空想読解 なるほど、村上春樹

著者 :
  • 共同通信社
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784764106550

作品紹介・あらすじ

青いティッシュペーパーはなぜ嫌いか?青豆はなぜ生き延びたのか?あの青いあざとは何か?『ノルウェイの森』刊行時唯一のインタビュアーであり、『アンダーグラウンド』刊行を特報した著者が、ハルキの謎にせまる、愛に満ちたブックガイド。

感想・レビュー・書評

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  • 村上にとって、日本の近代社会とは効率を求めて、1つの価値観、1つの視点から人間を整列させるような社会であり、その1つの価値観に合わない人間は排除されてしまうような社会。

    目に見えるものが本当のものとは限りません。ぼくの的はぼく自身のぼくでもあります。ぼくの中に非ぼくがいます。

  • 「人は旭川で恋なんてするものかしら?」
    この台詞は村上春樹のベストセラー作品「ノルウェイの森」からきた言葉である。自分の故郷であるため思わず「ドキッ」としてしまったが、村上春樹独特の「喩え」ということを割り切ればそうでもないのだが、それを真に受ける人であればいきり立ち、「もう村上春樹なんて読まない!」と叫ぶ人もいるだろう。
    ともあれ、独特の喩えを使い、物語を紡ぐ村上春樹の世界に見入られた人は少なくない。それが数々のベストセラーを生みだし、栄誉を得続けているのは変えようのない事実である。
    その村上春樹から生み出される「旭川」や「高松」をはじめとした「喩え」の謎について、自らの「空想」と舞台まで赴いての「取材」、さらには「歴史」をもとに解き明かしている、いわゆる「ガイド本」といえる一冊である。

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著者プロフィール

著者略歴

小山鉄郎(こやま・てつろう)
1949年、群馬県生まれ。一橋大学経済学部卒。共同通信社編集委員・論説委員。村上春樹作品の解読や白川静博士の漢字学の紹介で、日本記者クラブ賞受賞。著書に『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』『白川静さんに学ぶ 漢字は怖い』(共同通信社・新潮文庫)、『白川静入門 真・狂・遊』(平凡社新書)、『村上春樹を読みつくす』(講談社現代新書)、『村上春樹を読む午後』(文藝春秋、共著)、『村上春樹の動物誌』(早稲田新書)、『大変を生きる―日本の災害と文学』『文学はおいしい。』(作品社)『あのとき、文学があった―「文学者追跡」完全版』『白川静さんに学ぶ これが日本語』(論創社)など。
2009年から白川静博士の業績を学ぶ同人会「白川静会」の事務局長を務めている。

「2021年 『白川静さんに学ぶ 漢字がわかる コロナ時代の二字熟語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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