シェルター

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制作 : Lloyd Kahn 
  • ワールドフォトプレス (2001年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766333299

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シェルターの感想・レビュー・書評

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  • どことなく懐かしい写真とぎっしり小さな活字が満載されたこの本を眺めていると、シアーズのカタログを思い出す。アメリカは広い。田舎に住んでいて、何かほしいものがあるのに近くでは手に入らない時、売ることのできる物なら、画鋲から住宅まで、何でも載っているシアーズ・ローバック社の通信販売のカタログはなくてはならないものの一つだったろう。70年代、日本のマスコミで紹介されたとき、その中に漂うアメリカン・テイストに憧れたものだった。特に道具や工具類の豊富さには、さすがセルフ・ビルドの国だとあらためて舌を巻いた。

    馬車や馬の背にわずかな荷を積んで西部を目指した開拓者達は、何から何まで自分たちで始めねばならなかった。自分たちの手で家を作ってしまう人が今でもアメリカに多いのは、そういう歴史があるからだろうか。衣食住のことを英語では、<food,clothing and shelter>と言う。シェルターと言えば核シェルターを思い出してしまうのは、こちらの核アレルギーのせいかも知れない。この本に登場するのは、カッパドキア遺跡に始まり、ドーム型住宅に至る、およそ人間が雨風やその他の危険から自分を守るために作った住居の原点のような建築ばかりである。

    世界中から集められた民家のカタログのような本の中に、バックミンスター・フラーの理論によるドーム型住宅が混じるのは、事情を知らない者には少し違和感が残る。実は、この本、1973年に出版された物をそのまま翻訳出版したものである。当時は、ヒッピー・ムーブメントの盛んな頃、ドラッグや瞑想が自由に体験できる場所を求めてコミューンと呼ばれる共同体が、人里離れた荒野に数多く作られた。耐久性の悪さから、現在ではあまり評価されないけれど、当時としては、ドーム型住宅は画期的な大型セルフ・ビルド住宅だったのである。

    著者達のグループが書いたドームに関する本は、彼らが関心を失ってからも数多くの人に読まれたという。著者は、その後次第に、土や木、石という自然の素材を活かし、その土地固有の風土性に根ざした建築に興味が移り、世界中を旅してここにある写真を撮り貯めた。また、同じ関心を共有するアーティストや建築家のインタビューや参考資料も収録した。そのため、この手の本にしては文章量も半端ではない。読者は、カタログのように興味のあるところから読むといいだろう。

    自分でも小屋の一つでも建ててみようかと思っている人に、素晴らしい助言を紹介しよう。「その場所に行って、できるだけ長くそこに座っていることだと思う。そして瞑想する。太陽が昇る様子や沈む様子を見る。風がどこを吹いているかを確かめる。できれば1年間は何も建てずに観察を続ける。春はどんな様子か、夏は、冬は、どうか確かめる。そして、自分がそれぞれの季節にどう反応するかも見る。」あせらず取り組むことだ。そうすれば、きっと小屋作りは、自分を知るいい機会となってくれることだろう。

  • 読み切れん・・・が、ふと開き、目に付いたところを読んでは、ニヤニヤする。

  • 家のいちばん最初の機能=シェルター;生存を脅かす外的要因から身・生存・種を守る機能。いちばんシンプルな「家」。
    この手の本(ヴァナキュラー建築もの)には珍しく図面がたくさん載っていて、情報量がすごく多くてしかも旅行記ぽいので読んでとても楽しい。どきどきする。旅に出たくなるね!発見した時はあまりの素晴らしさに震えました!原書はそれなりに有名みたいですね。ふお、しかしこの本初版は30年前なんだな…。いい本買った!出だしはこうですよ、

     「そうだ、だったらこういうのはどうだ。世界を創るんだ」
     「それはいったいどうやって創るんだ?」とコヨーテは尋ねた。
     「歌を歌うんだよ」フォックスは答えた。
                     ~ジェーム・ドゥ・アングロ

    (昔のブログから転載)

  • ヒッピー心をくすぐる本。眺めているだけでも楽しい。建築の原点てこんなところか。

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