戦闘機と空中戦の100年史: WW1から近未来までファイター・クロニクル

著者 :
  • 潮書房光人新社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784769816287

感想・レビュー・書評

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  • 航空マニア向けWEBサイト管理人から軍事ライターになった著者の渾身の1冊。初版は買い逃したが再販されたので購入。

    マニアを自称していても知識が偏っていたりしてバランスをとるのが難しいため、戦闘機の歴史を系統だって記述した本は頭を整理するのに貴重。

    戦闘機の基本がFirst Look, First Killであることは普遍であり、どの時代もその時代の水準で最高の情報認識力を得たものが者が空の覇を握る。この観点から各時代の状況を説明してある。

    この本で新しく得た知識や、改める必要があった知識も少なくない。フォッカーE.I.の機関銃のプロペラ同調装置がフランス発案で墜落機からドイツに渡りそこで花開いたとか、プロペラ同調装置はつまるところand接合した2個のトリガーで、一方はパイロットが、一方はプロペラが制御する。分かりやすい。

    湾岸戦争で地上攻撃に向かうF/A-18がイラク機を撃墜したのはAMRAAMの戦果だと思っていたが実はスパローだったとは長年の誤解が解けた。

    これだけの厚さなので誤字がなくはないが、マニアなら余裕で補完可能であろう。

    かがさんのごはんのために皆さんもぜひ1冊。

  • 日本語がちょっと変なのと、専門用語の壁を乗り越えられれば。
    P275 F-14退役:艦隊防空はイージス艦の発達により、オーバースペック=予算超過という見方もあるかと。ある意味、戦闘機不要論に近いような。フェニックスミサイルに戦果なしだと思っていたら、イランで活躍していたのね。
    P324 タイフーンは、ホーカータイフーン(プロペラ機)がかつての敵機だった関係で、ドイツはタイフーンの名称は使っていないというのは、デマですか?

  • WW1からWW2にかけての技術史っぽい所は読み応えあり。ゼロ戦の弱点については、防弾性能の脆弱さより、共有認識の弱さ(通じない無線機)の方を重視するに納得。その後、共有認識は現代の軍内ネットワークに進化するいう解説も一貫性がある。

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著者プロフィール

関 賢太郎(せき・けんたろう)
 
航空軍事評論家・写真家。1981年生まれ。世界を渡り歩き各国の航空事情を独自取材、自サイト上に発表していたことがきっかけとなりプロデビュー。時代を問わぬ幅広い知識と、最先端テクノロジーへの深い造詣を併せ持ち、分かりやすい解説を得意とする。数少ない若手として月刊『丸』(潮書房光人社)など複数の軍事・航空専門誌やネットメディアにおいて活躍中。
著書に『戦闘機と空中戦(ドッグファイト)の100年史』(潮書房光人社)、『すべてがわかる零戦入門』(実業之日本社)、『戦闘機の秘密』『自衛隊機の秘密』(PHP研究所)、『第二次世界大戦 最強戦闘機Top45』(ユナイテッド・ブックス)、『F-2「超」入門』(小社)など。

「2018年 『F-35「超」入門──何が得意で、何が不得意なのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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