革命と騒乱のエジプト

著者 :
  • 慶應義塾大学出版会株式会社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766421415

作品紹介・あらすじ

エジプトで、何が、起きているのか
2011年の革命、2013年の騒乱とその後を
情報通信技術とエネルギー関連技術の視角から
鮮やかに読み解く、俊英の快著。


エジプトで、何が、起きているのか。
2011年、アラブの春に湧いたエジプト。しかし、ムバーラクの後を継いだモルシー政権は2013年の騒乱であっけなく崩壊する。いったい、エジプトで何が起きているのか。
 本書は、いわゆる「アラブの春」とその後の混乱について、こうした政変が発生する背景やメカニズムを国際社会の構造変化という視点から明らかにする。
 技術は、政治を、社会を、経済を、その地域固有の文化をも変える力を持っている。時には、予測もつかない方向に、そして、予期せぬ規模での変化をもたらすこともある。本書が描くエジプト政変にも技術が深く関わっている。エジプトのケースで注目すべき技術とは、情報通信技術(ICT)とエネルギー関連技術の2つである。
 エジプトの政変は、より深いレベルでは、現在、国際社会において進行しつつある構造的変化と密接に関連している。本書は、エジプト政変のメカニズムを精緻に分析することで、今後、国際社会が直面する構造的変化とそのインパクトについての示唆をも導き出す。

感想・レビュー・書評

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  • 技術が国際社会の変化に与える影響を、エジプトの政治変動を事例として分析しながら論ずる本。その意味では本書の主題「革命と騒乱のエジプト」と副題「ソーシャルメディアとピーク・オイルの政治学」は逆であったほうが適切なイメージ。

  • メディア論に終わる事無く、ユースバルジ、人口問題、エネルギー問題にも踏み込んだ展開は昨今テレビの登場する中東専門家の下手な消化不良な論説より示唆に富む。
    エネルギーピークを迎えポストイージーオイル時代をどう生き延びていくのか若い人に読んで欲しい。

  • エジプトでもチュニジアでも政府はインたーネットが政権の存続を脅かしかねないとの懸念を共有していたし、実際にインターネットコントロールを導入し、対処しようともしてきた。
    技術そのものは勝ち中立的である。問題は手にした技術をどのように利用するかにかかっている。

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著者プロフィール

1979年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科修了。博士(人間・環境学)。静岡大学人文社会科学部社会学科教授。主著に『舞台の上の難民—チベット難民芸能集団の民族誌』(2013年、法蔵館)など。

「2024年 『そして私も音楽になった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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