知的・発達障害児者の人権―差別・虐待・人権侵害事件の裁判から

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著者 : 児玉勇二
  • 現代書館 (2014年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784768435342

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知的・発達障害児者の人権―差別・虐待・人権侵害事件の裁判からの感想・レビュー・書評

  • 発達障害児の親で、弁護士で、そういった子供たちの権利を守るための活動をいろいろやっているらしい著者ということでとても期待していたのだが、ちょっと残念だった。
    ご子息の養育で、相当に苦労し悩み、親としてできる限りの努力をしてこられたことは間違いないのであるが、発達障害であることを問題視して、克服すること・できるようになることを是とする、定型発達者からの視点にしか立っていないように見えるのが、とても気になった。
    それはちょっと違うのではないか。

    問題なのは、知的障害にしろ発達障害にしろそういう障害を受け入れ難くしている社会なのであって、克服すべきは社会の意識の方。子供たちは社会が変わっていくまでは、ちょっとした理解をしてもらいながら、その子らしく過ごしていけるよう、工夫して配慮しながら生きていくべきものではないのか。
    向いている方向がずれている気がしてならない。

    2章以降は、自分が実際に携わった案件を具体的に裁判の論点、進行具合などを挙げながら紹介しつつ持論を展開しており、本当の意味での、社会の中での障害者の立場、権利、受け止め方などがよくわかるものとなっていて、障害者にかかわる問題点を考えるうえで非常に参考になる。
    ただ、感情に任せたような、ややもすると思考的な偏りすら感じられる語り口が随所に見え隠れするのがどうにも気になり、星は3つに。

  • この4月から「障害者差別解消法」が施行されたということで、知らずに手に取ったのですがタイムリーでした。

    第1章において著者ご自身の知的発達障害児との関わりと経験を書かれておりますが、読みながら違和感ばかりでした。平たく言うと知的発達障害に対する認識が古い、ということでした。
    著者経歴を見ると本書発刊時は70歳を越えられております。著者ご自身の、自閉症をはじめとする知的発達障害者との関わりの歴史を考えたら、当時はそのような認識かつ対応だったのだろうと推察いたしました。
    親御さんとしてお子さんに精一杯対応・養育をされたのだということは伝わりました。

    第2章以降は具体的な人権侵害事件の事例を詳しく解説しており、弁護士としての著者の活動や事件に対する当時の社会の障害者に対する受け止め方など知ることが出来ました。

    「権利の福祉」ではなく「与えられた福祉」であることから人権侵害を受けても保護者が訴えることが出来ない状況であるとか、自閉症者が仕事を行ううえでは健常者以上(ジョブコーチを付けるなど)の配慮が必要というような当事者(障害者本人だけでなく保護者も含む)ならではのたくさんの視点や指摘がありました。しかし全体的には著者独自の意見や見解が多い、という印象もあります。若干客観性を欠いていると思われる記述もありました。

    それでもこのように知的発達障害者の側に立ち、その権利を守るべく闘ってきた方々がおられたことで「障害者差別解消法」などの法整備も整ってきたのでしょう。
    まだまだ未整備のものや、おかしな制度もたくさんありますが、今後はもっと改善されてゆくことを願います。

  • 第1章以外は、障害児者の人権に関する裁判の記録とその分析であり、客観的で冷静で学術的である。第1章だけがなぜか情緒的であまり科学的でない記載になっているのが残念、ではあるけれど、障害児者の人権のこれまでそしてこれからを考える上では有意義な資料である。

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