不寛容の本質 なぜ若者を理解できないのか、なぜ年長者を許せないのか (経済界新書)

著者 :
  • 経済界
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766720648

作品紹介・あらすじ

我々の社会が直面している「現実」を直視しないことには始まらない。現実を直視せず、精神力でなんとかするという態度こそ、この社会で幾度も繰り返されてきた悲劇ではなかったか。誰も語らなかった難問を注目の若手社会学者が解く!

感想・レビュー・書評

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  • 「なんかギスギスした最近の風潮」を扱った本なのですが、今こんなギスギスしてるのは昭和が失われたからだ!という方向性で幾つかのトピックで失われた昭和を解説する、という本です。
    タイトルで安易に手に取ってしまったのですが、個人的に期待していたような「なんかギスギスした最近の風潮」そのものの分析(昭和が失われた!に辿り着くまで)や、じゃあ我々はどうするべきなのか、という考察は含まれておりません。。「不寛容の本質」ってこういう内容じゃないのか。
    あと、サブタイトルにあるような「世代間の対立構造に本質がある!」という論は、そうかな?と疑問に感じました。違う世代の人とだけギスギスしてて空気が悪い、という認識は私には無いからです。

    そこまでなら☆3つくらいだったのですが、いささか読者向かいで不親切な箇所があったので☆2つとしました。
    この新書のフォーマットの問題もあると思うのですが、第2章以降は見たことのあるようなグラフや新聞記事の引用が本文を圧倒する勢いで(両方とも見開き2ページを使っていて、しかも序論くらいのトコで流れを切ってる感じ)、それホントに必要?と思ってしまって何とも。
    個別の章の繋がりもあまり感じられず、強いて言うなら最終章で昭和の終わりが…という論考があるくらいで、ちょっとそれも無理やり感を感じました。
    著者の頭の中では、これらの個別論と全体が綺麗にリンクしているんだと思うのですが、読者にはそれが伝わってこないのが残念。文章も謎に改行が多くて、1文章の中にカッコ書きで逆の意味の文章が入っている場所もあって読み辛かったです。

    でも、この著者がこのテーマでまた本を出されたらぜひ読みたいと思ってます。

  • 「不寛容の本質」というタイトルとは今ひとつ内容が合致してないものの、それぞれのトピックは興味深く読めた。データ提示が多い。

  • この国に蔓延する不寛容という態度をとらせるものがなんなのか?という話が読めると思っていたら、ほとんど制度の羅列だったな…
    "本質"というよりは不寛容について考えるための基礎知識1という感じだった

  • 日本人の不寛容さんって原因探しをスタートに話が始まる。
    不寛容さというか格差社会の構造批判に終始していた

  • IT機器の普及や長引く不況等々…。ここ10年〜20年で日本で生きていく上での前提、価値観が大きく変わってきている。

    『不寛容の本質』と掲げられた本書では昭和的な価値観と現在の価値観の根本的なズレ・・認識のズレが世代間の断絶、つまりは不寛容を呼び起こしているのだと説いている。

    年長世代と若年世代が直面する現実の認識にギャップがあり、それらは昭和の時代に形成された「昭和の面影」なのだ……ということが本書の主張である。(P.48)

    冒頭で掲げられた「なぜ社会は多数派にとって生きづらいのか?」という問は書き進めていく内に横道にズレてしまったようだ。


    混迷と分断の時代のなかで、それでも各自が日本と日本社会について、大まかな現代史の大局観にもとづき、データを踏まえて、冷静に問題解決の判断を下す手がかりとなることが本書の目的であった。(P.192)


    不寛容の本質、すなわち構造を見通し、本書で繰り返し言及してきた社会の予知可能性改善の手掛かりを提供(P.193)


    決断を下す手掛かりは確かに記されてはいる。
    しかし、書名から感じた期待は(たとえ著者の独りよがりな決めつけだとしても)何らかの結論―もちろん著者なりの―だった。


    ジェネレーション・ギャップはどの世代間にも存在するし、繰り返されてきた争いではあるが、いまいまのそれがキツいのは世代を含めた環境による分断で、トライブが分断されていることだろう。


    ネットに対する親和性の有無、収入格差。それらによって現状への認識も将来への展望も変わってくる。それらは生来の条件となってしまうので、異なる価値観へは「不寛容」にならざるをえない。

    何処にもぶつけられないその蟠りがヒステリックに表出したのが、「ニッポンスゴイ」的なナショナリズムだったり、その裏返しとしてのレイシズムだったりするのだろうか。

  • Kindle

  • 経済的格差など、さまざまな格差があるから不寛容社会になったってことらしいです。個人がそれでどうする?の視点はないので、役に立たないクソ本かなと思いました。

  • p16〜

    これ、なかなか面白そう

  • 最初の章は「おっ」と思ったものの、以降の各章は政治や教育など本質とは言い難い議論が続いており、タイトルとはちょっと違う気がしました。

  • 昭和を前提に考えていることや格差が拡大し、お互いがお互いにそのことに自分ごととして気づこうとしていない。
    ルールを壊したのは新しいルールを作るための議論が足りていない。

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著者プロフィール

西田亮介(にしだ・りょうすけ)
1983年京都生まれ。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院/環境・社会理工学院准教授。博士(政策・メディア)。
専門は公共政策の社会学。著書に『ネット選挙——解禁がもたらす日本社会の変容』(東洋経済新報社)、『無業社会——働くことができない若者たちの未来』(工藤啓との共著、朝日新書)、『情報武装する政治』(KADOKAWA)、『コロナ危機の社会学』(朝日新聞社出版)がある。

「2021年 『新プロパガンダ論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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