- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784760145805
作品紹介・あらすじ
歴史ドラマ、歴史小説、時代考証、司馬遼太郎、江戸しぐさ…、奇人変人「モンジョ先生」が、歴史学に興味を持ち始めた大学2年生の「フミオ君」を相手に喋り倒した5時間の記録を活字化する!過去と向き合う方法
感想・レビュー・書評
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「この本は、古文書を学ぼうかどうしようか、迷っている人のための古文書入門書です。」(はじめに)という筆者。
出版社からは「古文書をあまり引用せずに、古文書の入門書を書いてほしい」という注文があったそうで、他の「古文書入門」とはちょっと趣が異なる一冊。
古文書(こもんじょ)に興味を持ち始め、ネットを検索したり、図書館で「古文書」の読み方などの本を借りてちょっと読んだけど、やっぱりなんか、手ごわくて、なかなか先に進めない、と思う人(私がそうでした)にはうってつけの本だと感じた。
一番最初に読んだらいいかというと、そうともいえない。ちょっと回り道してから読むと、この本のよさがわかるのではないかな、と思う。
「古文書」を読めるようになると、歴史に、江戸時代に、その時代の暮らしに、もっと興味がわくよ、面白くなってくるよ、といっている本でもある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
古文書とは何ぞや、から始まって、古文書の取り扱いの態度まで。
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大学の先生と生徒が会話していく形式で進行するタイプの本。
タイトルに古文書入門とありますが、実際は入門の入門、という感じでしょうか...。
古文書が出てくるのは最後の章のみ。
まぁ古文書が出てこない入門書という出版社からのオーダーだったようなので、そういう意味では先駆的かなと。
いくつか辞書や参考にできそうな本が紹介されていたので、そちらを拝読しつつ勉強していこうかなと!
内容に出てくる講師の先生は非常に論理的かつ中立的に物事を説明してくれるので、ありがたいなと思いました。 -
江戸しぐさに関しては、ACの山口画伯の絵によるCMが好きだっただけに、と学会にも取り上げられてると知って、びっくり。まあ・・確かに江戸時代礼賛な雰囲気にはちょっと辟易しておったので「なるほど・・」と思った次第。
くずし字勉強するつもりで図書館から借りたんですが、冒頭で「くずし字学習用の本じゃないよ!」と書かれておったので、惰性で読みました。
うん。対象は「これから歴史を学ぼうとしている大学生」というより、中学生・・かな・・
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歴史小説や歴史に関するオカルトを通して古文書が描かれた時代の歴史というもののとらえ方を架空の学者と生徒の問答形式で多くをじっくりと示し、そこから古文書を読み解く心構えを説くことにつないでいる。くずし字と楷書(活字)とでは志向するもの(書き手と読み手にとっての利便性が正反対)が違うということを念頭に置けばいいとわかった。
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歴史好きではなくても楽しく読める一冊です。こと、歴史小説の見解については目からウロコ。
てっきり、歴史小説は忠実に史実に基づいて書かれているとばっかり思っていました。フィクションはあくまでフィクション。真実は神のみぞ知る。
歴史も文学も、ロジカルチックな一面があると思うとやはり学問はどの分野もつながっているんですね。
現代の楷書体は読み手が理解できないと書き手に問題があるとされるが、くずし字はその逆で読み手が書き手のいわんとしていることを文脈から読み取らねばならない…なるほど。 -
古文書読めたら面白いだろうなと最近思っていて、そんな折に図書館でこの本を発見したので借りてみた。
入門といっても用例と解説がたくさん書いてあるわけではなく、古文書ってこんな感じだよって事や読むにあたっての心構えや注意点のようなことを、架空の大学講師と講師のもとを突然訪れた他所の生徒との会話を通して書いている本。
ここに書かれていることを踏まえたうえで、古文書が読めるようになったらいいなぁ -
189p:「雖無之」(これなくといえども)
・江戸時代の古文書はこう読んだのだ、と言われればそれまでだが、「無く」と読んでいる実例を示してほしかった(ないものねだりであるのは心得ているが)。漢文訓読の世界では「無しと雖も」「有りと雖も」と、格助詞「と」の前は終止形が来るのが基本であると思うから。 -
自分より一回り以上年下が老師(?)として登場しているのには驚かされた。
古文書について初心者が疑問に持ちやすいことをまとめてあり興味をひきやすい。 -
今の日本人が失ってしまったもの、それは「くずし字」を読み解く力です。歴史ドラマ、歴史小説、時代考証、司馬遼太郎、江戸しぐさ・・・。奇人変人「モンジョ先生」が、歴史学に興味を持ち始めた大学2年生の「フミオ君」を相手に喋り倒した5時間の記録を活字化する。(2015年刊)
・はじめに
・序 僕らの古文書講座が始まる
・第1章 僕らが過去を知る手段
・第2章 僕らの日常に潜む過去
・終 僕らの古文書講座が終わる
タイトルには、古文書入門とあるが、本書には古文書が1点しか出てこない。古文書辞典を読む以前に読む本と言える。
面白い本ではあるが、タイトルがずれているように感じる。古文書の解説本を期待している人には物足りないし、このタイトルで、本書が対象としている歴史好きの10代20代の若者に届くのだろうかと、いらぬ心配をする。私は、最初、古文書の解説本かと思い、スルーしたのであるが、たまたま店頭で読んで、買うことに決めた。(広義では、古文書入門であるが、タイトルで損をしているのではないかと思う。)
歴史学の考え方や、時代考証の役割、時代小説についてなど面白い。古文書については、文脈から読み解くなど、理解の仕方をやさしく解説している。