい勢いで集い、騒ぎ、汗を流し、酒を飲み、笑う。そんなパワフルな昭和の「娯楽」の時代をひもときながら、「娯楽の場」としての都市を考察する。

感想・レビュー・書評

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  • 今は、暮らしも遊びも趣味もすっかり多様化してますね。アナログからデジタル、固定電話からスマホ、パソコン・インターネット・SNS・・・。江戸時代の娯楽は花見と川開き(花火)、芝居ぐらいでしょうか。私が子供~20歳ぐらいまでは、映画、喫茶店、海水浴、ボーリングなどで、江戸時代とそんなに変わらなかった気がします(^-^) 三浦展 著「昭和娯楽の殿堂の時代」、2015.5発行。昭和30.11オープンの船橋ヘルスセンター、昭和35江東楽天地の噴水キャバレー、昭和43池袋ロサ会館、昭和47ピークのボウリング場など紹介

  • 感想未記入、以下引用
    ●これでもか、これでもかとエネルギッシュに増殖しながら、ヘルスセンターは巨大レジャーランドへと発展を続けていった。まさに、娯楽の大集合、ごった煮である。新しい施設ができたかと思うとすぐに改築、改造が次々と行なわれている。そのバイタリティーは、言葉は悪いが「狂ったように」という表現がふさわしい。まったくクレージーなのだ。月並みな言い方だが、まさに高度成長期そのものの熱気であったとしか言いようがない。船橋ヘルスセンターはあまりにも大衆的であり、あまりにも欲望に溢れ、あまりにも混沌としていた。
    ●いいなあ、発想が素直で。「皇居前、日比谷公園、神宮外苑、ナイトクラブ『ミカド』と」並んで「我国噴水ブームに先鞭をつけた」と「私は自負している」と那波は言う(『25年』)。とても能天気である。いや、ほめているのだ。うらやましいのだ。この時代が。今とは違う。コンプライアンスと
    か安全安心とかリスクがどうとか、ほとんど考えない。単純明瞭、やりたいことをやる、儲ける、楽しむ・・・そんな時代である。
    ●そして80年代には、おしゃれでナウい世田谷に対して、地味でダサい中央線という認識が定着していった。しかし、現在、確かに今も世田谷はおしゃれだと思われているが、中央線はそれほどダサいとは思われなくなった。そもそも、ナウい、ダサいという基準があまり重視されなくなった。それは、現在の東京がすでに成熟期に入っているからであろう。欧米のような街がカッコいいカッコいいクルマがたくさん走っている街がおしゃれという価値観も弱まっている。
    ●アメリカから種馬を購入して帰国した者も、銀座の鉄道馬車は「立派美麗」だが、それを引く馬はアメリカの馬の半分の力しかなく、乞食の子どもが人力車を引いているようなものだと嘆いたほどであった。(略)(武市銀冶朗「富国強馬」)

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:210.7//Mi67

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著者プロフィール

三浦展(みうら・あつし)
1958年生まれ。社会デザイン研究者。カルチャースタディーズ研究所代表。家族、若者、消費、都市、郊外などを研究。著書に『 「家族」と「幸福」の戦後史――郊外の夢と現実』 (講談社現代新書) 、 『ファスト風土化する日本――郊外化とその病理』 (洋泉社新書) 、 『東京は郊外から消えていく!』 『首都圏大予測』 (光文社新書) 、 『愛される街』 (而立書房)などがある。

「2022年 『中央線がなかったら 見えてくる東京の古層』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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