エペペ

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制作 : 池田 雅之 
  • 恒文社 (1978年12月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784770403186

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エペペの感想・レビュー・書評

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  • ブダイは学会へ向かう途中で飛行機を乗り違え知らない街へ辿り着く。
    どこへ行っても長蛇の行列、押し合いへし合いで人だけは多いのに、言語学者であるブダイが知り得るどんな言語も、身振りも通じない。そもそも他人への関心がないような人々だった。

    ディストピアからの脱出に主眼を置いた作品ではなく、主人公が言語の解読、街からの脱出を試みては人々とのコミュニケーションがとれずに徒労に終わる、という描写に主眼を置いた作品。これに終始する。

  • 言葉は通じない、身振りは伝わらない。そのような場所から脱出を試みる言語学者の男の行動は、目的地に近付くことはおろか、取り巻く環境は悪化の一途を突き進むばかりで空からも海からも遠のいていく。苛立ちと焦りが募るなかで、生命活動の原動力となっているのが単純な反抗心による悪意だとしても、冥界に落ちることを是とせず、探究、進取、奮闘を続けているから、ひとときの感激と喜悦は心を揺さぶる劇的な情景として立ち現れているように感じた。 

    〈エペペ〉は迷宮の都市、世界の果て。原初の言葉、孤立した言語。救済し妨害する女。そのどれでもあって、どれでもない。
    《2015.10.20》

  • エペペってなんだろう、と思って読んでみたのだけど、結局、これは、何!?という混乱がうずまいてしまっただけという。エペペな国に迷いこんでエペペな群衆と押し合いへし合いしたり、エペペなエレベータガールと浮気したりエペペな銃撃戦に巻き込まれたりする話です。頭がくらくらする、と思いながらもぐいぐい読んでしまった。秀逸な悲喜劇。

  • どこの国の言葉かもわからない、言葉の仕組みもわからない。その町はどこにいっても人だかりなのに、エペペの言葉を理解しない者には一人残らず冷淡だ。いま、間抜けな言語学者ブダイの勇敢な冒険がはじまる!エペペという単語の発音の快楽だけでご飯三杯はいけるよねとかどうでもいいことを考えつつ、この迷路のような世界で途方に暮れるのは悲しくもなぜか楽しい。著者はハンガリー出身とのことで、やはりこうした暗いユーモアはどこか東欧の匂いを感じさせる。不条理を笑えない人には、条理の喜びも伝わることはないのだろうとふと思う。エペペ!

  • 「エペぺ」
    今日からは「エペぺ」。ハンガリーのフェレンツの作品。ヘルシンキ行く予定がどこだかわからない街に来てしまった。いろんな言葉を試して(主人公ブダイもフェレンツ自身も言語学者)みても、一向に通じない(数字はアラビア数字らしいけど)。でも、言葉より今のところ目につくのは、どこにでもいる?群衆。それもかなり並んでいるはずなのにしゃべっている気配はないみたい。かなりの異邦人感覚…でも、なんだか現代生活って、いつもどこかにこういう感覚あるんだよね…
    ない?
    (2012 09/05)

    何事かが通じない…
    「エペぺ」の続き。とにかく人と言葉が通じない、ということへの絶望観。昨日も書いたけど、言葉ではないけれど何事かが通じない…ような感覚ならたまには(いつも?)感じているのかも。また周りの文字をじっくりと見つめていると、文字が溶解してきて?いつもの了解済みの文字に見えなくなる、そんな練習?でエペぺ感覚を養えます…この作品書かれた頃の日本がひょっとしたらモデルなのかも。
    それとも、どうかなったのは、街ではなくブダイ自身?
    (2012 09/06)

    どこ?
    「エペぺ」少し読み進め。昨日は高度経済成長期の日本かな?なんて思いましたが、今日読んだ街行く人々に制服を着た人が多い…というくだりをみると、やはり冷戦期の東欧なのかなあとも思います。とはいっても、どこでもない街、または読者の想像をすり抜けていく街なんだろうけど…
    それともグローバリゼーションが極度に発達しきるとこうなるのだろうか…
    うむ。
    一気読みした方がいいのかな。この手の小説は…
    (2012 09/07)

    第1章読み終え
     自分は一つ一つ問題を解決することによって、果して一歩ずつでも前進していたのかどうか、はなはだ怪しくなってきていた。
    (p83)
    (2012 09/08)

    水と自由
    まずはみつけてしまった、デーブーリン「ベルリンアレキサンダー広場」。物語は主人公が刑期を終え刑務所を出るところから始まるのだが…
    罰が始まる。
    (p12)
    といきなりあって、ベルリンの喧騒真っ只中に読者もろとも連れ込まれてしまう…という構造になっているみたいです。連れ込まれてしまえば、今読んでいる「エペぺ」に戻れなくなるので、1ページ半くらいにしておきました(笑)。
    で、その「エペぺ」。こっちも都市の無個人的な喧騒に取り囲まれている、というところは同じ。カネッティの「メマイ」もその系統ですね。漢字出ないけど…コミュニケーション不全になったのは、「変身」みたいにブダイ側に問題が発生したのか、あるいは社会の方がおかしくなったのか、どっちともとれます。
    彼らは、おそらく、このすべてを包囲している過剰、果てしのない行列、遅帯、時間の空費、この彼らの生活様式の卑しむべき醜悪さに、もはや気づくことはないのだろうか? 彼らは、おそらく、別の生活様式が存在することさえ想像できなくなっているにちがいない。
    (p115)
    さっきの問いで言えば社会に問題ありとする見方の文章だけど、意地汚く考えると、「別の生活様式」を創造しようとしても結局現代社会のパラレルなものしか考えられないブダイ(あるいは作者)の限界を提示しているのかもしれない…意識的に。
    そうこうしているうちに、ブダイはあることに気づく。
    海、それは開かれた水門で、至るところに通じる自由の水路だ。しかし、今まで彼は、彼を海へと導いてくれる流れ、川、運河に出くわすことはなかったのだ。
    (p116)
    そいえば、ハンガリーは内陸国でしたね。それはともかく、自由か群衆に流されるかは、この作品のメインテーマ。流されないではすまされないけど、それでも人は海を思う…
    澱んでいく思想、出口のない流れは、時として激流となる…
    (2012 09/09)

    電話
    今日も少ししか進められなかった「エペぺ」。言葉がさっぱりわからないくせに?ブダイは夜適当な番号に電話をかけるらしい。と、相手の方でもなんだかすぐに切らない人もいるという…ずっと群衆が変わらない線の太さで動き続けていたこの物語の、ちょっとした隙間?

    都市内部でも意思疎通不可能?
    「エペぺ」4、5章読み終わり。
    彼はこの一方の麻痺した消極主義の大気の中で、まったくの無関心と無頓着に取り囲まれて暮らしていた。そのような場所では、彼はただ一人の人間の関心さえ喚起できないのだった。
    (p191)
    「大気」という語がいい味だしてるけど…この辺なんて現代社会そのものだなあ…
    その証拠に(か、どうかわからないけど)、この直後と第5章には、実は都市成員の間でも通じていない、という疑惑の場面が出てきます。そんなことって…ある?
    (2012 09/11)

    ブダイのオブセッション
    今週はどっちかというと帰りに読んでいる「エペぺ」ですが、今日読んだところはブダイとエレベーターガール(仮にエペぺ)との停電の夜の一夜と、ホテルから追い出されたところ。
    で、標題ですが、この小説始まってからブダイが街をふらつく度に見るのが建設中の高層ビル。見る度に階数が増えていく。今日読んだ箇所では、これはブダイのオブセッションと書いてあった。今まで読んでる方としてもずっと気になっていたこのビル…たぶん、ブダイが最後にたどり着くのは(あるいは眺めるのは)このビルになるのであろう…って、予想たてながら読み進めています。
    小布施ッション…
    (2012 09/12)

    故郷とユートピア
    故郷はついに実像を結ばぬ幻影となり、こことは異なったある場所、ついには辿り着くかもしれないある地点というふうに変化し続けていった。
    (p258)
    ホテルから追い出されて路上生活者、日雇い労働者の生活となったブダイ。故郷から離れていくといつの日か故郷が実際とは違うユートピアにすりかわる時がある、ように思える。そうなった時、郷愁が始まり…ついには辿り着くかもしれないある地点…というのは…死?
    (さっき思ったけどブダイという名前はブダペストに似てるよね、やっぱりちょっとずれたブダペストなんだろうかこの街は…それともかなり昔のハンガリー人が今のブダペストに着いたらこうなるのだろうか…)
    (2012 09/14)

    川は流れ、海へ向かう…
    「エペぺ」を今さっき読み終えたところ。
    まずは群衆論から。春の訪れとともにこの街にも革命(暴動?)が起こる。
    彼らはまるで無重力状態に陥り、肉体の重さを感じなくなってしまったかのように、見知らぬ者同士が、互いに抱き合い、接吻を交わし、笑い、踊り狂うのだった。
    (p277)
    具体的にはこの暴動の場面はハンガリー動乱を下敷きにしているのかな? でも、カリンティの書き方は観察者に徹して(意識的に)無味乾燥。この群衆の無重力感も肯定も否定もしていない…
    そうした乾いた見方は次の章(暴動が治まった後)の文章で頂点を迎える。
    こうした社会的変動は、ここの住人の生活様式にとって必要不可欠な産物であり、常に彼らに付き纏って離れぬ現象なのだろうか?
    (p311)
    これなんて、なんか宇宙からやってきた誰かが言いそうな感じ。或いは、私達が蟻塚見て言いそうな…意思が通じない、そんな状況…それがこの作品の重要テーマであるけれど、それは別に身近に満ち溢れていることでもある。意思が通じない状況と、それでも意思が通じたと感じる不思議な裂け目。この作品では例えば電話のシーン。
    (この最後の章では他に、ソーセージが前より美味くなった、という言及も気になる。何らかの皮肉だろうか…)
    と、そのソーセージの包み紙を池の中へ投げ捨てると、包み紙は流れていく…この街の水は流れないはずなのに。ブダイは流れに沿って、この街の出口、海へと歩き出す…
    最後のページは、マンの「魔の山」と並ぶ、「海を隠して海を描く」文章の感動的な例ではなかろうか…恐らくこの作品全体が(ハンガリー人にとって海というものがどういう対象なのかも気になるところ)…
    海は何の象徴だろう。
    さらに彼の眼前には、大海原が紺青と純白の大理石をちりばめながら泡立ちうねり、煙り、時折キラリと輝くように思われた。
    (p314)
    (2012 09/16)

  • でられる気がしない><

  • お気に入り。イライラが伝わってくる。

  • 試してみてはダメ、試してみてはダメ、の連続で気が萎える。
    人が人を理解しない殺伐とした世界だけど、朝の駅のホームを思い浮かべると、この架空の世界は、実際に私たちの世界の一部だと思える。
    物悲しい話。

  • カフカの「城」のハードバージョン・・

  • 頭が死ぬほどこんがらかります、でもすごく示唆的な本。
    言葉をやってる人には特に考えさせられる本かも。

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