オ-トポイエ-シス: 生命システムとはなにか

  • 国文社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772003674

感想・レビュー・書評

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  • システム思考といっても、実は、いろいろあって、いわゆるループ図書いたりするのは、システムダイナミクス。工学的なところから出てきた原因と結果の因果関係の全体像を理解する方法。

    センゲは、このシステムダイナミクスからスタートしているのだが、「生きたシステム」という言葉もときどきでてくる。組織は生き物だよ、機械じゃないよ、という話し。

    で、その「生きたシステム」論の理論的なバックグラウンドは、チリの生物学者ウンベルト・マトゥラーナとフランシスコ・バレーラの提唱するオートポイエーシスという理論。

    オートポイエーシス関係では、「知恵の樹」と「身体化された心」を読んだことがあって、どちらもかなり影響を受けた。

    というわけで、オートポイエーシスの一番原点ともいえる本書を買ったのだが、メチャクチャ難しい〜〜〜。お手上げ状態。あきらめて、ページをパラパラめくりながら、斜め読みして、目に飛び込んでくる文章だけを味わってみた。

    生物学の厳密な論文なので、文系の私には、分からないという感じの難解さではないんだね。極めて理論的で、事例等はほとんど出てこずに概念を厳密に定義している感じ。

    最初のほうに言葉の定義があって、あとはそれを展開していくと、あ〜なって、こ〜なって、今やこれは自明である、従って、、、、とどんどん概念が展開し、この含意はこうだ!みたいな感じです。

    これが、オートポイエーシスなわけね。外部と関係なく、概念があるとそれが自己言及的に増殖していく感じです。それを地でいっている訳ね。

    全然分からないけど、これすごいね。

    本文を読み終わって、訳者の解説を読んで、ようやく言っていることが分かり始める。(といっても、解説自体も結構難しい)

    最後に変な感想だが、チリの生物学者って、すごいね。
    ん、それって、差別?
    いやいや、違います。70年代の始めくらいにチリは社会主義のアジェンデ政権というのがあって、社会的にラジカルな状況にあったのだけど、そういう感じとこの2人も連動しているのだろうな〜と。自然科学的な論文なのだが、その射程には人間、社会システムが入っているので。。。

  • オートポイエーシス、再帰性などの元祖と言われる本。
    美しいレトリックは時に政治に安易に応用されやすい。人類が安定や同一性を求めやすい、という性質の認識。

    自己観察を通じて自己意識となる。私たち自身を記述し、その記述を相互作用する事によって私たちは自己記述を記述する事ができる。これは際限のない再帰的プロセスである。

    合意が成立するのは結果としてそれぞれの有機体に生じた行動が、双方の維持に役立つ様な恊働的相互作用が行われる場合のみである。

    相互作用を通じた恒常性
    異なったクラスの性質を持つ実体は独立した相互作用領域を産出。いっさいの還元主義の不可能性。

    行動一般の論理は記述するシステムの論理である。ーそれゆえ適応時において論理的一貫性が達成されているとき、人は合理的であると自らを捉える。
    ーそもそもシステムの論理自体がパラドックスを抱えている場合がほとんど。。システムのパラドックスは人にどのように反映されるのか?もしくは最小要素である相互作用にどのように反映されるのか?

    知るとは個体的、恊働的状況で適切に行動しうるか?である。
    システムはそもそも環境を制御するようにはつくられていない。

    後記が結構すき。
    全体的に難しい。

  • ”オートポイエーシスの概念が展開された基本的文献集”という話ですが、平易なのかどうかが・・・というわけで入門書を探してます。

  • Humberto Maturana Romesín (1928-
    Francisco Javier Varela García (1946-2001)
    •La objetividad: Un argumento para obligar (1997)
    •Autopoiesis and Cognition: The Realization of the Living (1979)
    La Autopoiesis (autopoyesis)

  • 1063夜

  • 難解…

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