- Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
- / ISBN・EAN: 9784760832538
作品紹介・あらすじ
罪を犯した加害者でありながら、逆にこころの中では被害者意識が強い。そんな非行少年のこころのなかの逆説(パラドックス)にどう向き合い、かかわり、更生につなげていけばよいのか。家庭裁判所調査官を経て、いまも非行臨床家として活躍する著者による非行臨床論。臨床心理学を学びたい人にも最適。
感想・レビュー・書評
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2階書架 : 368.7/MUR : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410167592
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「被害者意識のパラドックス」は、非行少年は傷害などの加害者であるのに、自分を非行に追い込んだ家族や社会に対する被害者意識を強く持っているということ。そして、その被害者意識が非行少年の更生を難しくしている大きな要因である。
筆者は、家族療法や精神分析の立場で非行臨床に携わっておられるらしいが、非行少年に箱庭療法をやらせるときって、どんなふうにやるんだろう?というのが素朴な疑問。「そんなつまんね~ことやってられね~よ!」とか言われないのかな?
さっき、昼食を食べていたら、テレビで性犯罪の裁判で匿名で判決が出された、というニュースをしていましたが、刑事訴訟法のような法的な規定より、被害者感情に配慮すべき、という社会通念の方を重視する傾向があるようですね。被害者目線ということは本書でも触れられてたので気になって聞いていました。概ね好意的に評価されることが多いと思いますが、度が過ぎると法やルールが空文化していきそうでちょっと危険。(つちなが)