もう切るわ

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著者 : 井上荒野
  • 恒文社21 (2001年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784770410559

もう切るわの感想・レビュー・書評

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  • 夫と妻と愛人。井上さんの描くこの世界を不思議と心地よく感じてしまう私。
    愛しているのか憎んでいるのか、静かに日々が過ぎていくなかで時折顔を出す膿んだ感情。嘘なのか本当なのか、相手を傷付けたいのか自分が傷付いているのか、さらりと書かれているのにずーんと心に重くのしかかってくる。
    あとがきで、心の迷いを表現したかったと言われていた井上さん。まさに抜け出せない迷路にはまった感覚に陥りました。

  • 電話を、だと、思ったのですよね。違った。

  • 大人の恋愛が静かな流れで描かれている一冊。

    一人の男がいる。
    男には妻と愛人がいる。
    男から離れていこうとしている妻。
    男からの電話をひたすら待っている愛人。

    ある日、男は不治の病におかされ、死期を宣告される。
    その瞬間、三角関係が奇妙に揺らぎはじめる...

    …不倫の話なのに、一人の男性を妻と愛人とでとりあう話でもなく、男の闘病日記でもなかった。
    「どうだ!」という落ちもなく、悲惨さも全く感じなかった。
    修羅場にすらならない三角関係。
    なぜ容認できるのだろう?諦め?私には理解できない世界だった。

    男が最後に愛したのはどちらだったのか。
    二人の女性が本当に愛したのは、彼だったのか、そうではなかったのか。
    そして、タイトルの意味。
    誰が誰を(何を)どう切ったのか。
    明確な答えは示されておらず、私にはわからなかった。

    それにしてもこの男は、ずるい。
    妻と愛人の心を大きく揺さぶって、嘘や疑問も投げかけておいて、本音を隠したままで悪びれもせず先に逝ってしまった。
    ずるい。

  • どんなふうにと考えると何ってことはないのだけど、題名からは想像もできない話で、後書きにもあるけど
    してやられた!って感じかな。書評によると作風らしくて、全く持ってハマりましたw

  • ★★★1/2。
    怖っ、この作品。
    これは女性作家にしか書けない作品でしょう。
    女の業みたいなものが
    散りばめられてて怖かった。
    もちろん、怖いと思うのは
    自分でもそう思うなと同感しちゃうからなんだけど。。。
    怖っ。。。

  • 「よくつかめない・・・」

    「だんだんおもしろくなってきた」

    「ん・・・?」


    と、半分以上過ぎたところで、章ごとに語ってる人物が違っているということに気づく。
    「私」と「あたし」に気づきもしなかった。。。


    三人とも、それぞれが、哀しかった。


    井上荒野、やはり、とても好きな作家さん。

  • 夫は前職のときから女の影がちらついていた。
    歳さんには妻がいるけれど、二人の恋にはあまり関係のないことだった。

    今も、夫がどこかの女との色恋に溺れているのを見て見ぬふりをしている私。
    甘い青春時代の恋愛を楽しむかのようなあたし。

    ただ一人の男の不倫は、自身の病気と共に終わっていく。

    妻と愛人、夫であり恋人である男を愛しているのは、
    いったい誰なのか、自分たちですらわからなくなっている傍には
    もう男はこの世にはいない。

    不倫している夫は病気で、死んでいくのを妻視点と愛人視点で書かれている話。

    愛のない夫婦を書くのが絶妙にうまいよね~。
    でもそんな仮面夫婦いやだ~。
    ミルフィーユ食べたくなってきた~)^o^(

  • 妻と愛人両方からの気持ちが描かれてます。死に行く人を前に人間の本当の気持ち、きれいじゃないだしてはいけないと言われそうな裏の真実。でもこうなんだなと安心したり・・

  • 永遠の片想い?…違う。一見通じ合っているはずの男女の熱の矛先が、微妙に、多分決定的にずれている感じ。恋愛って、そういうものなのかもしれないけど。
    人へ向ける好意は双方向的であって欲しいのに、きっとベクトルがぴったり重なることはありえないんだろう。もの凄く、不安になる。

  • ずーっと勘違いして読んでいた。夫と呼ぶ時は現在なのかな、俊さんと呼ぶ時は過去の回想なのかな、と。途中どうも様子がおかしい。そういえば、「私」だったり「あたし」だったりする。だけど、それは若い時と今っていうことかとまだ思っていた。決定的だったのは名前が違うことだった。そこに気付いたのはもう140ページ読んでしまってからで、もう一度さらい直すことになってしまったというw(あとがきでそれも作者の狙いというがわかったのだけど)どうしても妻側目線になるわたしなら、夫に女の気配を感じながらそれを心に抱えながら看取るなんて出来んと思うが、読んでいるとそれが賢いかどうかはわからん。わたしは外側から眺めているだけだから。狙い通り、終わりまで読んでも不安を掻き立てられたまま迷路の中のような不思議な気持ちの読後です。

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