シャルル・ドゴール:民主主義の中のリーダーシップへの苦闘

  • 57人登録
  • 3.91評価
    • (2)
    • (6)
    • (3)
    • (0)
    • (0)
  • 8レビュー
著者 : 渡邊啓貴
  • 慶應義塾大学出版会 (2013年7月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766420456

シャルル・ドゴール:民主主義の中のリーダーシップへの苦闘の感想・レビュー・書評

  • 第一次大戦での奮闘と捕虜生活、第二次大戦期の ナチスによるパリ陥落とロンドンでの亡命政府樹 立、アルジェリア独立戦争の解決と第五共和制創 設、大統領への就任、そして五月騒乱へ。本書 は、この激変する現代ヨーロッパ史をたどりなが ら、第五共和制大統領時代の「行動の自由」を求 めた自立外交、アメリカ・ソ連に対する「第三の 極」としてのヨーロッパ、というドゴール外交の 特徴と行動に焦点をあてる。そして、民主主義の 中の政治的リーダーシップという今日的課題への 答えを探っていく。

  • ド・ゴールについて一度ちゃんと知りたかったので、その概観にちょうど良かった。伝記でないことはないが、ド・ゴールを通して現代フランスの歩みを見ている感じもした。
    生き方として、自分こそがフランスだと、自分が救国の英雄になるのだという自信を持ち続ける姿勢に憧れる。自分を信じる独立不羈の精神。46年に首相を辞任したあと12年間、在野で不遇の時を過ごすが、その間も雑棒することなく祖国の為を考え続けた。
    見習うべき大政治家だ。

  • [その人、もはやフランス]第二次世界大戦中には英国から徹底的なレジスタンスを呼びかけ、戦後は大統領となり現在まで続く第五共和制を定着させるなど、現代フランスの「国父」となったシャルル・ドゴール。一筋縄ではいかないその人物の歩みとリーダーシップの在り方を、フランスの政治経済・外交・社会の軌跡と合わせて読み解いていく大著です。著者は、日仏政治学会理事長、在仏日本大使館公使などを歴任された渡邊啓貴。


    名前となんとなくの知識だけは知っていたのですが、本書を読むとそのフランス一国単位に留まらない果たした役割の巨大さと、人生のドラマ性に仰天させられました。時代と個性が組み合わさって化学反応を起こしたのではないかと思うほどの氏の道程は、フランスに興味がない方にもぜひオススメできます。 どう形容してもそこからはみ出てしまう何かがあると思いますが、まさに「フランス」の監督・演出・主演を見事に演じきった人物といっても過言ではないのではないでしょうか。


    一人の人物の歩みを中心としながら、現代フランスの詳細な入門書となっている点も見逃せません。特に権力の正当性とその安定に心を砕くドゴール大統領のビジョンは、民主主義国家が絶えず直面する問題を考察するにあたっても非常に参考になるように思います。 冷戦期の独自外交についても日本におけるステレオタイプとはまた異なる側面に光が当てられており、こちらも有意義な糧を得られることができたように思います。

    〜危機の真っただ中で、人々は救世主を求めた。――そのとき、ドゴールは真に「ドゴール」だった。なぜならドゴールの活躍と危機は常に結びついたからである。そして危機が去ったとき、ドゴールの時代も去っていたのである。〜

    労作すぎるほど労作☆5つ

  •  フランスの首都の空港や航空母艦にその名を残す不世出の英雄の伝記である。ドゴールの全貌を描いた邦書は本書以外にはないそうだ。
     フランスの存在感、独自性、戦争で占領された国とは思えないほどの堂々とした戦後の歩みは、このドゴール大統領のおかげである。戦争中は英国で亡命政府を主催した少将であったが、戦前から軍隊の機械化を主張する先見性があったという。この辺りの業績や障害者の二女に心底愛情を注いだことはあまり知られていないと思う。
     傲岸や不遜ともいえる信念や愛国心とリーダーシップは切り離せないということがよく分かる。危機で頼りになるからこその英雄である。しかも無私で高潔である。フランスが世界に誇れるフランス人らしいフランス人をこの時代にリーダーとして持ちえたのは羨ましくさえ思った。
     筆者は現代フランスを専門とする学者で、本書は多くの文献をもとに執筆したものである。現代ヨーロッパ史に興味がある人にはお勧めである。

  • ほぼ同時代のリーダーでありながら、ヒトラーやスターリンは何と苛烈な死に方をしたのか。これが、「西側」民主主義国家とそうではない体制との違いなのか。あるいは、時代がそうさせたのか。

  • ドゴールの伝記。
    彼の人となりを解説しつつ、特にドゴール外交に焦点をあてており、
    彼の生涯と果たした役割を分かりやすく理解できる。
    「フランスをいかに偉大に見せるかに腐心した」という筆者の後書きは
    的を得ているように感じられ、納得できた。

    反面、どのように第五共和制大統領として台頭したかは
    詳細に語られている一方で、
    イギリス内でどのように活動し、名をはせていったか、
    自由フランス時の活動内容についてはもう少し細かく
    描写されていてもよかったのではないかと思う。

  • 【新着図書ピックアップ!】今から50年前の1963年にフランスのドゴール大統領とドイツのアデナウアー首相がエリゼ条約に調印しました。新しい欧州の統合はここに始まったといってもいいかもしれません。この条約に至るまで両者の会談は15回も行われ、ドゴールからアデナウアーに宛てた書簡は40通にものぼったとか。
    【New Book!】French-German Treaty of 1963 established a new foundation of French-German relationship .This book is highly recommended!

全8件中 1 - 8件を表示

シャルル・ドゴール:民主主義の中のリーダーシップへの苦闘を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

シャルル・ドゴール:民主主義の中のリーダーシップへの苦闘を本棚に「積読」で登録しているひと

シャルル・ドゴール:民主主義の中のリーダーシップへの苦闘の作品紹介

ドゴールはフランスをどのように導いたのか? 
民主主義の時代におけるリーダーシップのあり方とは?
ひとりの政治家を通じて描かれる現代フランスの肖像。
 
▼第一次大戦での奮闘と捕虜生活、第二次大戦期のナチスによるパリ陥落とロンドンでの亡命政府樹立、そして復興フランスの政治家~大統領へ。両世界大戦から戦後冷戦へと続く激動のヨーロッパを舞台に、「現代フランスを築いた父」ドゴールの生涯を生き生きと描く、渾身の書き下ろし。

▼「フランスを解放に率いた軍人ドゴール」。これまで日本でひんぱんに紹介されたドゴールの姿は、しかし多面的でその長い生涯の一部にすぎない。本書では、第五共和制大統領時代の、「行動の自由を得るための外交」政策、アメリカ・ソ連に対する「第三の極」としてのヨーロッパ、という考え方と行動にもより強いスポットをあてるとともに、民主主義のなかの政治的リーダーシップのありかたを探っていく。

▼冷戦期には、米国の「核の傘」に入ることを拒みNATOを脱退、また、大戦の仇敵であったドイツのアデナウアー首相を自宅に招くなど仏独融和を演出したドゴール。アルジェリア独立承認の決断、中国とのいち早い国交樹立など、イデオロギーに囚われない徹底した現実主義と透徹した先見性。そしてその決断力と行動力をもった「政治家」の姿は、国際関係の緊張に懊悩する現在の日本人にも、時代を超えて多くの示唆を与える。

▼政治家としてのドゴールを描写する一方、障害を背負った娘を慈しみ育て、彼女の死後は基金を創設するなど慎ましく生きたその私生活まで、ドゴールの知られざる素顔へとせまる。

シャルル・ドゴール:民主主義の中のリーダーシップへの苦闘はこんな本です

ツイートする