- Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
- / ISBN・EAN: 9784762827501
作品紹介・あらすじ
目標設定,教材分析,指導案作成から評価までの過程を「授業パッケージ」とし,効果的・効率的で魅力ある学習環境をデザインする
感想・レビュー・書評
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頭の中の整理出来てないモヤモヤ〜っとした自分の考えを、まとめてくれた一冊。「こうすれば授業が形になる」ではなく、「こうすれば学習者の学びをより確かにできる」ことに納得。授業設計のバイブルだと思った。授業作りの入門書として、よい!
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教師のためのインストラクショナルデザインの書。
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教材設計マニュアルの続編?
教育方法に関する授業での教科書としてイメージされている?文科省からの要求に応ており広範な基本を押さえた内容。これを学生がいかに活用して授業力を上げられるかが問題かな。 -
【概要】
1)本書の位置づけ
・教職課程のテキストとして編集された。→必修科目「教育の方法と技術(情報機器及び教材の活用含む)」
・「ID(イストラクショナルデザイン)」の考え方に基づく、よりよい授業を設計する方法論を紹介する本。
・「よりよい授業」とは、「効果・効率・魅力」。→授業の目標にクラスのみんなが到達し(=効果)、なるべく短時間でそれを成し遂げ(=効率)、もっと学びたいという気持ちで終わる(=魅力)、そんな授業。
2)本書の構成(目次立て)
・「ADDIEモデル」に基づくシステム論アプローチに基づく構成 ※○印の表記は、ススメ人による
○イントロダクション
第1章 よりよい授業をめざして
第2章 インストラクショナルデザインとは何か
○ねらいの明確化 (「分析」Analysis)
第3章 学習目標を明確にする―授業構想の検討
第4章 学力とは何だろうか―多様な学力の見方・考え方
○教材づくり (「設計」Design)
第5章 何を教えるのか?―教材研究の方法
○指導案づくり (「開発」Development)
第6章 どう教えるのか?―学習指導案の書き方
○評価の計画
第7章 学習指導と評価(1)―目標・指導・評価の一体化
第8章 学習指導と評価(2)―目標に応じた評価方法の実際
○魅力ある授業の実践 (「実施」Implementation)
第9章 魅力ある授業をつくる(1)―教師の振る舞いの基礎基本
第10章 魅力ある授業をつくる(2)―学習意欲を高める方法
第11章 魅力ある授業をつくる(3)―学習者の協同と活動
第12章 魅力ある授業をつくる(4)―情報社会に適応する
○ふりかえり (「評価」Evaluation)
第13章 授業を分析してみよう
第14章 研究授業・模擬授業から学び合うために
○教師の成長に向けて
第15章 これからの教師に求められる授業力とは
【TFJの活動に活用できる場面】
・本書で説明されている事項は、授業設計を行う際に踏まえておくべき基本的事項である。TFJでも行われている、レッスンプラン作成にあたっての基礎知識となるのではないか。
・以下は、特に、ススメ人的に興味を覚えた方法論である。
■第3章 学習目標を明確にする―授業構想の検討
・学習目標の明確化3要素~「目標行動」「評価条件」「合格基準」(p.28~)
・キャロルの「学校学習モデル」~学習成果に個人差があるのはなぜか(p.35~) 「学習率」とは
■第4章 学力とは何だろうか―多様な学力の見方・考え方
・ガニェの「学習成果5分類」~学力をどう定義するか(p.47~)
「言語情報」「運動技能」「知的技能」「認知的方略」「態度」
■第5章 何を教えるのか?―教材研究の方法
・課題分析の方法
言語情報→クラスター分析(p.53)、運動技能→手順分析(p.54)、知的技能・認知的方略→階層分析(p.55)
■第6章 どう教えるのか?―学習指導案の書き方
・ガニェの「9教授事象」~学びのプロセスを助ける作戦を9ステップに整理(p.66~)
導入 1)学習者の注意を喚起する 2)学習目標を知らせる 3)前提条件を確認する
展開 4)新しい事項を提示する 5)学習の指針を与える 6)練習の機会を設ける
7)フィードバックをする
まとめ 8)学習の成果を評価する 9)学習成果の保持と転移を促す
・ガニェの「学習成果5分類」に応じた指導法~授業展開(=チャンク、上記1~7)の方法(p.69)
■第8章 学習指導と評価(2)―目標に応じた評価方法の実際
・ガニェの「学習成果5分類」に応じた評価方法の選択(p.94)
■第10章 魅力ある授業をつくる(2)―学習意欲を高める方法
・ケラーのARCS動機付けモデル~以下の4つ(さらに詳細には、12)ステップ毎の作戦(p.113~)
注意(Attention)→関連性(Relevance)→自信(Confidence)→満足感(Satisfaction)
■第12章 魅力ある授業をつくる(4)―情報社会に適応する
・ブランソンの情報技術型学校モデル~生徒主導(ICT活用)。機械に出来ないことをする教師(p.141)
■第15章 これからの教師に求められる授業力とは
・教師に求められる知識・能力~INSTACの「教師の力量10基準」(p.169~)
・学ぶ教師・成長し続ける教師(p.172~)
【関連図書】
・鈴木 克明 著 『教材設計マニュアル―独学を支援するために』北大路書房、2002年
・ロバート・M. ガニェ ほか 著、鈴木克明 監訳 『インストラクショナルデザインの原理』北大路書房、2007年
・ジョン・M. ケラー 著、鈴木 克明 訳 『学習意欲をデザインする―ARCSモデルによるインストラクショナルデザイン』北大路書房、2010年 -
総合的な学習の時間への熱い思いを書きました。15章担当です。