ケースで学ぶ犯罪心理学

著者 :
  • 北大路書房
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784762828157

作品紹介・あらすじ

殺人,テロ,性犯罪,ストーキング,DV,放火など,事例(罪種)ごとに犯罪心理学の知見を紹介。捜査心理学や犯罪者行動分析を中心としたコンパクトな入門書である。実際の事件(例:「切り裂きジャック事件」「地下鉄サリン事件」等)の解説が70余り盛り込まれており,臨場感そのままに犯罪心理学を学ぶことができる。

感想・レビュー・書評

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  • テレビドラマには、犯罪を扱うものがいくつもある。国内外含めて様々な作品があり、ついつい見入ってしまう。最近では『クリミナル・マインド』というアメリカテレビドラマにハマっている。このドラマは、FBIのプロファイラー専門チーム行動分析課であるBAU(Behavioral Analysis Unit)所属の捜査官が活躍するもの。
    このような犯罪を扱うドラマをよく見るので、犯罪心理学にも興味があり、本書を手にした。
    本書は、様々な犯罪の実例を紹介し、ケースごとに犯人のタイプを分類、どのような心理的傾向があるのかを知ることができる。本書で紹介される実例も日本国内の事例も豊富であり、理解を深めやすい。海外事例も紹介され、法律ができるきっかけになった事件等も学べる。
    大学の講義用の教科書のような体裁になっており、各章の終わりに演習問題が書かれている。この問題に取り組むことで、学んだことの定着が図れる。
    付録に、傑作犯罪小説や映画の紹介があり、最後に息抜きができる構成。

  • 大学のテキストとしても、事例が多くわかりやすく自力でも学習しやすい本だと思った。はじめにに書かれているが、家裁や法務省関連の「犯罪心理学」と操作心理学や犯罪者行動の「犯罪心理学」があり、この本は後者に立った本である。発行年も新しいので事例も新しく、概要の説明、事例の説明のバランスが良いと思った。

    以下、目次を記すと、連続殺人、女性による連続殺人、大量殺人、テロリズム、子どもに対する性犯罪、レイプ、ストーキング、DV、放火、プロファイリング、虚偽検出、目撃証言の12章と附章 映画で学ぶ犯罪心理学である。

  • 犯罪分類と各犯罪分類における犯行者タイプ、犯行タイプの説明が記載されていた。また、過去に国内・国外で起きた犯罪をケースとして取り上げ、主に犯罪者の心理について解説されていた。

    日々報道されている犯罪の分類、犯罪が起きる際の犯罪者の心理状態などが気になる方にはおすすめできる一冊。

    この一冊を読んで教訓に出来ることとしては、自分自身や身の回りの方が、犯罪者と同様の心理状態にならないよう、日々努力やケアをしていくことが重要である。という点だろう。

  • こちらは事例検討に使うための副読本的な意味合いのものになろうか。すべてのケースは示唆に富み読めば読むほどさまざまな情報に続いて疑問がでてくる。面白いと思ったのは巻末の「映画に学ぶ」の章。フィクションであっても実在のモデルに取材したものが多い。この領域では想像力は事実を超えることが難しいのかもしれないが人間がどこまで残虐になれるのかという問いには答えがない。

  • 本書の大部分を占める犯罪の類型と実例は、ネットで著名事件を調べたことのある人なら誰でも素人目に分かることで、価値がない。
    12章中3章に過ぎない捜査技術については、歴史と発展も踏まえられていて参考になった。
    なお、内容とは関係ないが、脱字とその反対に誤って文字が挿入されている箇所が信じられないほど多かった。

  • 分かりやすく、設問も設けられていることから、大変勉強になった。本格的に犯罪心理学を学ぶことにしたのは、この本を通して越智啓太先生に出会ったことがきっかけであった。ただし、取り上げられた具体的事件の解説に過不足があったり、事件名・加害者の表記の不一致が少々気になった。

  • 国内外の事例がたくさん載っており、どういう理論や視点で理解できるかがわかりやすい。理解する癖をつけるためにも、参考になる本。

  • 海外ドラマのハンニバルを観て読んだけど、むずい

  • 連続殺人関連の本を読んだので、犯罪心理を知りたくなり、購入。

    実際に大学(心理学)の講義で使われているといわれるだけあって、わかりやすくまとめられていた。
    実際の犯罪にも触れられていて、興味深く読んだ。

    学問としての本なので、私としては捜査官側の本のほうが好きだった(笑)

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著者プロフィール

越智 啓太(おち・けいた)
法政大学文学部心理学科教授。
横浜市生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科心理学専攻修了。警視庁科学捜査研究所研究員などを経て現職。臨床心理士。専門は、プロファイリングや虚偽検出等の犯罪捜査への心理学の応用。その一方で、素朴なオモシロ研究を愛しさまざまな論文を密かに読み進めてきた。また、これらの研究を追試することを生きがいにしている。最新論文は「恋愛関係における『恋は盲目』バイアス」(法政大学文学部紀要)で、今の恋人は過去の恋人よりもかっこよく(美しく)みえることを科学的に明らかにした。
著書は、『ケースで学ぶ犯罪心理学』(北大路書房)、『テキスト 司法犯罪心理学』(北大路書房)、『臨床心理学と記憶心理学のコラボレーション』(北大路書房・共著)、『美人の正体』(実務教育出版)、『恋愛の科学』(実務教育出版)、『progress and application 司法犯罪心理学』(サイエンス社)など多数。
テレビ・映画等メディアでも、犯罪心理学や社会心理学の観点から多くの人気ドラマを監修、コメント出演をしている。
趣味は授業と資格取得。「甲種火薬類取扱保安責任者免状」「警戒業務管理者・専従警戒要員」「心電図検定」などマニアックなものを中心に多数の資格をもつ。

「2021年 『すばらしきアカデミックワールド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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