- Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
- / ISBN・EAN: 9784767822372
作品紹介・あらすじ
くねくねした階段、絶妙な色合いのタイル、ゴージャスな照明、繊細な絵柄のステンドグラス、絵画のような天井…戦前の美しいたてもの50件の魅力、再発見!見てたのしむ、読んで知る、今までにない、たてものガイド。
感想・レビュー・書評
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ぱらぱらめくると、素敵とみえる古い洋風建築。しかしなぜか違和感。なぜ日本は従来の日本家屋の様式を捨て、このような西洋かぶれとも思える建築を作ったのか。自分なりに考えると、家の中で素足や足袋で生活する様式ではなく、靴で生活する必要があって、こういう建築物をたてたのかなあ、と漠然と考えた。
冒頭の解説を読んで、やっとわかった。著者の倉方俊輔氏は建築史の研究家。この本で紹介するのは、幕末の開国(1854年)から第二次世界大戦終了(1945年)に建てられた洋風建築とした、とある。
そして、たとえば「旧岩崎家住宅洋館」(1896) これは行ったことがあり、豪華な住まいにうっとりするが、この住宅は、今の住まいとは異なり「洋館らしい」と感じる一体感がある。それは、意識的に洋館らしくデザインしたから。最近になってレトロに感じだしたのではなく、建った当時から「レトロ建築」。
なぜならこれが完成した19世紀末より前の時代のスタイルを手本にしているから。過去をお手本に、一体感のある「らしさ」をまとったものが、立派な建築。これが日本が開国した頃の先進国、ヨーロッパの常識だった。アメリカでも植民地でも同じだった。日本でも西洋と対等に話ができるように、自分たちでそんな建築が建てられるようになろう、そう固く決意したのが近代という時代なのだ、とある。
なるほど、背伸びした建築、ってことか? しかし「鳩山会館」「庭園美術館」「岩崎邸」など、邸内をめぐれば、豪華さにすごいなあ、となる。この背伸び感、が酔いしれる要素を持っている、ということか。教会はもともと洋風だ、という意識があるが、「東京国立博物館」は個人的にはなにかミスマッチ感を感じてしまう。
表紙は「東京国立博物館表慶館」
2016.11.10初版第1刷 図書館詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
重厚な建築だけではなく、懐かしさを含んだ建物の写真もありました。
空間を贅沢に使った様子がよく分かりました。 -
レトロなステンドグラスが美しい。
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かーるく読めるはずのYA小説が
皮肉が多くてしんどくなったので
美しい建築写真…歴史と光と影(^^)
今度行こう!っていうような感じではなく
ひたすら眺めて堪能しています
かえってリラックスしてるかも
プロローグのレトロ建築の定義がすごく好き
感覚的な感じもするスタイルという分類方法(^^)
東京はおっかなびっくりで訪問してる
緊張するけどやっぱり行ってみたい
聖徳記念絵画館!
そこにあった何かを感じて
ノスタルジーに浸りたい -
図書館にて。
写真が多くイメージがわきやすくてよい。色々とインスピレーションが得られたものがあった。 -
西洋にあこがれた
日本の精神
和をもって -
ステンドグラスの確固たる美しさ、個性が如実に表れるタイル、考え抜かれた曲線づかいが織り成す建物の風格…眼福なひとときをありがとうございました!と言いたくなる一冊です。
洋館や洋風建築も良いけれど、今回一番惹かれたのは学生下宿日本館。
こんな贅沢な空間がまだ下宿屋さんとして存在していることに驚きました。自分が若い男子ならここに一度は住んでみたかった… -
宗教、邸宅など洋風建築案内東京版の集大成。写真が多いのもよいですね。
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東京にもまだまだ素敵な建物が…
ぜひともカメラに収めたい!
特に階段 -
東京都内に現存する歴史のあるレトロ建築を紹介した一冊だ。
類似本はたくさんあるけれど、写真がとても美しくて、読んでいて楽しい。
ほとんどが行ったことのある場所だったけれど、そういう場所でも、細部に注目した写真とキャプションを読んでいると再訪したくなる魅力がある。