非行臨床の理論と実践: 被害者意識のパラドックス

著者 :
  • 金子書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760832538

作品紹介・あらすじ

罪を犯した加害者でありながら、逆にこころの中では被害者意識が強い。そんな非行少年のこころのなかの逆説(パラドックス)にどう向き合い、かかわり、更生につなげていけばよいのか。家庭裁判所調査官を経て、いまも非行臨床家として活躍する著者による非行臨床論。臨床心理学を学びたい人にも最適。

感想・レビュー・書評

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  • 「被害者意識のパラドックス」は、非行少年は傷害などの加害者であるのに、自分を非行に追い込んだ家族や社会に対する被害者意識を強く持っているということ。そして、その被害者意識が非行少年の更生を難しくしている大きな要因である。
     筆者は、家族療法や精神分析の立場で非行臨床に携わっておられるらしいが、非行少年に箱庭療法をやらせるときって、どんなふうにやるんだろう?というのが素朴な疑問。「そんなつまんね~ことやってられね~よ!」とか言われないのかな?
     さっき、昼食を食べていたら、テレビで性犯罪の裁判で匿名で判決が出された、というニュースをしていましたが、刑事訴訟法のような法的な規定より、被害者感情に配慮すべき、という社会通念の方を重視する傾向があるようですね。被害者目線ということは本書でも触れられてたので気になって聞いていました。概ね好意的に評価されることが多いと思いますが、度が過ぎると法やルールが空文化していきそうでちょっと危険。(つちなが)

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著者プロフィール

1956年生まれ。横浜国立大学大学院教育学研究科修士課程修了。家庭裁判所調査官として非行や離婚など多くの家庭問題にかかわった後、現在、立正大学社会福祉学部教授。認定NPO法人「神奈川被害者支援センター」理事長。元日本司法福祉学会会長。専門領域は臨床心理学、家族心理学、司法福祉。臨床心理士・公認心理師としても活動。主な著書は、『家裁調査官は見た――家族のしがらみ』(新潮新書、2016)、『非行臨床の理論と実践――被害者意識のパラドックス』(金子書房、2012)、『新版 Q&A 少年非行を知るための基礎知識』(明石書店、2020)など多数。

「2022年 『Q&A離婚・再婚家族と子どもを知るための基礎知識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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