きつね森の山男

著者 :
  • こぐま社
3.93
  • (32)
  • (36)
  • (32)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 438
感想 : 42
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772100380

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • これを機に、姉弟ともに大好きになったふろふき大根!
    「まず だいこんをわぎりにぶったぎるだ。 それをにるだ。」は何故かずっと覚えているセリフ。

  • 友達の家にあって、遊びに行くたびに読ませてもらった。
    好きすぎて何度も読んでいたら、引っ越しでお別れになるときに、もらった。
    思い出深い。

  • つい最近馬場のぼるさんの企画展に行ってきて、原画を見てきた作品だったので、始めて読む本なのになんとなく親しみを感じながら読むことができました。
    まずは主役である山男がとっても魅力的。強い力を持っているのに威張ったりせず、誰かにおもねったりもせず、のほほんとしながら生きる姿がかっこいいです。
    話は山男が、きつね VS 殿様の戦いに巻き込まれるというもので、割といろんな出来事が起きますが、ストーリーの骨格がしっかりとしているため最後までぐいぐい惹きつけられました。
    馬場のぼるさんの絵本って割と嫌なやつとか、ヤバいやつが出てきたりもするのですが、そういう存在を必要以上に擁護することも美化することもなく、「絵」と「物語」の力でもってあっけらかんと彼らを描き、最終的にめでたしめでたしってところに持って行くわけで、ストーリーテラーとしても確かな腕を持っている方なんだなあと改めて感じます(ファンの方にとっては周知のことだとは思いますが)。
    寒がりなお殿様がきつね狩りをやめる方法についても、作者の哲学や朗らかさがにじみ出ていて素敵ですし、さっぱりとした絵、さっぱりとしたオチ、さっぱりとした気分が非常に心地良い絵本でした。
    きつね本として見ると、馬場のぼる作品にしてはかつてないほどたくさんきつねが描かれており満足度高め。馬場さんの描くきつねはいいですね~。いま一番真似て描いてみたいのはこの方のきつねだな。少ない線でやわらかくサラッと描かれた様子がこちらの心を和ませるようでなんとも素敵。山男とは、『ダンジョン飯』のセンシとオークの関係性のように末永く仲良しでいてほしいなと、そんなことを思いました。

  • きつねの登場する絵本を探すシリーズですが、馬場のぼるさんの作品は2冊目になります
    以前読んだ『五助じいさんのキツネ』は、キツネの子と五助じいさんの特別な関係が描かれる作品でしたが、こちらの『山男』はとにかく山男! の存在がめちゃくちゃ強くてたくましい、素敵な作品です
    すごく寒がりなもんだから、キツネを狩ってその毛皮でお召し物を作ってほかほかになって暮らしたい殿様と、毛皮を狙う殿様に逆にいくさを仕掛ける決意をしたキツネ軍団、両者の激突はあわや大惨事が起きるかと思われるのですが、そこへ現れたのが山男!
    山男は思いもよらない方法で、キツネと殿様の争いを収めてしまうのでした…! というコミカルでありながら考えさせられる内容の物語です

    風来坊の山男が、拠点に決めた山で畑を耕したり葡萄酒を醸したりする姿
    敷き詰められたキツネの毛皮と着る毛皮でほかほかになって過ごす御殿の妄想をする殿様
    怒れるキツネたちがずらっと勢揃いし、次々と足軽の姿に化ける様子
    キツネ軍団と殿様の軍隊があわや激突する瞬間の山男の力業の仲裁
    山男をどうにか家来に召し抱えようとする殿様との問答と山男のフィジカルの強さ
    山男のあったかくておいしい山の恵みのお料理がふるまわれる、舌鼓が打たれる場面

    話の展開がなかなかに込み入っており、また個性的な名シーンぞろいで、各シーンの馬場のぼるさんの絵を眺めてもすごく情報量が多く、どのページの絵も飽きない魅力がたくさんです
    この物語に登場するキツネは、パーソナルな特徴のある子はいなくて、あくまでも“キツネ軍団”なのですが、キツネ軍団の合戦の描写や平和になった後のキツネ集落が素敵なので、こちらもぜひキツネ絵本シリーズに上げたくなりました

    それにしても、山男どのの魅力がたっぷりの作品です地の恵みを大切にして、畑を耕して、おいしいお料理を振る舞うことを楽しむ山男、どこか『ダンジョン飯』の素晴らしいドワーフのセンシを思い出すキャラ造形なのでした
    そう考えると、お料理の時の食材がぽぽぽんと飛ぶ演出とか、毛皮を着てひげ面でとぼけたまん丸まなことか、見れば見るほどセンシっぽい山男で、ひょっとしてセンシのモデルなのかな…なんて妄想してしまいます
    山男が争いを止めるために提示した策は“食べること”であることが、両者に共通する生き方そのものを感じます
    込み入った個性的なお話だけど、食べることって大事なんだっていう、シンプルな事を真っ直ぐに伝えてくれる絵本です
    続き絵になっている表紙と裏表紙に描かれた、山男とたくさんのキツネの行列も素敵な一作なのでした

  • 山男の天然さに笑えます笑笑絵本ですが、ほぼ読み物です。読み聞かせにはちょっと長いです。昔の言葉が沢山出るので説明がいるかもしれませんが、物語自体は面白いです。1人読みに良さそう。
    〇1人読み(小学低学年~)

  • ドキドキして、優しい気持ちになる絵本でした。

    馬場のぼるさんは11ぴきのねこシリーズしか読んだことがありませんでしたが、こちらはそれらよりも少し長めのお話でした。

    読んでみると戦争が始まる!とハラハラドキドキさせられますが、飄々としたやさしい山男がなんともハッピーな方法で争いをおさめます。

    子どもたちに平和の尊さとか
    共存共栄を伝えたい…

    と思うのは私だけで、

    子どもたちは
    「大根に化けたきつねがおもしろい」
    「こらー!大根踏むな!で笑った」
    など、純粋に楽しんでいました。

    大人は癒され、子どもは楽しめる絵本でした。

    図書館で借りましたが、買うつもりです。

  • 山男ののほほんとしたところがいい!

  • こんな風に戦いがなくなればいいな。

    美味しい食べ物は平和の象徴です。

    13分ちょい。

  • 山男の生命力。

  • 山男やキツネたちのコミカルな動きや表情、あつあつのふろふきだいこんに、心も体もほっかほか。

全42件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1927年、青森県三戸町に生まれる。1949年、上京し漫画家としてスタートした。漫画『ブウタン』で第1回小学館漫画賞、『11ぴきのねこ』で第15回産経児童出版文化賞、『11ぴきのねことあほうどり』と日本経済新聞連載の漫画『バクさん』で第19回文藝春秋漫画賞受賞。『絵巻えほん 11ぴきのねこマラソン大会』で、イタリアの子どもたちが選ぶイタリア・ボローニャ国際児童図書展エルバ賞を受賞。一連の業績に対して、1993年に日本漫画家協会賞文部大臣賞、1995年に紫綬褒章受章。2001年没。

「2023年 『馬場のぼるのおえかき教室』 で使われていた紹介文から引用しています。」

馬場のぼるの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×