過食にさようなら-止まらない食欲をコントロール

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制作 : 伝田 晴美 
  • エクスナレッジ (2009年11月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784767809465

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過食にさようなら-止まらない食欲をコントロールの感想・レビュー・書評

  • 砂糖、脂肪、塩、化学調味料によってデザインされた食品を食べる。食べることによって得られる短期的な報酬により、求める欲求が強まる。習慣化する。それを「食べるまでの手順」が自動的なものになる。意識せずに食べる。または、また食べたくなる。
    こうなると、もう、自分の意志では止められない。


    p42
    「砂糖、脂肪、塩は食べるともっと欲しくなる」
    もっと欲しくなるように、食品が「デザイン」されている。
    この本で紹介される料理は、みな、おいしそうなのだ……

    ポテトスキン。じゃがいもの中身を繰り抜いて、皮の部分(スキン)をフライにする。→脂肪
    ベーコンビッツ、サワークリーム、チーズを加える。→脂肪の上の脂肪の上の脂肪の上の脂肪。大部分に塩が詰め込まれている。

    p58
    高脂肪、高糖分食品は、これらを連想させる「手がかり刺激」によって強化される。以前に食べた場所、状況、思い出……
    その食品を目にしただけで刺激され(過去に食べたことがあれば、それが報酬を与えるとわかっているから)、手を伸ばして、これを食べると報酬を味わうことになり。さらに、視覚的な手がかり刺激が強化される。

    動物が、アヘンやアンフェタミン、モルヒネなどの薬物を与えられた環境を好むよう條件づけられる。
    食べものでも「条件付け場所嗜好性」が引き起こせて、今迄そんなに気に入っていなかった場所で、高糖分、高脂肪のものを食べさせることで、そちらを気に入るように出来る。

    これって、人間にも当てはめられるんだろうな。確か吉本隆明が、「家庭の主婦はその料理の味においてのみ、家族に記憶される」ようなことを書いていたけれども、そういうことだ。
    おふくろの味で、旦那を家に帰ってこさせるということだろう。


    p65

     …略…感覚の中でただ一つ、味覚だけが快楽に反応する脳の細胞に直接配線されている。味覚が最も強い感情的反応を引き起こすのである。
    …略…
     嗜好性の高い食べ物の味やその他の特性によって刺激される脳のニューロンは、身体の主要な快楽神経系であるオピオイド神経回路の一部である。エンドルフィン等の「オピオイド」[訳注:正式にはオピオイド・ペプチドと言う]は、脳内で生成される化学物質で、モルヒネやヘロインのような薬剤に似た報酬効果がある。食べ物によりオピオイド神経回路が刺激されると、食欲が高まる。


    p87

    「ほんとうにすごく好きな食べ物で、しかも何らかの理由でなかなか手に入らなければ、欲求が募る」と、モネル化学感覚研究所の生理心理学者マーシー・ペルチャットは言う。「快楽の記憶が欲求につながるのだ」


    p126
    カラメル化――澱粉、砂糖、タンパク質の褐色化――が、重要な要因。カラメル化により、甘く香ばしい風味が強まり、「より強いインパクト、より強い揮発性の香り」を持つ。甘い食品で、たいてい、いちばんの魅力になる。
    脂肪は、食品にこし、歯ごたえ、なめらかさ、対照的な食感を与える。

    p138

     商品の人気の秘訣を説明するのに、たった一つの要素を取り出しても意味がない。砂糖、脂肪、塩が単独ではなく適切な割合で含まれること、たった一つの風味ではなく多くの風味が含まれること、たった一つの感覚刺激ではなく、さまざまな効果が必要なのだ。


    p140
    砂糖、脂肪、塩が他の風味に隠されて気づかないこともある。
    パンはたいていかなりの塩分を含んでいる。塩を入れると小麦粉の苦味が消え、風味が増すからだ。



    p141
    連邦規制では、食品の主成分に砂糖が含まれている場合は成分表に記載することが義務付けられているが、異なった種類の砂糖が含まれる場合は、個別に記載できる→成分表のずっと下の方に並ぶ。→一見、... 続きを読む

  • ポテトチップスなど、何故手を伸ばしたが最後、食べることを止められないのか!その原因が分かる1冊。

    また、様々な食品業界からの具体的な食品開発例やエピソードだけでなく、脳科学分野からもアプローチしており、食欲について食業界の問題も含めて多角的に知る事ができる。

    過食気味の人もそうでない人にも、是非一読をお薦めしたい。

  • ちょっと難解
    専門用語が多い

    初心者やこれからちょっと勉強したい、知りたい、知識を少し…て人には向かないと思う

  • 1980年代から米国人の体重が増え続けている。
    食べ物が手に入りやすくなったからとはいえ、食べる必要は
    ないのに、何が人々を過食に駆り立てるのか?

    食べる量をコントロールできないのは、意思の力の欠如の問題ではなく、
    食品産業の販売戦略が仕掛けた罠であると、FDA長官で医学博士でも
    ある著者は説く。

    体重変動を制限する人間の体内の動きであるホメオスタシス機構が、
    近年、報酬系によって機能しなくなってきた。

    報酬系とは食べることによって得られる快楽が、摂食の動機となる
    嗜好性の高い食べ物のことで、通常は砂糖・脂肪・塩を組み合わせた食品。
    砂糖と脂肪と塩を組み合わせた食品には、一口食べると空腹でなくても、
    満腹になっても食べ続ける、また食べたいと思わせる強化作用がある。

    通常、人は意識的に報酬を目標として摂食するが、強化作用によって
    無意識のうちに目的がなくても、摂食が習慣化される。
    (例) 帰宅したらアイスを食べたいと思う。(以前、アイスによって満足が
    得られたという手がかり刺激から)
          ↓
    一日中そのことばかり考えるようになる。
          ↓
    帰宅してから実際にアイスを食べて、満足を感じる。
          ↓
    強化作用で、何度も一連の行為を繰り返すようになる。
    = アイスを食べるのが習慣化する。
          ↓
    飽きる = 期待する報酬と実際に得られる報酬にギャップを感じる。
          ↓
    さらに目新しい物、濃い味付け、多い量を求めるようになる。 
    ますます食べ物のことを考える。食べる。飽きる。考える。。。
          ↓
    脳が一連の行為を”習慣”として植えつけるため、自覚も反省もなくして、
    「手がかり刺激→衝動→報酬→習慣」 という摂食(過食ではない)の
    サイクルが強化作用によって繰り返される。

    しかし、健全な人は、強化作用により引き起こされたサイクルを
    自己抑制力で断つことができる。
    一方、感覚刺激に敏感な人は、気分の変化と報酬経験の関連が強く、
    自己抑制が効かなくなり、”過食”を引き起こすというわけだ。

    そして、後半は過食を如何に治療するかについて述べられている。

    また、著者は、この強化作用を利用して、化学調味料を駆使し、我々の
    身体を変えてしまう食品を販売する食品業者のあり方に警鐘を鳴らす。

    この本を読んで、自分もこの疾患を直せるかもしれないと希望が持てた。
    食べることの意味を人々が考え直す必要があるように感じる。 

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