- Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
- / ISBN・EAN: 9784763135070
感想・レビュー・書評
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とある街の『ふにくりふにくら』という名の喫茶店。
そのお店のある席に座ると、
望んだとおりの時間に戻れるという
ただし、そこには非常に
めんどくさいルールがあった
1.過去に戻っても、
この喫茶店を訪れた事の
ない者には会う事はできない
2.過去に戻って、
どんな努力をしても、
現実は変わらない
3.過去に戻れる席には先客がいる
その席に座れるのは、
その先客が席を立った時だけ
4.過去に戻っても、
席を立って移動する事はできない
5.過去に戻れるのは、
コーヒーをカップに注いでから、
そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ
それでも望んで過去に戻った
人たちの切ないストーリー。
『過去は変えられない』
このルールがあるからこその物語。
感動したいと思っている人におすすめです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
設定の割り切りがうまい。タイムトラベルものですが、こまごまとした制約・SF色を「ルールですので」で排除したところがうまいです。
あまり多くを語らず必要最低限の説明でテンポよく物語を進めるうまさ。
何か劇を見ている感じと思ったら、演劇の脚本家・演出家さんだったのですね。元のお芝居があったとのこと。
いわゆるノベライズ本とは違うのですが、物語は読みやすく心に訴えるものはひしひしと感じられます。
4話4回泣けるそうですが、読み返すたびに泣けると思いますよ。
心が弱ってきた時に特におすすめ。 -
過去や未来に行ける喫茶店。いろいろなルールがあるなかで、会いたい人に会えれぱうれしいですね。
どの話しもとても切なかった。 -
===qte===
川口俊和さん 著書が世界で450万部発行 大切な人との「再会」に共感集まる
2024/2/1付日本経済新聞 夕刊
小説家としてのデビュー作が各国でベストセラーになった。登場人物たちは不思議な喫茶店で過去に戻って大切な人と再会し、その後の人生の糧とする。新型コロナウイルス禍などで思いがけない孤独や別れを経験した人々の共感を呼んだ。続編も次々と翻訳され、シリーズ累計の発行部数は世界で450万部を超えた。
2015年に出版した「コーヒーが冷めないうちに」は1杯のコーヒーが冷めるまでのわずかな時間だけ過去に戻れる喫茶店の物語だ。川口さんはもともと劇団の脚本や演出を担当しており、同作も演劇用に書いた脚本だった。上演を見たサンマーク出版の編集者、池田るり子さんの勧めで小説化することになった。
だが初の小説は筆が進まず3年ほど中断した。友人の急逝をきっかけに「自分もいつ死ぬかわからない。ちゃんと向き合おう」と決めてやりとりが途切れていた池田さんに連絡し、完成させた。同じ設定で続編、続々編と書き続け、5作目まで出版した。
日本では東日本大震災で失った家族や友人にもう一度会いたいと願う読者からの反響が大きく、映画化された。コロナ禍でロックダウン中のイタリアや英国などでもヒットし、これまで41言語に訳された。
舞台は典型的な日本の路地裏の喫茶店で、シャイで日本的な性格の登場人物が多い。海外読者にはわかりづらい設定にも思えるが、仏出版社アルバン・ミシェルの外国文学部門ディレクター、アンヌ・ミシェルさんは「テーマは普遍的だしサスペンスの要素もある。すべての国の読者の心を動かせる」と評価する。
「語り口は日本的で控えめ」(ミシェルさん)な点も、センチメンタルになりすぎず読者の共感を得やすいという。口コミで人気が広がり文庫化を果たすなど、同社でも外国の作品としては異例の売れ行きをみせている。23年にはフランスでオーディオブックの賞も受賞した。
川口さんはコロナ禍が落ち着いてから精力的に海外を回り、出版関係者や読者から直接感想を聞くなど交流を深めている。
「小説は演劇と違いお客さんの反応が直接見えない。海外の読者は積極的に感想を伝えてくれてすごく励みになる」。今はシリーズ第6作を準備中だ。
(パリ=北松円香)
かわぐち・としかず 1971年生まれの小説家・脚本家・演出家。最近の趣味は1年に1回はするという引っ越し。気分転換になるうえ「舞台芸術をやっているので部屋の間取りを見るのが好き」。大阪府茨木市出身。
===unqte=== -
人生は選択の繰り返しで後悔せずに生きることはできないけど、当たり前の毎日に、当たり前に一緒に過ごしている家族に感謝しながら生きようと思いました。誰でもいつか会えなくなる日が来ることを知っていても日々を疎かにしてしまう。
そんな日が来る前に、日頃から言葉にして伝えたい。 -
2018.10.16
4回泣けるって書いてあったからちょっと身構えてしまったのかな。
期待を上回ってはこなかったけど、普通にはおもしろかった。
個人的に物語に入り込む前に終わっちゃうから短編があまり好きではないけど、これは登場人物同士が繋がって1つの物語を作り上げてるからその点は好き。
2個目のお話が1番グッときたし泣けたかな、大切な人に嫌われるならまだしも自分のことを全て忘れ去られたら本当にどんなことよりも辛いと思う。
2作目も読もうと思う。 -
話の伏線が難しくなく、読みやすかったです。
二話目は涙が止まらず、三話目を読む前に休憩を挟みました。
過去にばかり目を向けず、今の自分や周りの人にも目を向けられるようになりたいです。 -
ちょい泣き。
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4編に分かれているお話。
想像よりもファンタジー要素が多く、第1話ではあまり惹かれないなと思ってしまったのですが、第2話『夫婦』のお話で号泣しました。
最初の細かいルールが物語に上手く作用していて良かったなと思います。
気になって映画も見てみましたが、小説に無い内容があり、続編があることを知りました。
結構設定が変わっていたので、原作の続きをまた読んでみようかと思います。