働くひとの生涯発達心理学―M-GTAによるキャリア研究―

著者 :
制作 : 岡田 昌毅 
  • 晃洋書房
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本棚登録 : 11
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784771028111

作品紹介・あらすじ

組織で働くひとやその支援者を分析対象とし、働くひとの生涯にわたるキャリア形成プロセスを紹介する、実践的な内容。将来に悩むひとびとの生の言葉を集めた、キャリアに関して興味がある方やキャリア支援者・研究者のための一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 組織で働くひとやその支援者を分析対象とし、働くひとの生涯にわたるキャリア形成プロセスを紹介する、実践的な内容。将来に悩むひとびとの生の言葉を集めた、キャリアに関して興味がある方やキャリア支援者・研究者のための一冊。

  • M-GTAを使った論文の説明が豊富で非常に秀逸な本であった。



    「さまざまな語りから、ある程度一般化された仮説モデルを生成する」
    ・具体的な語りを整理し、抽象化、モデル化等を目指すための研究方法には、KJ法、内容分析、ステップコーディングによる質的データ分析法(SCAT)、複線径路・当至性モデル(TEM)などがあるなかで、M-GTAが注目されている。

    目次
    はじめに
    第1章 働く若者はキャリアについてどのような焦燥感を抱くのか
    キャリア焦燥感の構造とそれによって生じる行動、およびキャリア焦燥感の緩和プロセス
    第2章 人は組織で働くことをどのように意味づけていくのか
    働くことの意味づけプロセスとその促進要因
    第3章 組織で働く人はどのように自らのキャリアを自立的に形成しているのか
    キャリア自立の促進要因と心理的プロセス
    第4章 女性が「子供を持っても仕事を続ける」と決める時期と理由は?
    仕事と子育て両立型j個性のライフコース選択
    第5章 経営者のキャリア支援意識はどのように形成されていくのか
    大企業経営者のキャリア支援意識形成プロセス
    第6章 キャリアカウンセラーはどのように成長・熟達していくのか
    キャリア支援者の職業的発達プロセス
    第7章 調停人はどのように調停の場にかかわるか
    調停人の理念と葛藤および成長に関する考察

    ーー
    第6章 キャリアカウンセラーはどのように成長・熟達していくのか
    キャリア支援者の職業的発達プロセス

    ②インタビューから分かったこと
    「分析の結果、最終的に6カテゴリー・グループ、24カテゴリー、65概念が分析され、理論的飽和に達した(表6-2~表6-5)。カテゴリー間の関係について検討し、キャリア支援識者の職業的プロセスの結果図(図6-1)を作成した。

    以下では、結果図(図6-1)に基づくストーリーラインを述べ、その後、ny風食への意思決定と職務上の動機、キャリア支援職としての具体的な行動、キャリア支援職としての技能や意識の変化、支えとなるものと将来に向けた展望の4領域に分けて概念の説明を行う。なお、文中および図中では、カテゴリー・グループ、カテゴリ、概念の名称は順に{}、[]、「」で表示する。

    ③まとめ
    「このように、徐々に実践と学習が積みあがっていく移行プロセスやそれに伴う細やかな技能や意識の変化は、統合的発達モデルの「初心者の段階」から「試行錯誤と試練の段階」への移行に整合すると考えられる。
    例えば、統合的発達モデルの構造的側面の一つには「自立性」という視点がある。本モデルではキャリア支援職務はまずは基底路線に従った業務遂行があり、そこでは与えられた役割と業務を必死にこなす意識であるが、この段階ではまだ受け無為的であり自立性としては低い状態だと推測される。

    ④実践に向けて

    ーー
    第4章 女性が「子供を持っても仕事を続ける」と決める時期と理由は?
    仕事と子育て両立型j個性のライフコース選択

    ④本研究の結果とアメリカの先行研究との比較
    lavinsonとの比較では、アメリカのキャリアウーマンと本研究の両立型女性の発達のライフサイクルと心理には共通点が多くみられる。(中略)
    相違点はLavinsonは女性のライフサイクル研究であり研究目的が違う点が前提としてあげられる。(中略)
    このように、時代や環境の差はあるが、アメリカのキャリアウーマンの心理的発達過程と本研究の日本の〇〇にはライフサイクルと心理発達における多くの共通点が見られる。
    これらの先行研究にm所とづいて生成された本研究の結果図は、(中略)要因があるという仮説であり、〇〇に関する新しい提示である。

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著者プロフィール

筑波大学教授

「2022年 『働くひとの生涯発達心理学Vol.3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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