心理援助職のためのスーパービジョン: 効果的なスーパービジョンの受け方から,良きスーパーバイザーになるまで
- 北大路書房 (2012年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784762827822
作品紹介・あらすじ
援助職の専門家になるため,また日々の実務上もスーパービジョンは必須のもの。だが機会も限られ,その実態は神秘性を伴い見えづらいものとなっている。スーパービジョンにまつわる諸問題を広範囲にわたり言語化し,自身の援助行動を適切に振り返り,客観性や妥当性を備えたものとしていくためのノウハウを体系的に整理。
感想・レビュー・書評
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カウンセラーやコーチの友達で、スーパービジョンで傷ついたという人は結構多いみたいで、それはきっと大事なことなんだろうと思いつつ、もっと協働的な関係性のもとになにかできるといいのにというのはなんとなく思っていた。
そういうなかで、スーパービジョンについての概説書という感じの本らしいので読んでみた。
思ったよりもはるかに手強い本で、仲間と一緒に一年以上かけて読んでみた。
記述のなかには、なるほどのことも多いが、なんか変な話し、なんか違うんじゃないかと思うこともある。しばしば、テクニカルなところに入り込んで、まだまだスーパービジョン文化のない日本ではなんかリアリティの感じられない部分も多い。
と文句をいいつつ、最後まで、読み切って、読んでよかったなと思った。
これに全面的に賛成するかどうかではなくて、一応、スーパービジョンってこういうことなんだというのがさまざまな側面から包括的に議論されているということが大事で、それをもって初めて、ではどうするのか、どう考えるのかという議論がスタートできるのだと思う。
本書も終わりの方では、さんざんスーパービジョンの議論について議論したあとで、この本は「スーパービジョンが役にたつという前提のもとに書かれている」みたいな身も蓋もない話がぽろっとできてきて、なんかこっれてかっこいいなと思った。
そんなことを言っちゃう著者に共感して、本を読み終えた。
ここで書かれていることは、いわゆる対人支援のためのスーパービジョンにとどまらず、日々の組織のなかでの「指導」にかかわることと関係すると思うし、組織をなんらかの活動をとおしてよくしていこうというときにも役にたつコンセプトがたくさんあるように思えた。詳細をみるコメント0件をすべて表示