本質を見抜く「考え方」

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著者 : 中西輝政
  • サンマーク出版 (2007年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763197979

本質を見抜く「考え方」の感想・レビュー・書評

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  • 今まで読んだ本と少し変わった視点での考え方の本(国際政治や外交などの観点での記載が多い)。参考になった。

    ● いろいろな場面で、自分はどんな人間であり、どんなことを大事に思い、これだけは絶対に譲れないものとして何を持っているか問われる。しっかりと発信することで、自分自身の座標軸を定め、行動に移すことができる。

    ● 自らのオリジナリティは考えを言葉にすることでしか出すことはできない。「考え」に具体的な「言葉」を与える、しかも自分の言葉を与えることこそ、考えるという作業そのものの具体化になる。

    ● あいまいだった考えを、言い切りで仮説をたてることで、考えをはっきりさせることができる。

    ● 何らかの結論を出しておくと、自分の感度が走りすぎたりしているというような弱点に気づくことができる。

    ● 井上ひさし氏
    「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをゆかいに、ゆかいなことをまじめに」


    ● 3つのセオリー
    「作用反作用」
    「慣性」
    「ししおどし」

    ● いつも「異端の哲学」を持って、これは本当に正しいのか、ほかの考えはどうなのかを検討することで、考え方に広がりと深みが出る。

    ● 外交の本質は「早く見つけ、遅く行動し、粘り強く主張し、潔く譲歩する」

    ● どの職業につく人も、「ボランティア」の考えがなくても、自らの仕事、「自分の本分」を貫くことによって、社会貢献を考えることができます。

    ● 国や世の中のあり方は、わが身の問題ととらえる視点を持って、大きく考えるクセをつけることが重要。

    ● 「全員一致したらその決定は無効」。ユダヤ人の大教訓。誰一人真剣に考えていない証拠である。

  • ハウツーの解説もしてくれてますが、彼の思想も覗かせます。
    他にも、イギリスで体験したエピソードが盛り込まれていたり、田中角栄・キッシンジャーのエピソードが盛り込まれていたり。
    私には面白く読めましたが、ハウツーとしては魅力がイマイチで、人を選びます。

  • 考え方について知りたくて読書。

    思考停止に陥らないためには常に自分の頭で考えること。

    では、考えるとは何かをもっと知りたい。

    自分自身と対峙して、仮設を立てては実証するを繰り返すこと。
    己を知ること。
    歴史をチャンネルにして考える。
    その国を知りたかったら神話を学ぶ。

    日本人を、日本をもっと知ることは海外にいるので、日々その必要性を感じている。まだまだ努力不足だと反省。

    常に新しいことを学び、素直さ、勇気、慈しみの三拍子を意識することが古来からの日本人を象徴する人間の要素だそうだ。

    最後の長期予測が当たらないのはその通りで、それに縛られて、思考停止になる方が弊害が大きいと言える。しかし、予測する努力は必要で、そのためには的確な情報に絞り、シンプルに考える。

    奥が深い。

    読書時間:約50分

  • 今や国際政治学者の中西輝政氏。国際政治の中でもイギリスを専門に学んだ氏だけに、イギリスの強さをじわじわと描いている。本棚から出して7年ぶりに読んだけど、ポイント②を証明するかのように古さは全く感じない。

    ①早く見つけて遅くに行動し、非常に頑強に主張し続けながら一瞬にして妥協する
    ②人間の本質は変わらない。全ての情報を歴史に還元して理解を図ること。
    ③事実を見つめることが大事。バラバラの数字や事実を見ながら、自分流に情報を組みたてることが真の英知(インテリジェンス)である。

    この本のポイントとして上記の三つが挙げられると思うが、どれも現代の我々日本人には苦手なことばかり。各ポイントに対する私見は、
    ①じっと「宙ぶらりん」の状態に耐えることができない。拙速で単純な行動や結論を好む。「郵政選挙」「大阪都構想」等が好例。
    ②戦後教育の中で「過去の破壊・否定=進歩」という辿ってきた我が国。例えば、自分の意見や考えに対して「It is old.」と言われたらどう思うだろう?多くの日本人は否定的に捉えると思うが、イギリスでは「それはいい」という意味が込められる。「信用できる。親しみがある。」ということ。
    過去や歴史を否定というか、振り返ることを習慣化できていないと次に起こる出来事を予想したり、今起こっていることを正確に理解できない。常に「歴史は繰り返す」。
    ③我々日本人は事実に対して、都合の良いストーリーや結論を好む。先ごろのサッカーワールドカップの敗戦を受け、「本田の調子が上がらない中で戦ったために負けた」「ザッケローニ監督が初戦試合途中、長谷川から遠藤に代えたために逆転負けした」とか色々な話を聞くが、事実としてはFIFAランキング46位のチームが8位(コロンビア)・12位(ギリシャ)・23位(コートジボアール)に負けただけです。
    もっと事実を見ていくと、同大会ではFIFAランキング30位以下のチームは我が国を含めて、8か国が参加し合計24試合を戦いましたが、その内30位以下のチームが勝ったのは1試合だけです。


    情報があふれ出る現代社会の中で、本質を見抜くにはどうしたら良いか?その手法を提示してくれる一冊です。

  • 世の中をどのように観察して、解釈していくかについて、著者の経験に裏打ちされた理論をまとめた本。著者のイギリス経験は異文化の捉え方や戦略的思考、行動様式などについての考えに大きく影響し、説得材料にもなっている。

    感想。
    やや横柄な表現になってしまうが私自身が感じていたことの多くが的確に言語化されていたため、共感できることが多かった。例えば、仮説を持つことの重要さ、言語化すること自体が思考であること、論理と感性の民族、文明単位で考えること、疑問を大切にすること、面白いと感じることを選ぶ、などの指摘は私の中にあった考えを顕在化してくれた感覚を覚えた。すっきり。
    一方で、択一ではなく共存を選ぶ、宙ぶらりんに耐える、変化を見る前に不変を知る、正しいこと(真理)と効率的なこと(論理)は別、などという指摘に関しては、これまでは頭でわかっていたが本書を読んで理解に至った気がする。

    ということで、『情報を読む技術』も読んでみよう。Kindleでお買い得だし。

  •  本書は、出版されてからすでに5年以上経ちますが、内容はまったく色褪せていません。
     一人ひとりができることは、本質を見抜き、今必要とされていることは何かを理解すること。
    「変われないことが最大のリスク」です。自分の頭で考えて決断する習慣を身につけたいもの。

     詳細なレビューはこちらです↓
    http://maemuki-blog.com/?p=517

  • 欧米人は、一神教の影響を受け、魂の世界(ミッション)と日常生活(ゲーム)を分けて考える。レンガの家を建てるように分解して考える。また、征服できない敵は、体制内に取り込み、洗脳しようとする。

  • ハウツーというより人生論
    最初がなかなか読みにくかった
    途中から読みやすくなった

  • 仕事をしていて難問に直面したときに大切なのは、その問題の本質は何かを素早く把握することです。これができてしまば、解決できる問題なのか、だめと思われる場合にはどんな対策をとるべきかが自ずと分かってきます。

    しかし実際に難しいのは、本質を見抜く技術だと思います。この本では、そのための技術を大きく6つの観点から解説しています。本に書かれている技術は私の経験ではそのまま適用しても効果が少ないと思っていますが、そのエキスを理解して(本質を理解して)自分のアレンジを加えて今後の社会人生活に活用していきたいと思いました。

    特に印象に残ったのは、ユダヤの法則にある「全員一致の決定は無効」(p184)というものでした。

    以下はためになったポイントです。

    ・自虐的にしか自分を見れないのは、自分を映す鏡(歴史観)が歪んでいるからである(p21)

    ・日本人がまずやらなければならないのは、全ての考え方に安易な「人間愛」をの世界を持ち込まないようにし、1つのテーマに最低3つの仮説を立てること(p34)

    ・難しいことを難しく言うのは簡単だが、難しいことを易しく言うには、相当深くそのことを知らなければできない(p41)

    ・3つの仮説を考えるポイントとしては、「作用反作用=動あれば反動あり」、「慣性=動き出したら止まらない」、「鹿威し=突然バランスを失って局面の大転回がおきる」である(p53)

    ・3という数は、印象に残りやすく脳を落ち着かせる作用がある、「正反合」という考え方は、ある命題に対してまず肯定し、その否定を媒介として、より高いものに思考を発展させるもの(p55)

    ・人生で迷ったときの決断するポイントとして、「自分がおもしろいと感じるほうを選ぶ」、理屈や条件をもとに「おもしろい」と推測されるものを選ぶ(p81)

    ・日本においてバランスが崩れている現象として、「物と心のバランス」、「進歩と伝統のバランス」「個人と共同体のバランス」がある(p100)

    ・世界には「論理」を優先する民族と、「感性」で行動する民族がいる、歴史的には論理思考をするゲルマン民族(北ヨーロッパ)のほうが、発展や効率という面で優位に立っている、一方で日本人は、感覚が鋭敏で反射や直感で行動を選べるが、時にはとんでもない間違いを犯す危険性がある(p107)

    ・正しいこと(真理)と、効率的なこと(論理)の両者がそろわないと世界は成立しない(p113)

    ・海外の圧倒的に多くの水は硬水だが、日本の軟水はカルシウム含有量が少ない、そのため日本人は「せっかち」で、縄文時代から1万年以上、木の実を食べてきた民族であり海外の国々とは違う(p119)

    ・日本独特の風土(非常に温暖、自然の宝庫、水が豊富)は、日本に独自の文明を築かせた、風土は文明をつくり、文明は人間の考え方や心のパターンを決定づける(p129)

    ・ヨーロッパは、ノルマン人によるイングランド支配のように、外からやってきた民族が現住民族を征服し、社会の上層部を占めたという千年の歴史があり、人種的にも遺伝的にも一般大衆とは異なる、一方日本は遺伝子がお互いに混ざり合っていて階層ができない(p154)

    ・日本では2、3世議員が多いというが、欧州では10代続く国会議員がざらにいる(p155)

    ・ブッシュ政権は「日本占領の成功」が大きなヒントだと言っていたのに、その時とは異なって、旧フセイン政権の警官・公務員をすべて失業させた(p164)

    ・あまり見事な「反論の余地のない議論」は、「先に結論ありき」だと疑うべき(p179)

    ・ユダヤ人がサバイバルのために身につけてきた歴史の大教訓は、何かを決める際に、全員一致の決定は無効となり、議論をやり直す必要があるというもの、その根拠として全員一致とは、誰一人として真剣に考えていない証拠であると看做すから(p184)

    ・イギリス型の情報戦は、予算も少なくピンポイントの情報収集を行った、それに対してフランスは総花的に情報収集を行ったので、イギリスの弱点を素早く見つけられなかった、これがアフリカ植民地をイギリスに奪われたことに繋がった(p202)

    ・世の中の変化は大きく2つのパターンがある、1)規模は大きくないが、突発的に変化がわかるもの、2)ソ連型の崩壊のように大規模な変化で、事前に予兆があるもの(p211)

    ・アメリカ政府は1935年に長期人口予測(1965年に人口は3分の2)を行ったが、第二次世界大戦が始まると出生率が上がった、イギリスは20世紀初頭に出生率が大きく低下して、14例の人口予測を出したが、完全に外れている(p216)

  • 仕事に使える「考え方」を探ろうと読んでみた。ここで述べられている考え方は仕事という枠組みではなく、歴史から学べる「考え方」であった。まさに「本質」なのであるが、仕事ではそのまま使えないのではと一瞬後悔してしまった。が、「本質」なのだからビジネスに応用出来るはずであり、すべきであると反省した。
    参考となったのは下記の点。
    ① 敵(他者)を知る。→自分を知るために
    ② 考えを言葉にする。
    ③ 欧米:論理優先、日本:感性優先
      日本人である自分は論理を補完的に使用する。
    ④ 「早く見つけ、遅く行動し、粘り強く主張し、潔く譲歩する」
       タイミング重視
    ⑤ 変化の前に不変のものを考える。
    ⑥ 情報戦略:目的意識を明確に
      フランス型の総花的な大量収集よりもイギリス型のピンポイン
      トの収集で
    ⑦ 性急に分かりやすい型にはめない。
    ⑧ ばらばらの事実から真実を見つけ出すこだわりをもつ

    ビジネスどころか自分の本質的な考え方を磨く上で有用な知恵となることが分かった。

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正しい「ものの見方、考え方」というのは、できるだけいろいろな立場や視点からものごとに光を当て、曇った眼鏡や色眼鏡、歪んだレンズでものごとを見ないようにすることから始まります。そのために何が大切かというと、すでにできあがっている他人の考え方に染まらないで、いかに「自分の頭」で考えるかということです。日本が誇る国際政治学者が初めて明かした、世の中の「真実」に迫る実践的思考法!「ほんとうのこと」を正しく判断するための「ものの見方、考え方」。

本質を見抜く「考え方」の単行本(ソフトカバー)

本質を見抜く「考え方」のKindle版

本質を見抜く「考え方」の文庫

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