50歳からの勉強法

著者 :
  • サンマーク出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763133366

作品紹介・あらすじ

終身現役、一生勉強。51歳まで都庁勤めで激務をこなし、退職後に56歳でベストセラー『小説上杉鷹山』を上梓、86歳を超えても最前線で活躍を続ける、その秘訣とは?

感想・レビュー・書評

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  • 【50歳からの勉強法】童門冬二の著書を読んで学んだこと

    私は、2024年に50代になる予定の人間です。最近、心も体も老いを感じることが増えてきました。

    そんなときに、ふと手に取った本があります。それが、童門冬二さんの【50歳からの勉強法】です。

    この本は、私にとって「縁」のようなものでした。なぜなら、この本は、私がずっと悩んでいた「勉強する目的や方法」について、著者の考え方や体験を紹介してくれたからです。

    この本のタイトルを見て、勉強の方法論を期待する人もいるかもしれません。しかし、この本は、そういう本ではありません。
    この本は、勉強する目的や心構えについて、著者の人生観や哲学を語ってくれる本です。
    私は、この本を読んで、自分の学びに対する想いや姿勢を再認識することができました。この本を読んで学んだことを、皆さんにもシェアしたいと思います。
    ーーーーーーーー
    まず、著者の童門冬二さんについて少し紹介します。
    童門冬二さんは、都庁と小説家の2足のわらじを履いていた方です。芥川賞候補になったことで、文筆家としての道を歩み始めます。

    しかし、他者の作品と自分の作品を比較される世界に身を置くことで、自分の能力の限界を感じます。
    そして、一時期、筆を置くことになります。その後、太宰治の作品に出会って、小説の魅力に再び目覚めます。

    都庁という組織の中で働く著者は、執筆のテーマを「文学」から「組織と個人」に変えます。歴史に実在する人物の生き方や組織との関係を描き、現代社会における組織と個人の在り方について考えさせてくれる作品を生み出します。
    ーーーーーーーー
    この本は、そんな著者の人生や作品に触れながら、50代からの勉強について語ってくれます。

    著者は、50代とは、孔子でいう知命、命を知る時期だと言います。そのためには、自分をゼロベースにリセットし、過去の蓄積に光をあて直すことが重要と記載しています。また、併せて時間、ひとづきあい、情報取得についての考え方も提示しています。

    (組織と自身の視点)
    組織の論理、目的に対して、自身はどのような矜持をもって対面していくのか? 決めること。持つこと。そのうえで、賛成、反対・代替案を提示するという行動を示すこと。

    (時間と自身の視点)
    考えて時間を消費すること。何が目的で何が重要なのか? 効率性の視点では、二者択一ではなく、二者二択でもよい、しなやかさを持つこと。

    (心と自身の視点)
    後悔はしないように努めること。また、後悔・挫折から逃げるのでなく、それを学ぶ機会ととらえ直すこと。絶えず、謙虚に、外部からの指摘、助言を受け入れること。

    (自身の敵は自身なり)
    基本、人間は怠惰と思うこと。やる気・モチベーションを理由にしないこと。必要があるならば、やれ。

    ーーーーーーーー
    【50歳からの勉強法】童門冬二は、40代、50代のみならず、幅広い年代の方にとって気づきの書になるのでは?と考えています。著者の考え方に触れることで、「勉強する目的」について、ガチガチではなく、柔らかい視点でとらえ直すことができます。ぜひ、手にとってみてはいかがでしょうか?

    【著書より】(ページ)※一部、解釈を含む。
    (11)
    老いてもなお学びの姿勢を忘れない姿勢が、流動的で不安定な点々の人生に確たる骨格を与え、その時間を豊潤なものにしてくれるのです。
    (24)
    学びの姿勢は自由でいい。・・・をしなければならないは不要。教科書は世間にある。現実、現物、現場に触れよ。
    (78)
    自分のやる気に相談するな。やる必要のあることは、さっさと取り掛かる。
    (117)
    なら人間を目指そう。あのひとのためならば・・・と想う人と出会い、そのようになるに努める。
    おかゆにならない。個人の矜持を保ち、組織の目的の達成に努める。迎合しない。
    (137)
    類似点を探すことから入れば、人間関係は意外にうまくいくものです。
    (186)
    心がやわらかく、鏡がきれいに保たれていれば、そこに映る像は鮮明で記憶にも長く深くとどまるだろう。
    (193)
    後悔しまいと努めながら、いつも後悔し、そのつどまた戒める。この半永久的な反復に、僕はひとが生きて居ることの本質があり、快味もあると思うのです。
    (195)
    人間関係を絞り込むこと。重要ではないものとは距離をおくこと。なぜならば時間が少なくなってきているから。

  • 50歳からの勉強法 童門冬二著

    メモ
    原稿を口で書く。

    やりたくないことから真っ先に手をつけよ。

    何のために書くかを教えてくれた作家

    50歳を過ぎたら、それはもうおやめなさい。

    学びの種は道ではなく、むしろ既知の分野に探しなさいというのが僕の提案です。

    発酵した中から取り出した、僕の生涯テーマ

    お粥ではなく、そのひとつぶひとつぶがしっかりと自立しながら、全体としても確かな形を保っている握り飯のようでなくてはいけない。

    学びの姿勢は自由で良い。
    教科書は世間にあると心得よと言う。

    孤独を覚悟せよ。

    したがって今は優先順位のヒットは最もやりたくないこと、嫌なことから手をつけると言う仕事のスタイルをとっています。

    一番高いハードルから真っ先に飛んでやろう。飛べないならしがみついてやろうそんなふうに考えたわけです。

    やるべき時に、自分のやる気に相談するな。

    僕もまた及ばずながら、人を喜ばせるために、自分の小説を書きたいと思っています。


    感想
    この本の中で、一番印象に残ったのはやりたくないことからやると言う事。そして一番高いハードルを目指す。これもかなり僕の中に残りました。そして前提としては、人を喜ばすためというのがやっぱり続けていく秘訣だと思いました。50代60代いやその前になる人たちにも読んでもらいたい本です。

  • 多分再読。
    多分、というのは内容を覚えておらず、新鮮に読めたから。
    元気が出た。またいつか読むだろう。

  • 勉強法だけでなく生き方にも通じる内容。読書の仕方は筆者と同じことをやっていた。私も家よりカフェとかのほうが集中できる。「時限蒸発」面白い言葉だ。最近仕事をしながら、透明バリアをはれるようになってきた。

  • タイトルに引かれて借りたがほぼほぼ自伝記。

  • 「終身現役、一生勉強」の生き方を貫こう

  • 原稿を口で書く、辞書を読む、三度読んで理解できないところは捨て、理解出来るところを熟読する、やりたくないことから始める、飲んだら書くな、

  • -

  • 嫌なことからさっさととりかかり同時並行で行う。逃げてはいけないな。「七つの習慣」とセレンディピティ。人の話を分け隔てなく聞く。
    人生の余白、池田千恵さんの「朝の余白で人生を変える」とセレンディピティ。余白とは余裕。余裕がないと学びには繋がらない。人に学ぶ。一方時間や人との関係も、見切りが必要。
    「世界の終末が明日であろうとも、私は今日、リンゴの木を植える。」禅の教えとセレンディピティ。日々、今を生きる。毎日規則正しぬ同じことをすることの大事さ。
    忘れっぱなしにしない。
    思い出す努力をする。

  • 勉強法とあるが、具体的な方法を説明しているわけではなく、50歳以降における考え方、心構えを書いている。
    文章が平易で読みやすいのは筆者が文中で書いているとおり。

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著者プロフィール

歴史作家。東京都知事秘書、広報室長、企画調整局長、政策室長を歴任。退職後作家活動に専念。人間管理と組織の実学を歴史の中に再確認し、小説・ノンフィクションの分野に新境地を拓く。『上杉鷹山』『小説徳川吉宗』など著書は300冊を優に越える。

「2023年 『マジメと非マジメの間で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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