星にとどく樹―世界を旅するピアニスト

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著者 : 舘野泉
  • 求龍堂 (1996年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763096395

星にとどく樹―世界を旅するピアニストの感想・レビュー・書評

  • ◆きっかけ
    ブクログ 2016/8/31

  • 古いもので1981年からの、いくつかの雑誌への連載と書き下ろしをまとめたもの。当然ながら世界的日本人ピアニストである著者(フィンランドに拠点を置く)が、病によって「左手のピアニスト」になる以前の、文字どおり世界を旅していた頃の随筆集。私は雑誌で断片を目にしていた頃から、彼の文章が好きだった。そしてやはりまずは、グリークやシベリウスの作品の演奏が大好きだ。こんなに素敵な文章を書ける感性だから、こんなにいい音楽なんだ、そうも感じていた。「ピアニスト舘野泉、右手麻痺」のニュースには衝撃を受けたが、その後に出たCD冒頭の「左手のためのバッハ・シャコンヌ」の見事さには涙が出た(ブラームスの編曲も素晴らしかったんだ、と、これであらためて確かめることができた、こんなに凄い左手のシャコンヌ、聴いたことなかった!)。「左手のピアニスト」になってからは特に、テレビドキュメンタリーも追いかけているから、御覧になる機会もあろうか、と思う。彼が初めて、アンコールで再び右手を使ったときの映像も感動的だった。以上を、私はまったく批判・否定はしないが、「左手のピアニスト」としか知らない人は、両手で北欧の音楽を弾いていた頃の彼の演奏を聴いてみてください。そしてできれば、こういう随筆集を読んでください。そうしたら、こういう彼だったからこそ、左手1本でも素晴らしい音楽を奏でられるのだ、と感じられると思います。フィンランドでの日々についても詳しいので、北欧ノートにも入れておきます。

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