芸術の言語

  • 慶應義塾大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766422245

作品紹介・あらすじ

芸術を〈記号システム〉として解読する

▼絵画、音楽、ダンス、文学、建築……芸術へのアプローチを根本的に転換した20世紀美学の最重要著作。

▼20世紀アメリカを代表する哲学者、ネルソン・グッドマンは、美学、論理学、認識論、科学哲学の分野において多大な影響を及ぼした。グッドマンの主著である本書は、1968年の刊行以来、現代美学の記念碑的著作として読みつがれている。
 ここでグッドマンは、芸術の基本的諸問題を考察することから出発し、芸術における記号の一般理論の構築へと向かう。芸術がある対象を「再現」するとはどういうことなのか。再現と表現はどうちがうのか。絵画における遠近法とは、写実性とは何か。ホンモノと完全な贋作を見ることにちがいはあるのか。楽譜とか何か。ダンスは記譜できるのか。芸術と科学の真理は異なるのか。
 本書は、芸術における記号と記号システムの研究であり、われわれの知覚と行動、さらにわれわれの世界創造とその理解において、それらがどのように機能しているかを明らかにしている。この考察は、心理学、言語学、認識論、科学哲学などの領域を横断しつつ、われわれを、絵画、音楽、ダンス、文学といったあらゆる芸術形式の深い理解へと導いてくれる。

感想・レビュー・書評

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  •  マルクス・ガブリエルがアメリカにおける「構築主義者」の代表として批判的に触れたネルソン・グッドマン、つまり構造主義-ポスト構造主義-ポストモダンの文脈に位置する哲学者の、芸術論である。初版1968年。
     芸術を「記号システム」として読み解こうとする試みで、思うに、この試みは成功していない。絵画作品において、中世ヨーロッパのイコンならともかく、近現代絵画、特に抽象画の分野ではその内容を記号論だけで読み切ることは出来ない。出来るというのなら、実際にどれか現代的な絵画作品を徹底的に読解する実例を具体的に示して欲しかった。
     音楽に関しては「記譜」という「記号システム」に延々とかかずらっているのだが、音楽のより本質的な部分には全然入っていかない。
     まあ、記号論の書として、「例示」などの記号作用を解説している部分にはそれなりに興味を持った。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784766422245

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著者プロフィール

1906~1998年。アメリカの哲学者。美学、論理学、認識論、科学哲学において多大な影響を及ぼした。画廊を経営するかたわら、ハーヴァード大学で博士号を取得。ハーヴァード大学哲学名誉教授。タフツ大学、ペンシルヴェニア大学、ブランダイス大学、ハーヴァード大学など、各地で教鞭をとる。ハーヴァード大学では、哲学、認知科学、芸術、教育を融合させることを目的とした研究機関「プロジェクト・ゼロ」を設立。おもな著書に、『事実・虚構・予言(Fact, Fiction, and Forecast)』(雨宮民雄訳、勁草書房、1987年)、『記号主義――哲学の新たな構想(Reconceptions in Philosophy and Other Arts and Sciences)』(エルギンとの共著、菅野盾樹訳、みすず書房、2001年)、『世界制作の方法(Ways of Worldmaking)』(菅野盾樹訳、ちくま学芸文庫、2008年)など。


「2017年 『芸術の言語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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