われレパルスに投弾命中せり―ある陸攻操縦員の生還 (光人社NF文庫)

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著者 : 岩崎嘉秋
  • 光人社 (1998年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784769822073

われレパルスに投弾命中せり―ある陸攻操縦員の生還 (光人社NF文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 4769822073  392p 1998・9・13 

  • 一式陸攻に乗っていた筆者の体験記。最初から航空方面ではなく、紆余曲折を経て飛行機乗りになっていった過程が興味深い。ひとつひとつの選択がまさに運命を違えていたのだなというほどに紙一重な出来事が多い。また、人との出会いを大事にし、自分を未熟者として、自らに厳しい姿勢の筆者を純粋にすごいと思う。

  • 太平洋戦争当時の軍人、特に航空機搭乗員の回顧録は好きなのでよく読むのですが、これまで戦闘機パイロットのものが中心で、海軍の陸攻搭乗員のものは初めて読みました。

    著者の岩崎氏は当初、砲主として戦艦「陸奥」に勤務していましたが、そこでのある経験から航空機整備員を志し、さらに搭乗員へと転身したという経歴の方で、その経緯を事細かに述べています。
    特に、他の類書ではこれまで見た覚えが無い、搭乗員となるための試験や検査、訓練の模様などが詳述され、大いに参考になり、かつ興味を持って読みました。
    中でも個人的に面白いと思ったのが、練習生となるための適性検査において、易者、つまり占い師に手相や顔相を見られた、という部分でしょうか。

    その後、氏は陸攻乗りとなり、九六式陸攻を駆ってマレー沖海戦に参加、僚機とともにイギリス海軍の巡洋戦艦「レパルス」に爆撃を敢行、これを見事命中させました。

    ラバウルにも派遣され、ガダルカナル戦に参加するものの、次第に低速で脆い陸攻の活躍の場は狭まっていったこともあってか、著者も戦争中期以降はほぼ輸送や救出の任務に就いていたようです。
    マレー沖を頂点に栄華を極めた九六式、及び一式陸攻の凋落の歴史が、文章の背後から説得力をもってありありと伝わってきました。

    書いていると際限がないので、この辺りで終わりにしようと思いますが、当たりか外れかでいえば、間違いなく「当たり」の本でした。
    坂井三郎『大空のサムライ』ほどの派手さはありませんが、「噛めば噛むほど」な良書です。

  • ■■■ネタバレ注意■■■


    戦争モノはずっと避けてきたのです。ほら、「かわいそうでしょ、悲惨でしょ」って言うばかりじゃないですか。悲劇のヒロインちっくな話は好みません。ましてや、美談に仕立てて世論を操作しようという意図を感じるものなら、なおさら。
    こういう「戦った人の主観」を通して見る戦争というのは自分にとっては初めてで、とても興味深く読めました(この本は手記です)。
    華々しくも猛々しくもなく、ただ悲惨なだけでもない。彼らは何を思って空を駆けたのか、余計な装飾のない真実の一遍を見たような気がします。…まあ、本人によるある程度の脚色はあるんでしょうけどね。
    それでも、読んでいて、じんと来たのは、特攻隊を見送る部分。飛行機の操縦士として確かな経験のある主人公は特攻隊には選ばれない。選ばれるのは最低限の訓練しか積んでいない若者ばかり。その方が合理的とは理解しつつも、やり切れない。そこは主人公の気持ちにリンクできた気がしました。

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