この嘘がばれないうちに

著者 :
  • サンマーク出版
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感想 : 461
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763136077

作品紹介・あらすじ

愛する人を想う気持ちが生み出した、不器用でやさしい4つの「嘘」。「過去にいられるのは、コーヒーが冷めるまでの間だけ」不思議な喫茶店フニクリフニクラにやってきた、4人の男たち。どうしても過去に戻りたい彼らの口には出せない本当の願いとは…?

感想・レビュー・書評

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  • このシリーズは大切な人を亡くした人に是非読んで欲しいと思う。するすると読み易く優しいストーリーに癒される。

    残された人のその後の生き方が亡くなった人の命の意味をつくる。だから幸せになって良い、それが故人が一番望んでいることだということ。心に刻みたい。

  • 第1作目「コーヒーが冷めないうちに」の続編。
    1作目は余白が多く中身もスカスカしている印象で、続きを読む気にはなりませんでしたが、この続編はある程度それも改善されています。手に取る機会がなければ読まなかっただろうとは思いますが…

    主軸は同じ。喫茶店「フニクリフニクラ」を舞台にした4つの短編集です。
    舞台が変わらない&主人公は席を移動できないために喫茶店内で話を完結させるので、話が一辺倒になっている印象。

    また良くも悪くも分かりやすい文章展開で、中高生の読書感想文用の作品のようでした。

  • 小説を読んで泣いたの久しぶりかも。
    もうなんだかよくわからんが、一度泣き出したらどこ読んでも泣けてくる。

    ルールはとても細かく厳しい。
    5つあるルールのうち、席から離れてはいけない。
    これってつまり店のルールを知っていればその席に座っている理由が想像ついてしまう。
    母親と息子の話はまさにそんなお話だ。

    私なら、どうする。。。


    最近、喫茶店の本に縁があるなぁ。

  • コーヒーが冷めないうちにの続編。
    相関図はあるものの、コーヒーが冷めないうちにを読んでから読んだ方がわかりやすいかも!!!
    今回も4編の温かいお話があり、読んだあとはすごくグッとくる。
    この本を読んでいると、人の人生ってどこでどうなるか分からないものだなぁと思い知らされたり、後悔して未来を生きるよりも、過去でできることはしっかりやっておきたいなぁと思ったり。。。

    とりあえず、日頃から親や、旦那に感謝の気持ちを伝えられるようにしようと思った!!!

    あ!あと、追記です。
    第三話恋人の作中から抜き出し。
    私も母が亡くなり人生のどん底に陥った時に、妊娠が判明。すごく嬉しくて暗かった私を明るくさせてくれた。
    けれど、すぐに流産。
    私の元から去る命が2度も続けて起こり、悔しくて悲しい思いをするなら妊娠しなければよかったと後悔したけど、
    倉田の『その子はね、七十日という命を使って、麻美ちゃんを幸せにしようと思ったんだよ』という、言葉に涙した。
    私のもとにやってきた子もたったの44日だけしか、いれなかったけど、その間、私自身はすごく幸せだった!
    ネガティブに捉えるのではなく、ポジティブに捉えることの大切さを学ぶことが出来た!!!

  • 優しい嘘がテーマ

    悲しいようで心温まる不思議な読後感。

  • シリーズ2作目。
    過去に戻りたいと思う人は、何か思い残したことがあるからだと思う。
    作品中の人々は、その思い残したことというのが、自分のためではなくて相手のためであるところに、深い優しさを感じた。
    4編とも温かくて切なくて、どれも好きだった。

  • シリーズ2作目。前回の話と被るところもあり数を取り巻く事情もいろいろと明らかになる。過去に戻ったからといって過去を変えることが出来ないとういう悲しい現実。それでもみんな過去に戻り何かを得て再び動き出す温かいお話でした。

  • 「2017年本屋大賞」にノミネートされた『コーヒーが冷めないうちに』シリーズ第2弾。

    とある街の喫茶店「フニクリフニクラ」には不思議な都市伝説があった。
    その席に座ると望んだとおりの時間に戻れる。
    ただし、そこには面倒くさいルールがあった。

    1.過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会う事はできない。
    2.過去に戻って、どんな努力をしても、現実は変わらない。
    3.過去に戻れる席には先客がいる。
      その席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ。
    4.過去に戻っても、席を立って移動することはできない。
    5.過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ。

    ルールはこれだけではないけれど…

    『コーヒーが冷めないうちに』の7年後。
    「フニクリフニクラ」を訪れたのは4人。
    22年前に亡くなった親友に会いに行く男。
    母親の葬儀に出られなかった男
    結婚できなかった恋人に会いに行く男。
    妻にプレゼントをしに行く男。

    あの日に戻れたら、あなたは誰に会いに行きますか?


    今、視聴している韓国ドラマで、40代の夫婦にインタビューする場面がある。
    幼なじみである彼らに「30年前の18歳に戻りたいですか?」
    夫は「戻りたいとは思わない。今が一番いいから」
    妻は「戻りたい。会いたい人がいるから」と。
    それは誰かと問われた妻の答え。
    「元気だった頃の両親に会いたい」と。
    ドラマ内で彼女の両親は健在だけれど、自分が18歳だった頃の両親に会いたいと…
    胸に沁みた…



    『コーヒーが冷めないうちに』は2018年に有村架純さん主演で映画化されている。
    夫は原作を読んで面白かったと、映画も観ている。
    『この嘘がばれないうちに』も夫が先に読了。
    そして一言。
    「本は良かったけど、有村架純の顔がちらついて…」

    この気持ち、よくわかる。
    私も映画やドラマなどの俳優さんたちが記憶に残っていると
    その俳優さんを連想して、本が読みにくくなる。

    最近では、『マスカレード・ナイト』のキムタクと長澤まさみさん。
    東野圭吾さんの『マスカレード・ホテル』『マスカレード・イブ』を読んだ後
    映画『マスカレード・ホテル』を観た。

    昨年、映画公開前に『マスカレード・ナイト』を読んだのだが…
    新田はキムタク、山岸尚美は長澤まさみさんがちらついてしまって…
    映画『マスカレード・ナイト』も観たので…
    ますます二人のイメージが定着してしまった。

    『ガリレオシリーズ』も同じ。
    湯川学は福山雅治さんのイメージが定着してしまった。
    ドラマはとても面白く、楽しみに観ていたけれど…

    実は、原作者である東野圭吾さんによると
    湯川学は佐野史郎さんをイメージしたキャラクターだったそう。
    『ガリレオシリーズ』第1作目の『探偵ガリレオ』の文庫本の解説は佐野史郎さんだった。

    もし、湯川学を佐野史郎さんが演じていたら…
    ちょっと想像してみたが…
    だめだ、やっぱり福山雅治さんの顔しか浮かばない…


    と、話がずいぶんそれてしまったが
    『この嘘がばれないうちに』は、しっとり心に寄り添う良い本だった。
    シリーズ第3弾も読んでみよう。

  • 数ちゃん、幸せになってね。

  • 大切な人のために、嘘をついた話。幸せになるために生まれてきたのだと伝えるために。「嘘」ではあっても、大事な本当の気持ちが伝わったのですね。

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著者プロフィール

大阪府茨木市出身。1971年生まれ。小説家・脚本家・演出家。舞台『コーヒーが冷めないうちに』第10回杉並演劇祭大賞受賞。同作小説は、本屋大賞2017にノミネートされ、2018年に映画化。川口プロヂュース代表として、舞台、YouTubeで活躍中。47都道府県で舞台『コーヒーが冷めないうちに』を上演するのが目下の夢。趣味は筋トレ、サウナ、シーシャ。モットーは「自分らしく生きる」。

「2023年 『やさしさを忘れぬうちに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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