ブロンテ三姉妹の抽斗―物語を作ったものたち

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制作 : Deborah Lutz  松尾 恭子 
  • 柏書房 (2016年12月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760147717

ブロンテ三姉妹の抽斗―物語を作ったものたちの感想・レビュー・書評

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  • 約200年も前の姉妹たちの会話が聞こえてくるようだ。

    持ち主がこの世を去った後も残る「物」には、やはり持ち主の体温や情念のようなものが宿るのかもれしない。裁縫箱、豆本、手紙、ドレス…その人が大切にした物は、まるでその人自身のようだ。

    妻を亡くし6人もいた子どもたちにも先立たれた父パトリックにも、思いを馳せずにはおれない。

    荒野が好きで、自己完結していたというエミリーの、たった30年の儚い人生から湧き出た「嵐が丘」の激しさよ。
    荒野を歩くエミリーの姿が見えてくる。

  • この本を読む人は少なくとも「ジェイン・エア」と「嵐が丘」は読んでいるだろうが、アン・ブロンテまでコンプリートしておくとさらに良い。
    ブロンテ姉妹や周辺の人々、その時代の人々が所有していた「もの」から人生や創作を探るというアプローチ。手紙、裁縫箱、ポータブル机(小説中の「書き物机」がどういうものか初めて知った)、犬の首輪、親しい人や亡くなった人の髪で編んだアクセサリー…彼女達の「もの」がそれなりに残っているのが興味深い。本の中にももっと写真を入れて欲しかった。「もの」を通じて時代が見え理解も深まる。
    遺髪を保存したりデスマスクを作って亡くなった人を身近に感じることはごくポピュラーで、心霊ブームも起こった19世紀だから、シャーロットやエミリーの小説には幽霊も出る。一方現実的なアンが書いた怖いものは暴力的な夫だった。
    夭逝した3人だが、この時代のこの地域は死亡率が高く、一家はむしろ長生きしたという指摘も。変わり者だったエミリーが結核の治療を拒み壮絶な死を遂げ、信仰篤い常識人のアンは安らかに亡くなった、ジェーンは結婚して夫を愛していたがまもなく妊娠がもとで亡くなった。そうだったのか。
    ブロンテ姉妹崇拝は古く、シャーロットの生前から、死後まだ夫や父親が存命の時からあり、手紙の署名や遺髪の取り合いや遺品の贋作まであったそうだ。私もその列に連なり、ヒースの茂る「嵐が丘」をぜひ歩いてみたいものだ。

  • 物や景色、犬たちを通じてブロンテ姉妹のバックグラウンドを浮かび上がらせてくれる。

    さて、かつて読んだみすず書房の『ブロンテ全集』(三人まとめて編んだもの)が手元にある。この本を読んだ今読み返したら、印象はどう変わるのだろうか。

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