へんな生きもの へんな生きざま

著者 :
  • エクスナレッジ
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784767820354

作品紹介・あらすじ

笑えて泣けて絶句する。生きるのに必死すぎて、こんなにも変てこになった生き物たちの、おかしくも切ない113の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 生物は食う寝る遊ぶじゃ生きていけない、狩って捕って喰らうのだ。
    そのためには、別のものに擬態したり、大きな口を開けたり、罠を仕掛けたり、求愛のためにド派手な色を纏ったり…
    そんな様々な生き物となぜそのように進化したかの写真集。
    印象的なものをメモ。

    ❐サーカスティック・フリンジヘッド
    縄張りを守るために、顔より口を大きくする魚。
    かなりインパクトのある写真…

    ❐カツオノエボシ(鰹の烏帽子)
    波間にぷかぷか浮かぶ青いビニール袋…としか見えないが、浮遊型電気クラゲである。
    遊泳能力を持たないため波任せで触ると強烈な電気を流すまるで魚雷。
    この生物は多数の個虫が結合し、体のそれぞれの期間を担う群体生物なんだそうだ。…すみません、私には理解できない…

    ❐ウマノオバチ
    身体の十倍くらいある尻尾をもつ蜂。木の奥に済むカミキリムシの幼虫に卵を産み付けるための進化だそうだ。
    身を守るため木の奥へ奥へと進むカミキリムシ、それを追ううちに尻尾を果てしなく伸ばす進化を遂げたウマノオバチ…進化の追いかけっこだ。

    ❐クッキー・カッター・シャーク
    うわあ、食べられる。
    口を開けてまさに餌に噛み付かんとするサメを下から撮った写真。
    こちらのサメ本でも生態が紹介されていた。
    「動物の体の一部を噛み切る」であり、「噛み殺す」わけではありません。
    https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4062205181

    ❐メリベウミウシ
    透明なラッパみたいなクラゲみたいなやつ…だと思ったらウミウシ?ラッパの口でプランクトンを濾しとるらしいんだが、自身も体が脆くて網とかに引っかかるとバラバラになってしまう虚弱狩人。

    ❐ハエトリナミシャク
    ページをめくったら伸びたシャクトリムシが餌を捕食した瞬間!…というかなりインパクト。

    ❐オオグチボヤ
    く、喰われる…
    ほぼ透明で管と口しかないホヤ

    ❐グラスフロッグ
    内臓も透けて見える透明なカエルが枝につかまっている、長い脚をクロスして。
    なんかこんな形のアクセサリーありそうな気がする。

    ❐ヒメアルマジロ
    哺乳類ならそんなに不気味じゃないかと思ったんだが、濡れたネズミがシャコをかぶったようなこのアルマジロはかなり不気味だ。

    ❐スズメガの幼虫
    擬態で大きな目玉模様を背負う幼虫。
    うわあ、目が合ってしまった!

    ❐カマキリ各種
    カマキリとは造形的に実に「空想怪物」のようだとつくづく思った。
     ヨウカイカマキリは枯れ木のようで佇む姿は世紀末的。
     紫の花にカモフラージュするハナカマキリは恐ろしくも美しい。
     ニセハナマオウカマキリ(偽花魔王蟷螂)はSFの最強悪役エイリアンのよう。
     アフリカメダマカマキリは羽に目玉模様を持って捕食者から身を守る。
     枯葉そっくりに擬態するカレハカマキリ。

    ❐肋骨と皮膚を進化させ、グライダーのように滑空する爬虫類たち
     トカゲが跳んだ!ヤモリもニッコリ笑顔(と見える写真)で跳んだ!淡々とカエルも跳んだ!
     ヘビも跳んで追いかけてきた!ヘビは肋骨を広げて浮力を生み出し飛行もコントロールできるのだそうだ。
     それならばとイカも集団で飛んでいる。
    もう何が何だかわからない。

    ❐ミズカキヤモリ
    カメラ目線で舌なめずりするヤモリ。
    顔についた水滴を舐めとっているんだそうです。

    ❐昼と夜のゴ…
    ページをめくっていたら、うっかり「ゴ」の付く昆虫を見てしまった…

    ❐ニュウドウカジカ
    …えーーーっと…生物なのかなんなのかよくわからない海坊主がぐんにゃり溶けてしまったみたいなものがこっちを向いています…。

    ❐クマムシ
    クマムシのドアップ。灰色で硬質で無機質な造形。
    体がムズムズ痒くなってきた。

    ❐派手な色の虫たち
    枯葉や花に擬態する虫もいれば、とにかく派手な色を纏う虫もいる。とにかく派手。カラフル。進化的に何の意味があるのだろう。

  • 写真集
    変な生き物は 実物(写真)を見たいと思っていた人は多いはず

    さらに贅沢には できれば動くところが見たい

  • いやー面白い。写真が美麗で、文章も軽妙。次のページをめくらせる引きも持つ。観ていて読んでいて実に楽しい。グロテスク好きな小さな子供なら1日中眺めてるんじゃないだろうか。同様のテーマの本をいくつも出している著者だが、判型の大きさも含めて、集大成と言えるのではないか。

  • 写真が美しい。
    虫から海の生物まで幅広く、最初から最後まで楽しめた。
    コメントも好きなタイプ。

    一番びっくりしたのはクマムシ。何だこりゃー。

    もっとこういう本を出してほしい。

  • まず表紙がハダカデバネズミ。
    見ていて
    途中ちょいちょい
    吹き出しました。

    写真は、こんなに
    ベストショットばかり
    よく撮れたなー。
    生きものが好きなんだろな
    と、素直に好感が持てました。

  • 「こんな生きもの本当にいるの?」と言いながら、まじまじと何度も見てしまう。
    綺麗、かわいい、奇妙な、気持ち悪い、絶対出会いたくないっ!
    そして、写真と対峙したままこちらは固まるしかないような生きものもいる。まさに自然界の驚異。
    そんな生きものたちに添えられた文章は軽妙で楽しい。学校にも置いて、子ども達の驚く顔を見てみたい。

  • どの生き物も、とても興味深い。そして早川さんの絶妙なコメントと美しい写真。贅沢。
    ある日、ポストやコンビニに食べられてしまう生活を想像するだけでも、擬態して襲ってくる天敵がいない幸運を感謝する気持ちになる。

    地球上で暮らす生き物で人間だけが自分勝手だと昔からよく言われているけど、他の生き物だって種族によっては自分勝手に殺しあったりもするのだ。ただし、人間は過去や周囲から学ぶことができるのだから、見苦しい生きざまは控えようと肝に銘じた。

  • 敵の目をくらませるために時差式の閃光弾を射出するエビのような深海生物や、敵に襲われると目から血を噴出して撃退するトカゲ、さらには空飛ぶカエルや空飛ぶヘビなど、ヘンな生き物を集めた写真集。大型版で、写真も美しく迫力があって見応えあり。ユーモア溢れる解説も面白い。それにしても、進化ってすごいな。葉っぱに擬態して風が吹いたら体を揺らすって、芸が細かい。もし、洗濯物なんかに擬態して人間を襲う生物がいたらと想像すると恐い…。

  • 写真の美しさ。

    と、文章のウィット・パターンの豊富さ・要約力の素晴らしさよ。

  • 宮部ブックガイドから。これは楽しい。やっぱりイラストよりカラー写真で見た方が、それぞれの変さも際立つ。先行書も楽しませてもらったけど、こっちはもっと面白い。

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著者プロフィール

1965年東京生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。ブックデザイナーをして
いたが、2004年、実在の生き物だが奇想天外ないきものを集めた『へんないきもの』(バジリ
コ)がベストセラーに。『またまたへんないきもの』『取るに足らない事件』(バジリコ)、『カッコ
いいほとけ』(幻冬舎)などがある。

「2013年 『ウツ妻さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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