ある海軍中佐一家の家計簿: 戦時下に子供を三人かかえて転勤七回 (光人社ノンフィクション文庫 601)
- 潮書房光人新社 (2009年3月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784769826019
感想・レビュー・書評
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一般的な海軍士官一家である小泉義雄中佐一家の戦前、戦中の動きとその生活ぶりを家計簿と絡めながら語る生活史。
今ままで、第二次大戦関連の書物では、大局的な観点からの記述か個人的な観点からの記述しか読んだことがなかったので、ミクロの視点でバランスよく記述されており戦前・戦中の海軍士官の生活を知りたいなら、これを読めば良いと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おもしろかった!!
海軍士官は高給取り、とは知ってたけど、ここまで詳細を書き記してくれると実感がわく!
これだけ家計の内訳(食費がいくらいくらとか、お手伝いさんにはいくら払ってたとか)をこまかく記してくれる本はなかなか無いので折々に読み返したい本です。 -
軍人のご子息による記録は読み応えがあった。戦後に収入が絶たれた海軍軍人の家計簿にも大いに興味があるが、その部分の記録がなかったのが残念。
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本書はどちらかといえば普通の海軍軍人の物語である。本書の主人公である小泉義雄は海軍兵学校を卒業した士官である。水戸の裕福な家に生まれたがエリートと言う訳ではない。
義雄は子供の頃から今太閤と評判になるほど利発な子供で郷里の小学校を首席で卒業したという。
本書を読むと海軍士官の作られ方や生活ぶりを垣間見る事が出来る。
士官は裕福であるが、下士官や兵員との差が激しい。戦前は今以上の格差社会であった事がわかる。
小泉義雄は、天才・英雄・豪傑という訳ではないが、努力により地位を向上させた。その人生には共感できるものがあり、ほほえましい。