まち歩きが観光を変える―長崎さるく博プロデューサー・ノート

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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761512378

作品紹介・あらすじ

10年間で1割以上落ち込んだ観光客数を底上げするために企画された市民主体の地域活性化イベント「長崎さるく博」。この日本初のまち歩き博覧会は、1000万人以上の参加者を集め、3万人近い市民が関わった。その構想から実施までを、イベントプロデューサーという役割でいかに実現し、市民力を高めるに至ったのかを克明に語る。

感想・レビュー・書評

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  • 長崎の町をさるく(ぶらぶら歩く、ほっつき歩く)
    という観光の仕組み。

    この町歩きは、どのコースにも
    物語が伴っていて、
    しかも地元の人の人生が入り込んでいるので、
    その物語は血の通った疑似体験にように記憶に残る。

    この本を読むと、
    ”さるく”立ち上げからその一つの極大期である「さるく博」
    までの経緯が、
    本当に一連のドラマだったことが分かる。

    「人に歴史あり」ということと似ていて、
    物語こそがそこにある、
    それが価値なのだ、と思った。

  • 【感想】
    ・約15年前の本だが、今読んでも非常に参考になる。
    ・問題の本質は昔と変わっていない
    (長崎市民が長崎の魅力を気づいていない・忘れてしまっている)

    【メモ】
    ・「さるく」には、長崎のまちづくりの核心がある。土地それぞれにある、まちやひとの個性やパワーを目一杯出すことが重要。
    ・市民が主体で動き、喜びも利益も、市民が享受する。
    ・ガイドは自己表現の場
    ・3年間で18億円の支出で、1年に527億円の直接経済効果(消費支出)
    ・観光地を巡ることで、その土地を好きになることはない。暮らしと人に触れてなんぼ。

  • 最小の費用で最大の効果を生み出したイベントとして名高い「長崎さるく博」その企画立案者の考案から実行までをつづった本。

    今まで地方で行われてきたイベントを「東京製地方イベント」と題し、そのあり方を問いなおし、それよりも市民参加型のイベント、つまり、そこに住まう人がイベントに関わることの重要性を主張しています。

    また、観光の本質は実は名所旧跡を訪れることにあるのでなく、その土地のたたずまい、住む人々に魅力を感じるところにある。という考え方には共感することができました。

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著者プロフィール

1946年大阪生まれ。69年早稲田大学第一政治経済学部政治学科卒業。同年、㈱電通入社、大阪支社クリエーティブ局CMプランナーを経て、81年同社退社、㈱経営企画センター設立。「アーバンリゾートフェア神戸’93」チーフプロデューサー、「ジャパンエキスポ世界リゾート博」催事プロデューサー、「しまなみ海道’99」広島・愛媛両県総合プロデューサー、「ジャパンエキスポ南紀熊野体験博」総合プロデューサーを歴任。2002~03年(社)日本観光協会都市観光活性化会議委員、2003年(社)ひょうごツーリズム協会ツーリズムプロデューサー、2004~06年「長崎さるく博’06」コーディネートプロデューサーを務める。現在、プロデューサー(イベント/ツーリズム/マーケティング)、関西学院大学社会学部非常勤講師、(財)兵庫県園芸公園協会理事。

「2008年 『まち歩きが観光を変える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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