屠場みる・きく・たべる・かく: 食肉センターで働く人びと

制作 : 三浦 耕吉郎 
  • 晃洋書房
3.63
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本棚登録 : 69
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784771019683

作品紹介・あらすじ

屠場とはどんな所なのか。牛や豚が食するために屠られ肉へとかわる「その場所」で働く人びとの息づかいや仕事への熱い思いを描き出し「いのちと食」について考える。

感想・レビュー・書評

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  • ・400kgを4つに割る
    ・内蔵は洗濯機で洗う
    ・背割り、頭割り、豚のシューター、色々な工夫
    ・赤字で民営化
    ・O157で全工程熱湯付ける
    ・周辺住民の反対

  • 3.5 決して面白い本ではない。読むのに時間かかった。ただ知らざれる産業のあり方をあぶり出すことには、成功している。肉が好きな人は読むべし。

  • 花泉図書館。

    屠畜に関わる文献としては、とてもまとまっている感触。

  • 屠場で働く様々な立場の人へのインタビューを通してその実態に迫った1冊。

    「家畜を育てる」と「肉を食べる」の間にあって欠かすことが出来ない「屠畜」という仕事。その中身はまさに職人の世界である事が種々のインタビューからダイレクトの伝わってきます。
    反面、インタビューにあまり依存した構成になっているために客観的なデータや資料の提示は非常におざなり。科学的根拠の提示のない話も多く、説得力に欠ける話がごろごろしています。屠場が周辺環境に与える影響について触れる項でも、屠場側からの意見はたくさん載っていますが、周辺住人からのインタビュー等はなく、一方的な印象を受けました。また、屠場のマイナスイメージを払拭する事には大変熱心ですが、その負の歴史や問題点、現在も続く差別問題等にはほとんど触れる事が無く、アンバランス感が残る点も気になりました。

    経営の問題についてはかなり深く切り込んでいて興味深い内容でした。

  • 働いている人が、なんだかんだでぼんやりとも世襲が多いこと。
    ハムの会社の新人研修で体験させると半分辞めること。
    だからといって小さいころから屠場に慣れてきた人が葛藤を感じないわけではなく、嫌だ、と思ってきた。しかし一様に「慣れた」と語る。
    ここらへんが屠場における問題かもしれない。
    消極的にしろこうして屠殺を穢れとみなす、また同じ血が同じ職を受け継いでしまうあたりがよくないと思った。
    俗に3Kと言われる屠場の仕事は、若い人もなかなかならない。公営のところは多く多額の借金がある。地震、O157、BSEなど時代を超え降りかかる問題、本書の西宮の屠場も、阪神淡路大震災により周りに立つはずがなかった住宅が建ち、住民に臭気騒音だけでなく屠殺される牛や豚が納入されるのが見える、という苦情まで、対策をさせられ、その費用にも金を使わされ、それにより存続の危機に立たされたりしている。
    しかし、神戸で新鮮な肉を食えるのはここのおかげだ。九州でパック詰めまで処理した方が経費は安く済むが、西宮でわざわざ処理しているのは鮮度という職業意識によってきたのだ。それを無視して話を展開しようとする行政に屠場で働く人々は戸惑いといら立ちを覚えている。この当然な職業意識に打たれる。屠場に携わる人々は素朴だが素晴らしい人格を持っている。
    とにかくもっと広く知られるべき職業だ。

  • 西宮市公営の食肉センター。家畜の牛や豚を食肉向けに加工する、いわゆる「屠場」だ。このセンターが安全管理コストの増加や人材不足、近隣住民からの苦情などの問題により、存続を議論されることになった。

    本書はその議論の出発点として、食肉センターにたずさわる人たちへ聞き取り調査をした記録集。

    と、一見すると大学のセンセーによるお堅い論文のようだが、屠殺を仕事とする人たちのインタビューによる本音はなかなか興味深い。

    やっていることは牛豚を殺し、皮をはぎ、頭蓋骨を叩き割る・・・、想像し難い仕事。でも、従業員たちは効率化のために工夫をこらし、今だから言える失敗談を語る。日常化してしまえば、普通の肉体労働なのだ。

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