じぶんだけのいろ―いろいろさがしたカメレオンのはなし

  • 好学社
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784769020080

作品紹介・あらすじ

自分の色がないことに悩むカメレオン、ある日もう一匹のカメレオンに出会って、すばらしい答えを見つけます。

感想・レビュー・書評

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  • 小1の教科書に、オススメ図書として載っていた1冊です。
    新小2になった娘と読もうと、図書館で借りました。 

    やさしくわかりやすい文なのに、言っていることが深くて、まるで哲学の絵本のようでした。

    まわりの環境によって色が変わってしまうカメレオン。
    自分だけの色をもてないと嘆きます。

    しかしわたしは、本体はちゃんとカメレオンのままなのに、しなやかにまわりの色も取り入れられるカメレオンは、すごいなと思いました。

    もちろん、自分だけの色を持つこともいいことです。
    しかし自分のカラーを持ちすぎて、まわりと噛み合わなすぎることで生まれる生きづらさもあります。
    かといって、まわりに合わせすぎてばかりでも、自分を封じすぎてのしんどさが溜まってしまいます。

    だからカメレオンみたいに、自分のまま、バランスよくまわりにも溶けこめる力は、それはそれでスゴい才能だと思うのです。

    このカメレオンのように、そうした生き方を理解してくれる仲間がいることも、心強いことです。
    カメレオンはカメレオンという自分の特性をもったまま、それを活かして生きていけたら、しあわせは訪れるのだと思いました。

  •  この絵本もいいなぁ。いつも周りの色に染まってしまうカメレオン。
    カメレオンはなぜ自分の色がもてないのだろう?と悩んでしまう。
     あるとき違うカメレオンに出会って、二人で暮らし始めた。
    二人はいつも色が変わるけど一緒なんだといって、仲良く暮らすのであった。
    変わることが、カメレオンなんだと二人で理解する。自分の色がないことが自分なんだ。
    このはなしは違いを見つけるのではなく、同じ事を見つけるという大切さを教えてくれる。
    うまいなぁ。レオレオニ。

  • 息子の小学校での、読み聞かせの一冊に選びました。
    わたし自身、すごく好きな絵本です。

    いく通りもの解釈ができる分、6〜7歳の子どもたちには少し難しいかな?とも思いましたが、むしろそれが魅力かなとも思います。
    大人になったとき、一人ひとりの心の片隅に残るような、余韻が続く絵本である気がします。

    絵や彩色がとても美しいので、視覚的な楽しみも相当大きい。

  • 仲間を見つけて幸せになったカメレオン。

    同じじゃなくても見つけられる幸せもあると思うけれど、理解し合える仲間は、いるといいかな。

  • 「スイミー」の作家さんの絵本です。
    可愛い絵 そして ほんわか色のカメレオン。

    どうして自分だけの色を持てないのだろうと
    一人で悩んでたけど
    賢い年上のカメレオンに出会って・・・・・

    短いお話ですが
    じーんとくる絵本です。

  • 妊娠中に買った、読み聞かせ用の絵本。
    私自身、小さい頃からレオ・レオニが大好きで、娘用に少しずつ揃えるつもりでいます。
    娘が産まれて初めて触れた絵本もコレ。
    今でもカメレオンを指さしてうれしそうにしています。

  • 「ぼくらはどうしてもじぶんのいろをもてないんだろうか?」

    行く先々で体の色が変わってしまうため、自分が何者かわからないカメレオン…
    固有の色を持つ他の動物たちが羨ましくて、自分だけの色を探し続けるカメレオンですが、ある日同じように体の色が変わるもう1匹のカメレオンと出会います。

    悩み続けたカメレオンですが、最後には仲間といる喜びを見つけたのでしょう。
    幸せに物語は終わります。

    短いストーリーの中で色々と感じるものがある、素晴らしい絵本です。

  • とにかくかわいい。

    ぼくらはどうしてもじぶんのいろをもてないんだろうか?
    でも、ぼくらいっしょにいてみないか?

  • 大人子供関係なく楽しめる絵本。

  • 私は、誰?

    私らしさって、何?

    「なんて自分はつまらない人間なんだろう。
    こんな自分を愛してくれる人なんているはずがない。」

    ふと、そうんな風に思ってしまう。

    そのままの自分でいいこと。
    寄り添う人がいれば、
    人生はもっと素敵な色に変わることを
    教えてくれる一冊。

  • カメレオンにもカメレオンなりの悩みがある。
    変化のなかで自分を見失う不安感、焦燥感が淡々と伝わってくるものの、最後はしっかり着地できるストーリ展開に安心感を覚えます。

  • 個性とは見た目じゃない。
    ・・なんてことを考えました。


    自分の色を持てないことを悲しむカメレオンが、あるとき、年上の賢いカメレオンに訊きました。

    「ぼくらは どうしても じぶんの いろを もてないんだろうか?」

    「ざんねんながらね、」

    でも、賢いカメレオンは続けて、
    「でも、ぼくら いっしょに いて みないか?」
    と提案します。

    一緒にみどりになり、きいろになり、あかにしろのみずたまもようになり・・

    二匹のカメレオンは、自分だけの色がなくても幸せそうです。

    共有することの喜び、とか?・・なんだろう。

  • 自分の生き方、自分の考え方、自分の個性。
    そういうことについて考えて、悩んだ経験がある人は多いと思う。
    「人と同じことはしたくない」「誰かと同じような生き方なんて嫌だ」
    そういうことを思ったことがある人もいると思う。

    私も自分の生き方については現在進行形で悩むというか、葛藤を続けているけれど、それでも上記のようなことは、今は考えていない。昔はちょっとあったと思うけれど。笑
    極端に言えば私は「本当の自分」なんて存在しないと思ってる。
    無意識にいろんな物事や人から影響を受けて、知らず知らずにいろんな色に染まりながら、自分というものが出来上がっていると思うから。

    環境や五感で感じたものから影響を受けて出来上がっていく「自分」
    それがきっと「じぶんだけのいろ」(個性)で、いろんな色に染まりながら歩いてきたことを認めるのは、とても価値のあることだと思う。
    そういうことを感じさせてくれた絵本。
    小さいころに読んだときは、単純に「きれいな色のカメレオン」くらいにしか思ってなかったと思うけど。笑
    (そしてそれも感じ方としては間違いではない)

  • パンダはなぜ白黒なのか?国語の教科書に載っていたから調べて欲しいと小学3年生の子からのリクエスト。答えはネットですぐわかりましたが(^^;;、それに見合う資料が学校図書館にはなく、とりあえずパンダの分断色?に似た、カメレオンの保護色についての絵本を選び、ヒントに使ってみました。自分のカラーはなくとも、自分と同じ価値観を持つパートナーに出逢えて、カメレオンは幸せだな。

  • 次男の通う幼稚園の斡旋で購入した絵本。

    レオ・レオニさんの絵本です。
    正直、本の深い内容を子どもが分かるとは思いませんが、
    いつかこの本の内容を自分自身でわかってくれる時が
    くればいいなぁと思います。
    ちょっとせつないような気持ちになる絵本ですが
    私は好きです♪

  • いつ読んでも良い本。
    結局、「じぶんだけ」の色ではないけれど。それでいいと、それがいいと思える色があるなら、それで。

  • Bunkamuraの「レオ・レオニ 絵本のしごと」展内の絵本ブースで、色彩がきれいだったのでよんだ

    何色にもなれるカメレオンが、自分の色を探すおはなし
    何色にもなれるということは、何色にもなれない(自分の固有の色を持たない)ということなんて、考えたことがなかった
    個性は変わるものだし、変化を厭わないのは、私は良いことだと思う
    でもそう思うのは、変わらない部分があると思うからかも知れない、とも思う
    何にしても、カメレオンが、色を合わせることで、自分の色を持てて良かった

  • クルクルと変わる体の色をさみしいと思うカメレオンの話。
    カメレオンは周りの色と同化するから、みんなと同じになれない。

    変化して安定しない、固有の色がない、これが自分だと説明できるものがない。
    そういうのはたまにしんどい。
    でもそれが自分だけじゃないってわかると、それだけで安心できる。

    方向は逆だけど、true colorsみたいだなと思った。
    こういう話は恋愛至上主義に陥りがちだから、この本の二匹が異性カップルじゃなくて良かった。
    ロマンチックラブイデオロギーで片付けちゃったらテーマが台無しになる。

    絵の邪魔をしない訳と、鮮やかかつ透明感のある絵が素敵。

  • カメレオンはその景色にあわせて変わる様から、自分の色が欲しいと思う。このパターンの絵本を他にもよんだ気がするけど、レオニの美しい画面で語られる絵本にはかなわない。技法は紙版画かな?滲んだ色彩が綺麗。

    揺るぎない自分色がみつからなくても、それも自分らしさ。そしてそれを受け入れてくれる共感する相手がいれば充分幸せだよね。
    こういうラストはほんわかするんだけど、その相手がいない時はさみしさが増すのが幸せな絵本の切ないところ。

  • 古書。どこに住んでも故郷の方言がとれない人と、場所によってコロコロ言葉が変わってしまう人といて、私は後者としての諦めと開き直りをカメレオンに投影する。

  • カメレオンは、いろんな色に変わってしまいます。
    自分の本当の色は何色なんだろう…。
    探し続けるカメレオンでしたが、やはり自分の色がわかりません。
    そんなおり、長老のカメレオンと出会い、
    自分の色は何色かわからなくても、自分は自分だと教わり、
    ふたりで仲良く色が変わるのを楽しむのです。

    比較的短い文章で、色合いもはっきりしていて
    よみきかせにはなかなかいいと思います。

  • 3歳11ヶ月初読。
    色を楽しむ。
    大人の視点では自分のアイデンティティや、他者と一緒に行動をともにすることで、どんな色でも大丈夫という自己肯定感を育む過程も描かれているように感じました。

  • 読了

  • 中:自分がないなんて思う必要ないんじゃない?合わせることだって才能

  • 登録番号:0142066、請求記号:E/し

  • 2023年3月、6年生への読み聞かせ。小学校の体育館にて。
    読み手3人。めくり手2人。音響1人。
    お話のはじまりは男性の声で。2人のカメレオンのセリフを女性2人で。そして、クライマックスを女性2人の掛け合いで。エンディング、(めでたし めでたし)を女性2人のユニゾンで、幕をとじました。実は、これが大成功。クライマックスを女性2人で担当したことで、物語が華やかになり、カメレオンに春が訪れました。舞台袖で聞いていた私も心の中で、ガッツポーズしました。よかったね、カメレオン。

  • レオ・レオニの可愛い作品。このカメレオンにも名前をつけてあげてほしいな

  • にじいろにもなってほしかったなぁ… と言っていました。

  • 行く先々で自分の色が変わる、カメレオンが自分だけの同じ色を欲しがる話。

    それぞれの動物には色が決まってるのに、自分は決まってないということを不満に思うところが面白かったです。
    何色にもなれてすごい!ではないんだな、と。

    そして葉っぱにいれば色が変わらない、と気付いて喜び勇んで葉っぱに乗るけど、葉っぱが紅葉してしまうとは。
    常緑樹だったら良かったのにね。

    がっかりしているカメレオンだけど、別のカメレオンと一緒に暮らすことで、2人は同じ色でいられるという安心感を見つける。
    多様性を謳うけど、やっぱり1人だけってのは寂しい気がします。
    誰かと同じことで安心する部分もあると思います。

  • 自分の色をもたないカメレオンの自分探しのストーリー。でも、自分探しも大事だけど、お互いに分かりあえる友だちや伴侶と出逢うこと、そうして一緒にときを過ごすことも大事。そんなメッセージを感じました。

    表紙の虹色のカメレオンの絵がきれいです。英語のボードブック版を買ったら、表紙のカメレオンの周りには緑の葉っぱが描かれていましたが、日本語版ではこの葉っぱが省略されていますね。英語でもハードカバー版は葉っぱがないみたい。なぜだろう? 葉っぱはストーリー的にも重要だと思うのですが。

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著者プロフィール

1910年オランダのアムステルダム生まれ。イラストレーター、グラフィックデザイナー、絵本作家。アメリカでもっとも活躍した芸術家のひとり。作品には「あおくんときいろちゃん」「スイミー」など多数。

「2017年 『レオ・レオニ壁掛けカレンダ-』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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