本当の潜水艦の戦い方: 優れた用兵者が操る特異な艦種 (光人社ノンフィクション文庫 493)

著者 :
  • 潮書房光人新社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784769824930

感想・レビュー・書評

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  • 特殊な船なので特殊な用兵をしましょうという本。
    軍全体に占める構成員の割合が非常に低いため、発言力が無く、他の兵科の下に付けられたりして独自の用兵がされにくいのが問題だと指摘されている。
    資料としても使えるように、各作戦に使用した潜水艦の型が列挙されている部分が多い。
    終盤には海上自衛隊の方針に対する熱い思い(批判)が書かれており、読み応えが有る。

  • 先の大戦を中心に、海上自衛隊に至るまでの、日本の潜水艦運営の拙さを論ずる。

    潜水艦の、特に通常動力潜水艦の特性から、その利点を活かすには、通常の艦船とは違う発想が必要。日本はその真逆を行っており、無為に優秀な人材を散らせてしまった。

    具体的な戦時中の作戦のデータをかなり詳細に語っていて、そこに興味のある人はいいんだろうが、結構見た目も漢数字ばかり並んでいてぶっ飛ばしてしまった。

    日本人の民族特性として、優秀な下士官には向いているが、自由独立を旨とすべき潜水艦の運用には向いていないんじゃないかという。

    うーん、なるほど。

  • 太平洋戦争時の日本軍の潜水艦運用について述べ、現在の海上自衛隊で以下に潜水艦の扱いが不遇かを語る。

  • 元海時潜水艦長経験者による潜水艦の用法を過去の戦争の実体に基づいて検証し、潜水艦の用法作戦を示すという売りなのだが、1:第二次大戦の帝国海軍の潜水艦に限られている。2:潜水艦が適切に使われていない!という怨念がもの凄い。3:海上自衛隊においても潜水艦が組織や人事においても軽視されているという『怨念』ばかりが伝わってくる。第二次大戦の帝国海軍の潜水艦用兵の失敗の分析はともかく、他の怨念がもの凄い事と、現在の潜水艦の能力・用法については何ら言及されていない点が、題名と異なりとても残念であった。

  •  長期耐洋能力が潜水艦の武器としての長所だが、乗員の心理的ケア、精神状態を高レベルに保つ方法等は触れず。むしろ、乗員へ我慢を強いるが如き記述。◇注目点。①海自の潜水艦部隊は、ソ連潜水艦攻撃目的の集団。が、本来想定すべきは島嶼・本土の上陸部隊(艦船による兵員・武器輸送)に対する日本近海での邀撃(特に冷戦後に妥当)。これに有効とは言い難いとの指摘。②確定手順の効率化・細密化に独創性有るが、状況に即応した手順変更は不得手(正確には後手)な日本。同じ支出でも別の工夫は可能なのでは…。

  • 潜水艦はその特殊性故に用兵に無理があってはいけないというくだりは参考になった。

  • 潜水艦という特殊な艦船の使い方-用法-を、第二次世界大戦時の日本と、アメリカで比較して解説。

    潜水艦に限らず日本軍(もしくは日本の組織まで拡張できるかも)の前例主義と、成功体験を忘れない体質と、アメリカのいつでも見直し、失敗から原因を追究・反省していく体制の差を明らかにしている。

    また、現在の自衛隊は潜水艦の特殊性(隠密性、単独行動、脆弱さ)を生かすための組織なっていないとも。

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著者プロフィール

奈良ローカル通信

「2020年 『たずねる・わかる 聖徳太子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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