サーバント・リーダーシップ入門

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  • かんき出版 (2007年11月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761264734

サーバント・リーダーシップ入門の感想・レビュー・書評

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  • ●サーバント・リーダーシップの定義
    リーダーである人は、「まず相手に奉仕し、その後相手を導くものである」という実践哲学をサーバント・リーダーシップといいます。サーバント・リーダーは相手に対し奉仕する人です。相手への奉仕を通じて、相手を導きたいという気持ちになり、その後リーダーとして相手を導く役割を受け入れる人なのです。サーバント・リーダーはつねに他者がいちばん必要としているものを提供しようと努めます。

    ●サーバント・リーダーシップの考え方
    リーダーシップはとてもシンプルな現象。信じてついていってもいいと思える人に、フォロワーたちが喜んでついていっている状態がリーダーシップという社会現象であり、そのように信じられる人に備わっているものが、その人に帰属されるリーダーシップの持ち味である。だから、リーダーシップのカギとなる言葉をひとつだけ挙げるとしたら、「その人を信じられるかどうか」になるだろう。つまりは「信頼」。信頼できる人なら、人はついていく。では、どういう人であれば信頼してついていくかというと、フォロワーのためを思ってくれる人だ。リーダーがフォロワーに尽くしてくれる、奉仕してくれると感じられるときに、フォロワーは心のそこからリーダーを信頼してついていくのである。

    ●サーバントという言葉は「奉仕する人」「尽くす人」と訳す。フォロワーに自発的についてきてもらおうと思ったら、リーダーがフォロワーに尽くすほうがよいのである。ただし、サーバントになるということは、下手に出て召使のように振舞うことではけっしてない。なんでもいいから相手に尽くすというものでもない。「ミッション(使命)の名の下に奉仕者となる」という高貴な面が、非常に重要なのだ。

    ●地位や肩書きによる管理の世界では、部下を部下と認め、その業績を評価するのは管理する側の人間だ。しかし、リーダーシップで人が動く場合、潜在的なリーダーを本当にリーダーだと認めるのは、フォロワーの側だ。

    ●リーダーシップはどこにあるのかという問いに対しては、「大半のフォロワーの頭のなかにある」という答えがあると同時に、「相互接触するリーダーとフォロワーたちの間にある」ということにもなるだろう。

    ●リーダーシップとは、フォロワーが目的に向かって自発的に動き出すのに影響を与えるプロセスである。

    ●上司と部下、だれがだれのために存在するのか。
    フォロワーはリーダーを信頼し、彼が描く大きな絵(ビジョン)に共鳴してリーダーについていく。そのときフォロワーが目指すものはリーダーのそれと同じ、もしくは近いものであり、一緒になって実現するのもフォロワーだ。リーダーはあくまでその手伝いをするのである。それがサーバント・リーダーシップの基本的な考え方である。

    ●「サーバント」と「リーダー」この2つの役割は融合し合えるのか?もし融合しうるとしたら、2つの役割が融合したその人物は、現在の実際の世界のなかで、うまく実り多く生きていけるか?ーYES。「サーバントとしてのリーダーシップは、最初は尽くしたい(奉仕したい)という自然な感情に始まる。その後に、自覚的に選択したうえで、導いてもいきたいという気持ちになっていくものなのだ。」最初に沸き起こるのは、「尽くしたい」あるいは「奉仕したい」という自然な感情である。まずそれを実践し、その後でリーダーとしての役割も果たさなければならないのだと考えるのである。これは親が自分の子どもに対して抱く思いと似ている。

    ●イチローの父の考え方
    「けっして前に出ることなく、後ろからくっついていくのが、私の最大の楽しみだった。親が後ろからついていけば、見守っていけば、子どもは安心して迷わずにまっすぐ歩けるものだと確信している」by鈴木宜之氏
    ガンジーやキング牧師のような超ド級の人を考えなくても、さりげなく萌芽的なサーバント・リーダーとして身近な人に接することができている人もいるのだ。恋人同士の間にも、サーバント・リーダーの萌芽的な現象が見られる。好きな人ができたとき、いきなり相手をぐいぐい引っ張っていきたいとはだれも思わないだろう。まずは「この人を喜ばせてあげたい。どうしてあげたら喜ぶだろうか」と、下心なしに尽くしたいと思うはずだ。そして「強い思い」を抱いて付き合いが深まるようになると、相手を守りたいという気持ちとともに、2人の関係を自分が(奉仕することを通じて)リードしていきたいと思うようになるのが普通である。もちろん「交換」に基づく関係ではない。

  • 頭の中でボンヤリ考えていたことを言語化してくれた。他人を導く上で参考になる考え方

  • ロバート・K・グリーンリーフの「サーバントリーダーシップ」という570ページにも及ぶ難解な大著と格闘。どうにか読み切った後にその内容の理解を深めるため、本書を図書館で借りてざっと一気に読んだ。
    全体として非常に(グリーンリーフの原著に比べると100倍)読みやすいという印象。
    ただし、原著の第1章にのみフォーカスしているので、トラスティなどに関する内容は一切こちらには出てこない。だから「入門」なのだろう。

    まずは第1章において金井壽宏氏によるサーバントリーダーシップの概念の解説。原著を翻訳した本人が書いているので、内容が曲解されて書かれているということはない。
    2章ではサーバントリーダーの実践事例として資生堂の元社長である池田守男氏が紹介されており、奉仕型リーダーによる企業改革の具体例と、そのようなリーダーになるまでの生い立ちや社員時代などが綴られている。学生時代にキリスト教に傾倒し、入社以来秘書業務一筋であったことも奉仕の精神を自然に身につける一助になったようである。
    そして2章の内容を金井氏と池田氏による対談という形で振り返りながら、要点を再度示している(ので、やや冗長的な印象もある)。

    奉仕型リーダーがいざ実際にその役割を果たすためには、そのリーダーを尊敬し、よく理解している支配型のサブリーダーなりマネジャーがセットになっている必要があるのではというのが自分なりの意見である。

    なお、本書を読んだ後に原著にチャレンジすることはお薦めしない(あまりにも難解なので、おそらく十中八九挫折すると思われる)。本書のみ精読するか、原著を苦労して読了した後の理解の整理として本書を読むのがよいだろう。

  • サーバントとリーダーシップ。一見相反する概念に思えるが、この本ではサーバント・リーダーシップの理論と実践を学べる。理論は神戸大の金井壽宏先生から、実践は元資生堂相談役の池田守男さんから。
    ミドルとして、職場はもちろん、「サーバント・リーダーシップは企業経営や組織運営といった大きな場面だけで必要とされるものではなく、われわれの日々の生活のなかにも多く見られる現象である」(p83)ということで、家庭や地域でのサーバントも心がけたい。

  • 本家『サーバントリーダーシップ』よりも読みやすく分かりやすかったです。
    理論的な側面を金井氏が固め、ご自身の経験を資生堂の元社長 池田氏が語る構成になっています。そのため全体を通じて、腑に落ちるという印象がありました。

    リーダーシップを相互作用的で動態的な現象と捉えている点は、非常に興味深いと同時に、一つの真理のように思います。

    本家ではあまり読み取れなかった(理解できなかった)サーバント・リーダーシップと変革型リーダーシップが両立するということについて、非常に重点的に解説されています。この相反すると思われるテーマに対し、むしろサーバントなリーダーこそ変革に向きだと本書は唱えています。

    グリーンリーフ氏が提唱した「支える」役割を果たすリーダーの在り方は、組織で活動をする自身にとっても、なるほど同意できる点が多数あります。
    旧来の「オレについてこい!」型一本槍のリーダーにはなんとなく破綻の予感がありませんか? それを感じたときには、サーバントなリーダーというのが一つの進路のような気がします。


    <目次>
    Ⅰ サーバント・リーダーとは何か
     1 リーダーシップに対する幻想と誤解
     2 リーダーシップはフォロワーによって認められる
     3 ロバート・K・グリーンリーフの「サーバント・リーダーシップ」
     4 サーバント・リーダーシップの特徴と誤った解釈
    Ⅱ サーバント・リーダーの経営改革
     1 サーバント・リーダーシップを生き方の基本姿勢に
     2 資生堂が目指した「店頭基点」の経営改革
     3 逆ピラミッド型の組織で店頭が、そして社員が変わる
     4 サーバント・リーダーシップ理論との出会いと社内への浸透
     5 私が考えるサーバント・リーダーの条件
     6 『武士道』に「接ぎ木」の精神を学ぶ
     7 「奉仕と献身」の精神を経営に生かす
    Ⅲ サーバント・リーダーシップと使命感
     1 企業のなかでのサーバント・リーダーシップ
     2 社会のなかでのサーバント・リーダーシップ
     3 日常生活のなかでのサーバント・リーダーシップ
    Ⅳ ミッションで支えて組織と人を動かす
     1 池田守男さんのリーダーシップから学ぶべきこと
     2 どんな経験によってサーバント・リーダーへと育っていくのか
     3 サーバント・リーダーシップの表現型はいろいろ
     4 〈ミニ版〉サーバント・リーダー入門

  • サーバントリーダーシップは「引っ張るリーダー」とは異なった「支えるリーダー」というリーダーシップ像で、アメリカ・AT&Tの経営者であったロバート・K・グリーンリーフ氏が提唱した哲学。長期継続的に存在する(ゴーイングコンサーン)ことを前提とする企業経営において重視すべき考え方で、従来型の権限主導のリーダーシップを否定するものではないと感じました。危機的な状況や緊急事態などはむしろ権限主導のリーダーシップの迅速性が求められる場合もあり、相互補完的なものと捉えるのが良いと思います。また「サーバント」という言葉から「顧客や部下の召使いのように働けばいい」との誤解が想起されかねないが、「イニシアティブ」をとることが「サーバントリーダーシップ」の前提となっています。

  • 五年積ん読していました。私に合う形だと思っています。以降は本からの引用です//honest,forward-looking,inspiring,competent.傾聴、共感、癒し、気づき、説得、概念化、先見力、執事役、人々の生長にかかわる、コミュニティづくり。逆ピラミッド型組織。

  • リーダーシップの多様性について、考えさせられる本です。

    規模の大小や分野に関わらず応用のきく考え方ですし、
    日頃のちょっとした言動、周囲との接し方についても
    「気づき」の得られる、そういった意味では「役立て
    られそうな」内容でした。

    明確な使命を持ち、それを共有でき、
    使命達成のための各自の行動を支援する形で導く。
    思いやりと奉仕の心が大事なようです。

    いわゆるカリスマちっくなリーダーではないのです。

  • サーバントリーダーシップは、自らの信じるビジョン、ミッションがあり、その目標感に共感してくれる人に尽くす。というよりも、自分のビジョンやミッションにひたすらに尽くす。
    池田守男さんも金井としひろさんも、使命感の大切さを何度も説いている。「命を使ってでも尽くしたいこと」を周囲に言葉で、行動で示し続けてこそ、サーバントとして尽くすことが人を動かす。
    *****
    働くことは「人に向けて動く」ことだと定義する。
    その感覚ととても近しい。
    *****

  • 言葉だけで判断すると誤解を受けそうな「サーバントリーダーシップ」という言葉だが、本書を読めばそれが間違っていたことに気付く。
    サーバントと言えども、部下以上の先見性やリーダーシップはいずれにしても必要。部下が自発的に動く環境を作ることが使命だが、努力は部下以上にしなければならない。

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サーバント・リーダーシップ入門の作品紹介

「オレについてこい!」だけがリーダーシップではない。使命感をもって社員を下から支え、資生堂の経営改革を断行した、サーバント・リーダーの最高のお手本。

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