再分配政策の政治経済学〈1〉日本の社会保障と医療

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著者 : 権丈善一
  • 慶應義塾大学出版会 (2005年8月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766411676

再分配政策の政治経済学〈1〉日本の社会保障と医療の感想・レビュー・書評

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  • ・経済政策の大部分の問題には利害の対立がある。…われわれはどんな制度変化が可能であるのかを推定するためには、社会群の間の分布を知らなければならない。―グンナー・ミュルダール

    ・利害得失を論ずるは易しといえども、軽重是非を明にするは甚だ難し。―福沢諭吉 文明論之概略


    1、労働補助金
    2、労働集約的産業への生産補助金
    3、労働集約的財への輸入関税
    4、労働集約的財への輸入割当
    5、労働集約的財の海外供給者による自発的輸入量制限
    1から5に移るにつれ制度の不明瞭さと経済非効率性の両方が増す。1930年代、関税は労働者に補助金を与える主要な手段であった。しかし、1950年代には数量割り当てが流行する。1970年代までには有権者はその非効率さを知るようになり、更に不明瞭な貿易相手国による自発的な数量制限、非関税障壁が用いられる。
    「有権者が洗練され、情報を持つようになると、政治家は経済の歪みの水準を引き上げるようになる」

    ・経済学は消費者需要を不可侵のものとして扱うが、消費者の欲求は宣伝や見栄を通して形成されるので、その社会では公共支出がないがしろにされる資源配分問題が生じる。―J・K・ガルブレイス

    ・現実には経済学的問題、社会学的問題、心理学的問題などというのは存在しない。存在するのは単に問題だけである。しかもこれらの問題は複雑に絡み合っている。研究において唯一意味のある分類は関係のある要因と関係の無い要因を見分ける事だけである。問題は常に政治的でもあり、さらに歴史的な観点からの考察が必要なのである。―ミュルダール

    ・2000年には人口の4人に1人が高齢者。2040年には2人に1人が高齢者(として考えなければならない)は誤り。高齢者1人あたりの生産年齢人口は1935年をピークとし、1990年前後に半減、2025年ごろはピークで1/4程度になるが、生活水準への影響はそれ程感じない。生産年齢人口は就業者の他に非労働力人口もカウントされているため、就業者1人あたり人口はほぼ2で安定している。
    そもそも生活水準を示す指標GDPは労働生産性×就業者比率で表される。1975-97年の22年間で1人あたりGDPは86%増加しているが、その内78%が労働生産性によるもの。女性や高齢者の就業率を高める(就業者比率)より、技術革新を想像したり、それを受け入れる社会、教育(労働生産性)の方が生活の質を高める。

    ・国内の市場規模が小さいと輸出に偏るため、効率的な産業に労働を集中するバイアスが働く。それは、労働者の置かれる状況を均質化するため、労働者の利害が似通い、組織化し易くなる=再配分を大きくする方向に世論が動きやすい。

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