私は虫である: 熊田千佳慕の言葉 (生きる言葉シリーズ)

著者 :
  • 求龍堂
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本棚登録 : 79
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763010056

作品紹介・あらすじ

命が生まれてきた根はみんな一緒。どんな命も、愛するからこそ美しいと思うんです。98歳まで現役で、虫や花を愛し描き続けた細密画家。"プチ・ファーブル"と呼ばれた著者が遺した未発表「語録ノート」を中心に、珠玉のメッセージを多数掲載。

感想・レビュー・書評

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  •  この本を開いて、まず一枚の熊田さんの写真に目を奪われました。地面に横ばいになって、たんぽぽをスケッチしている写真。その瞳があまりに綺麗で、目を離せず見つめ続けているとなぜか涙が出できました。たんぽぽを慈しみ、たんぽぽと同化している感じが伝わってきて、この方の無垢な佇まいに衝撃を受けたのかもしれません。
     
     その後、数ページ作品などの写真が続き、
    「よく親父に言われました。乞食になっても王様になっても、愛は忘れるなって。」
    の言葉。この方の瞳にここまで惹きつけられたことに納得しました。

     熊田千佳慕(ちかぼ)さん、細密画家・童画家。千佳慕さんの言葉が載っています。

    ○身のまわりにあるものに愛を感じ、美しさを感じ楽しいひとときを持ち、生活の中に豊かな感性を持つことが本当のゆとりである。現在騒がれている学校や社会のゆとりは、ただ、単なる休む時間であり遊ぶ時間である。精神的なものを伴っていない。

    ○ゆとりのない芸は面白みも楽しみもない

    ○過ぎ去ったことは置いておかないと、先へ進めない。

    ○酒もたばこも飲みません。17 、8の時に、将来小さい人たちのために仕事をするには体だけでもピュアにしておこうと思って、それでお酒とたばこは飲むまいと決めたんです。

    ○色がまだ《色》として見えるうちは本当の色ではない。《色》が自然の中に溶け込んでこそ真の色である。

     大切なことをいつの間にか心の深いところで失っていた自分に、社会に、気づかせてくれる、はっとさせられる、でも優しい温かい言葉が溢れていました。

  • 色がまだ色として見えているうちは本当の色ではない。色が自然の中に溶け込んでこそ真の色である。

    自然は美しいから美しいのではなく、愛するからこそ美しいのだ。

    ふっと心が温まるそんな本です。

  • 自然の目線と一緒になって作品を描いた著者。植物や昆虫の目線にならないと描けない作品ばかり、だからこその「私は虫である」なんですね。作品を生でみたいと無性に思いました。わたしも自然を愛する一人として尊敬する著者です。

  • 「千佳慕の言霊マジック」

    所蔵情報
    https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/search?rgtn=076177

  • 樹林さんが出ている映画で、観たいなあっと思っていた。
    映画館で予告編はやったのに、結局上映はされなかった、残念。
    なのでまだみていない。モリのいる場所の人だあ、っと思って手にとる。
    が、さっき調べたら違った。笑
    あっちは熊谷さんこっちは熊田さんでした。
    絵のタッチも全然違う。
    でも心根は似てるんじゃないかしら?っと。勝手に思った
    こんもり森な庭も一緒じゃん。
    熊田さんは超細密画
    カラーの絵がとても綺麗。中のもカラーでみたい。
    アリスの絵もめっちゃ素敵。
    小さな人たちのために仕事をするのだから、
    からだだけでもピュアにしたい、と酒もタバコもしないと決めたっとゆーのが純粋な人やなあっと。
    そーゆーまっすぐさが、描くものへのまっすぐさにも繋がってるのかしら、と思う。
    花や木は自分の美しさを知らない、だから美しい。
    なるほど。

  • 響く言葉がたくさん、というよりほとんどの言葉が深く、強く、はっきりと、そして静かに心に響く。病からあとどれくらい生きられるか不安に思わない自分にとっては、ずっと手元に置いておきたくなるような内容の本。あえていくつか選ぶと、
    「楽しい時に笑って笑って、幸せをたくさん貯めておきましょう」
    「過ぎ去ったことは置いておかないと、先へ進めない」
    「小川に流れる木の葉みたいに、流れて生きる。他力で活かされていると思うと楽ですよ」
    「僕の生涯は(中略)やがては大海に流れ着くのでしょう」
    悩んだり、苦しいと思った時にはこれらの言葉を思い出そう。とても勇気づけられた。

  • 心も身体も身動きがとれなくなった時に読む本。

    いろんな柵とか窮屈なものから解放して、心を穏やかにしてくれる本。

    私に深呼吸することを思い出させてくれる本。

  • こんな風に充実を感じながら生きることができれば、と憧れる視点と境地。
    熊田さんの言葉には、時々本当にハッとさせられます。
    絵が素晴らしい。生命力に満ちてる。

  • 持ち歩いてます。特に元気がないとき。

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著者プロフィール

◆(挿絵)
1911-2009
神奈川県生まれ。画家。昆虫や植物を生命感豊かに描く絵本画家として活躍。徹底した自然観察に基づいたリアルな作品の数々から"日本のプチ・ファーブル"と呼ばれ、世界的に高い評価を得る。著書に『新装版 熊田千佳慕の言葉 私は虫である』(求龍堂)、絵本に『ファ―ブル昆虫記の虫たち』(全5巻/小学館)などがある。

「2023年 『ファーブル昆虫記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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