- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784769610434
感想・レビュー・書評
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94 「おもしろ自虐ネタ」は心理学で言うところの「自己開示」の一種。引きこもりの若者たちはおしなべて自己開示をしたがらない。彼らの中にある「自分をさらけだしても、誰も理解してくれないのではないか?」という恐怖心が、自己開示をためらわせているかのよう。
116 相手の目をまっすぐ見て、大きく相づちを打つだけでも、相手に与える印象がずいぶん変わるはずです。
128 人間嫌いを治す簡単な方法は一つ。相手の長所を見つけることだ。
151 ねちねちタイプ 自分が避雷針になり、雷(ネガティヴ発言)をさーっと地面に流す。
会話がネガティヴな方向に盛り上がるのを防ぐにはおうむ返しが有効。
ネガティヴ発言から「考え」や「世界観」を見つけ出す。 -
請求記号:361.4/Y24
共同図書 -
一時期流行った「会話術」を扱った書籍もすっかり下火・・・と思っていたら、本書は今年に刊行されたもの。まだまだこの手の本が過去の遺物となっているわけではないようです。
ところで、なぜ一時期ほどの流行が見られないのかを考えてみると、「人をタイプに分類する」ということへの反発もあるんじゃないかと思うわけですよ。例えば、以前レビューしたジョイ石井さんの『相手の心の中がわかる会話術』なんかも本書と同じ文法によって成り立っているわけですが、要するに「こういう人に対しては、こう会話をしなさい」という類。以前ほど「血液型性格診断」が素直に信じられなくなってきた昨今、やはり人をいくつかのタイプに分類するというのは主流になりえなくなったのか。とはいえ、そこには当然、山口さんも気づいていらっしゃる。あとがきには「人間の性格をわずか12のタイプに振り分けられるはずがありません。[……]もちろん、そうした矛盾を承知のうえで、あえて「性格プロファイル」という初対面会話術をお伝えしたかったのは、たとえ大まかであれ、相手の性格を見抜き、タイプ別に分類することで、初対面での会話のアプローチがとてもラクになるからです」とあり、ぶっちゃけ何を言っているのかよくわからないのですが、つまるところ、本書の目的は「初対面を怖くなくする」ことにある。そういう意味では、この本はまさに「自己啓発書」なのであり、いわゆる「コミュニケーション術」の本よりも上位カテゴリーにある本とも言えようか。
繰り返しになっちゃうけれど、本書(というより、この手の本)の問題点は「その人」に「タイプ」というレッテルを貼ることにある。おそらく、実際には人は場面・状況によって異なる振る舞いをするのだろうから、「その状況にあるその人」に「タイプ」を貼り付けるというのが正しい考え方のはず。だから、前提の段階で本書の内容はじっくり読むには値しないわけで。でもそう考えると、本書の別の活用法が見出されるわけで。というのは、逆転の発想、「あの状況でこういうキャラクターを演じたい場合はどうすればよいのか」の指南書だと思って読んでみると、これは面白い。例えば本書では「サムライタイプ」(いわゆる「職人」とのこと)は、目力があり、寡黙、興味のない話題には「素っ気ない返答」をし、興味を持っている話題にこそ食いつくという。じゃあ、自分が「職人」にならなければならない場面ではそのように演じればよいわけです。本書のキモは、そういった様々な「タイプ」の人に対し、どう会話を試みればよいのかというところにあるわけですが、活用すべきはそこではないのです。明るくしなければならない場面もあれば、クールに振る舞わなければならない場面もあるし、真面目にいく時もあれば、冗談を求められる時もある。その時々に、どう演じ分ければいいのかという観点で本書を見ると、なかなか有益感マシマシでございました。
もちろん、キモである受け答えの部分も面白くはあったんですがね。特に僕は、相槌や相手の話をふくらませることが極端に苦手なので、そっちも勉強しときますー。
【目次】
はじめに
第1章 「性格プロファイル」で苦手な初対面とおさらば!
第2章 実践「性格プロファイル」1分で初対面の相手を見抜く方法
第3章 タイプ別解説&会話を続かせるコツ その①「積極会話派」
盛り上げタイプ
大阪おばちゃんタイプ
自信家タイプ
お山の大将タイプ
第4章 タイプ別解説&会話を続かせるコツ その②「消極会話派」
ねちねちタイプ
サムライタイプ
日和見タイプ
人見知りタイプ
第5章 タイプ別解説&会話を続かせるコツ その③「バランス会話派」
番組司会者タイプ
仏様タイプ
切れ者タイプ
天然タイプ
あとがき
(本文イラスト/イトウみそあじ)