それからはスープのことばかり考えて暮らした

著者 :
  • 暮しの手帖社
4.01
  • (324)
  • (301)
  • (276)
  • (15)
  • (3)
本棚登録 : 1958
感想 : 386
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766001303

作品紹介・あらすじ

どんなときでも同じようにおいしかった。だから、何よりレシピに忠実につくることが大切なんです。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • やっと読んだ―!
    吉田篤弘、初読み。
    ブクログでちらほらと名前を見る機会が多くて気にはなっていたけれど、やっと読めた。

    うん、分かるなぁ、評価が高いのも人気があるのも。
    このほっこりしたゆるーい感じ。
    昭和を感じさせるレトロな描写。
    なんてたって夜鳴きそばだもん。
    これ、全部計算なのかな。絶妙なゆるさがうまいなぁ。

    でもスープ美味しそう??
    ベールに包まれたまま終わってしまったような。
    なんとなく辰巳芳子さんの滋味深いスープを想像しながら読む。
    手間ひまかけたあんなイメージかな。
    具体的な事考える方がやぼってもんかな。

    スープも良いけど、安藤さんの作ったサンドイッチを食べてみたいな~。
    サーモンとアボカドをバケットで挟んで・・・、なんてサンドイッチも良いけど、最近ちょっと原点回帰。
    きゅうりとハムのサンドイッチって美味しいなぁとしみじみ感じる。
    それと挽きたてのコーヒーがあれば最高!
    って、スープの本だった(^_^;)

    • nejidonさん
      vilureefさん、こんにちは♪
      ちょっと忙しくしててブクログもご無沙汰気味でした。

      う、う、嬉しい!
      吉田篤弘さんのこの本を読...
      vilureefさん、こんにちは♪
      ちょっと忙しくしててブクログもご無沙汰気味でした。

      う、う、嬉しい!
      吉田篤弘さんのこの本を読まれたなんて!
      vilureefさんの読まれる本とは若干嗜好が違うけど、楽しめたようでますます嬉しいです。
      昭和の香りがするんですよねぇ、そこかしこに。
      そうそう、スープの話だけどサンドイッチも美味しそうで(笑)。
      心をえぐるような描写はないけど、疲れない本は、いいものです、はい。
      さて、次なる吉田作品へのチャレンジはあるのでしょうか。楽しみ楽しみ。


      2014/10/29
    • vilureefさん
      nejidonさん、こんにちは♪
      めっきり寒くなってきましたが体調はいかがですか?
      忙しいあまりご無理をされませんように。

      おお!...
      nejidonさん、こんにちは♪
      めっきり寒くなってきましたが体調はいかがですか?
      忙しいあまりご無理をされませんように。

      おお!nejidonさんも吉田篤弘さんのファンなのですね。
      お仲間さんの間でちょいちょい名前を見かけるので気になってはいたんですよ。
      とりあえず読んでみなくては始まらないと思い(笑)

      いいですねー!
      もっと難しい文章を想像していました。
      待ち合わせにコーヒーとか飲みながらのんびり読みたい感じ。
      ミステリーとかだと眉間にしわがよっちゃうけれど、これだとその心配もないし。

      また日常に疲れたら吉田作品手に取ってみたいと思います(*^_^*)
      2014/10/30
  • 心穏やかになる温かいスープを飲むような感覚。登場人物がみんな良い。心が通った人間同士が、気づけば繋がっていく。「知らんぷり」と「嘘」は何が違うんだろうなぁ。

  • いやぁいい。

    つむじ風食堂のある月舟町の隣町桜川でひょんなことからパン屋でスープをつくることに没頭することになるオーリィ君の徒然なる日常。

    ふとした描写に現れる奇をてらい過ぎない自然なことば遊びの中に、著者のらしさが潜んでいてグッとくる箇所が多々。

    いくつもの気になる顛末はあるものの、何一つとして明確は真相は語られていない。
    それなのに全く消化不良もなく、むしろほっとした後味が残る。

    何故この著者に今まで出会わなかったのだろう。
    はまりそう。

  • なんとなく懐かしい街並みに、ゆったりとした空気が流れる。サンドイッチと教会と古びた映画館、そしてスープ!
    読んでいるとどこからか美味しそうなスープの香りが…本の中から、たまらないスープの香りが漂ってきているんじゃないかと思ってしまう程、もうすっかりこの本の世界観に魅了されてしまった。特別な事件は起こらない。ごくごく普通の日常と小さな出会い、そして小さな幸福。それがたまらなく愛しく思えた一冊だった。

  • ゆったりとした時間が流れ、 温かい人たちばかりが登場し、やさしい気持ちになった。 年齢を超えた人たちとの繋がり。 仕事も、食事も、人との付き合いもシンプルでいいんだと思った。 物語りに出てくるスープとサンドイッチが衝撃的に美味しそう! おいしいスープとサンドイッチが食べたくなる

  • すきだなあ、としみじみ感じてしまう小説。

    仕事をやめて、引っ越してきた町で、美味しいサンドイッチ屋さんを知ったオーリィ君は、毎日サンドイッチを買いに行き、お気に入りの映画の上映があればそれが何回目でも映画館に行く。

    大家さんのマダムや、サンドイッチ屋の安藤さん、安藤さんの息子のリツ君、映画館でよく見かける緑色の帽子の老女、宙返りのうまい森田君など、愛すべき登場人物たちとの交流にいやされました。
    なんていうか、ほや〜ん、ってかんじ。サンドイッチはおいしそうだし、スープはもっとおいしそうだし、恋愛のエッセンスはちょうどいい分量だし、読み終わったあとはすき!と心の中でさけびました。
    オーリィ君は26歳くらいで、安藤さんは40歳前くらいかな?あおいさんはたぶん60歳くらいで、マダムはたぶん40代?

    • 円軌道の外さん

      はじめまして!
      フォローとお気に入りポチ
      ありがとうございました(^O^)

      コレ自分も何度読んだか分かんないくらい
      大好き...

      はじめまして!
      フォローとお気に入りポチ
      ありがとうございました(^O^)

      コレ自分も何度読んだか分かんないくらい
      大好きな小説です♪
      ぼ〜っと公園のベンチに座って
      ビールとサンドイッチ片手に読んでると、
      自分の周りだけ
      時間が止まったような錯覚に陥るくらい、
      なぜか心地いいんスよね(笑)♪


      皆さんの『好き』を通じて
      いろんな話ができたらと思ってるんで、
      気軽にまたコメントいただければ
      嬉しいです(^_^)

      今後ともよろしくお願いします☆


      2012/07/13
    • ミヅキさん
      こちらこそフォローありがとうございます。ちょくちょく見させてもらいます。
      サンドイッチ片手に読みたかったな〜っと思ったんですが、仕事中に読...
      こちらこそフォローありがとうございます。ちょくちょく見させてもらいます。
      サンドイッチ片手に読みたかったな〜っと思ったんですが、仕事中に読み終わったので自重して今日食べつつまだ余韻にひたっています。

      長嶋有さんの『夕子ちゃんの近道』と雰囲気似てる気がしたんですが(これもお気に入りの一冊です)、円軌道の外さんは読んだことありますか?

      またいつか、断片を忘れかけたころにゆっくり味わって読みたい一冊になりました(*´∀`*)
      2012/07/13
  • とある町に越して来た青年オーリィ君。商店街のはずれにある「トロワ」のサンドイッチに魅了され、通い詰めるうちに店主の安藤さんとその息子の小学生、リツ君と言葉を交わすようになる。オーリィ君は昔の日本映画も好きで、映画館へ足を運び同じ映画を繰り返し観る。それは彼が恋をした銀幕の女優に出会う為だった。あたたかくてささやかな日々が、やがて彼に時を越えた出会いをもたらす。

    オーリィ君や安藤さん、リツ君が暮らす町、この物語の世界では、私が生きる世界と比べて時間がゆっくりと流れているような気がした。私たちはいつも時計を気にして、時間に追われる日々を送っている。しかし物語の人々にはそんなせかせかした様子は見られず、朝日が昇り、働いて、映画を見て、日が暮れて1日が終わる、その流れを受け入れ、ゆったりとした気持ちでそれを繰り返しているような気がした。また物語自体が過去へ向かっている為に、時間の流れにブレーキがかかっているように感じた。オーリィ君が観るのは昔の映画ばかり。リツ君は幼い頃に亡くなった母親を想って十字架を見上げる。オーリィ君の下宿の大家である屋根裏のマダムは、過去に結婚していた時のお義母さんへの憧れを口にする。そのような過去への志向性が時間の感覚を鈍らせているのかもしれない。

    この物語にはサンドイッチに始まり、おいしそうな食べ物がいくつか登場する。身近で素朴な食べ物ばかりだが、どれもおいしそうに描かれていてとても魅力的だった。おいしいものを口にすると、誰でも心がほぐれて笑顔になる。ゆったりとした時間の流れとおいしい食べ物で現実世界を忘れさせ、ほっこり癒してくれる物語だった。

  • 毎日の食事を作る過程で、こんなにゆったりと時間の経過を気にせず、食べてくれる人が、ただ美味しいと言ってくれるだけの為に作れたら、どんなに質素なものでも、十分に胃と心が満たされるだろう。
    ふんわりした食パンにたっぷりの具材が挟まったサンドイッチと、最初の一口からため息が出る様な飾り気のないスープ。
    読んでいる自分もその町をぶらぶらと歩いている様な気持ちにさせる。
    トロワでサンドイッチを買い、月舟シネマで昭和初期の映画を見て、暮れなずむ商店街を帰るともなく歩いてる。
    せかせかと先を急ぐこともなく
    遠回りしながら、ほんの少しのワクワクを見つける。
    やさしい文章にゆったりと身を委ねることができる。
    挿絵も可愛らしい。あくせくと毎日を過ごす中、この本を読むだけで違った時空間へ運んでくれる。まさに癒しの本。

    • akkoさん
      私もこの本、買いました。今月、30冊くらい買っちゃったo(^-^)o
      私もこの本、買いました。今月、30冊くらい買っちゃったo(^-^)o
      2013/03/31
  • この小説に出てくるサンドイッチやスープがとてもおいしそうで、やはり温かさがおいしさの成分なのかなと思った。
    熱々のスープ、それをつくった人の思いやり、優しい気持ち…
    料理をつくるときの秘訣は「とにかくおいしい!」と心の中で想うこと。

  • カナコさんのブックリスト
    『穏やかな日常』
    というタイトルに惹かれた
    リスト内の3冊のうち読んだことのなかった1冊

    路面電車のある街にゆっくり流れる時間を感じさせる話で、読みやすく読後感も爽やか

    私は自分が生まれた時からこの土地を出たことはないけどもし他の土地で暮らすなら路面電車のある街に暮らすのもいいなと思った

    挿し絵もかわいくて話に合っていて、中に出てくる食べ物も美味しさが伝わってきた
    暮しの手帖に連載されていた話のようだけれど納得

全386件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1962年、東京生まれ。小説を執筆しつつ、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作、装丁の仕事を続けている。2001年講談社出版文化賞・ブックデザイン賞受賞。『つむじ風食堂とぼく』『雲と鉛筆』 (いずれもちくまプリマー新書)、『つむじ風食堂の夜』(ちくま文庫)、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』『モナリザの背中』(中公文庫)など著書多数。

「2022年 『物語のあるところ 月舟町ダイアローグ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉田篤弘の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×